労働・HR

秘密保持誓約書テンプレート

秘密保持誓約書は、従業員が会社の秘密情報を守ることを約束する書面です。入社時と退社時の白紙と記入例(Word・PDF)を、全文コピーつきで無料配布します。

公開: 2026年5月5日 最終更新: 2026年10月14日 WordPDF 会員登録不要・無料
2026年10月13日 時点の情報
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秘密保持誓約書テンプレートのテンプレートプレビュー
秘密保持誓約書テンプレート(Word / PDF・会員登録不要・無料DL)

秘密保持誓約書の白紙と記入例(入社時・退社時)

入社時と退社時の2つの白紙と記入例を、Word・PDFで配布しています。上のダウンロード欄から取れます。人物・会社・日付・数字は、すべて架空です(記入例の2件で、同じ人や会社は使っていません)。記入例の期間は書き方を見せるための例で、推奨ではありません。会社に所定の様式があるときは、その様式を使います。

ファイル 中身 ページ数
himitsuhoji-seiyakusho_nyusha_full(Word・PDF) 入社時の秘密保持誓約書の白紙 1
himitsuhoji-seiyakusho_taisha_full(Word・PDF) 退社時の秘密保持誓約書の白紙 1
himitsuhoji-seiyakusho_nyusha_example_full(PDF) 入社時の秘密保持誓約書の記入例 1
himitsuhoji-seiyakusho_taisha_example_full(PDF) 退社時の秘密保持誓約書の記入例 1

白紙には、表題と書き込む欄だけが入っています。見出しや書き方の注意書きは印字していません。白紙の各ページの下には「template-free.jp」とだけ入っています。記入例のページの下には、このページのURLがあります。記入例の記入部分は赤字です。

まず「どの誓約書か」を選ぶ

こんなとき 使うもの
入社する人に、秘密情報の範囲と取扱いを約束してもらう 入社時の秘密保持誓約書
退社する人に、秘密情報の返還・廃棄と、退社後の秘密保持を確認してもらう 退社時の秘密保持誓約書
入社時・退職時の基本の約束をまとめて書面にしたい 誓約書テンプレート
退職後の競業を制限したい 誓約書テンプレートのパターン3(会社も署名する書式)
取引先・業務委託先と秘密を守る約束をしたい NDA(秘密保持契約書)テンプレート

入社時の秘密保持誓約書

入社時に、会社の秘密情報の範囲と、その取扱いを約束してもらう誓約書です。秘密情報の範囲を種類で並べ、複製・持出しの禁止、管理、返還・廃棄、漏えいの報告までを書きます。退職後の期間は空欄で、書く人が決めます。

この様式の条:秘密情報の範囲・秘密の保持・目的外使用の禁止・複製・持出しの禁止・管理・個人情報の取扱い・返還・廃棄・SNS・インターネット・研修・漏えいの報告・知的財産・損害の賠償・秘密保持義務の期間

  • 第1条は、秘密情報の範囲を、情報の種類で並べています。会社が秘密として指定した情報も含みます。
  • 第4条・第5条は、複製・持出しの禁止と、管理の方法です。私物の機器やクラウドに保存するときは、会社の許可を受けます。
  • 第13条は、退職後の期間の条です。期間は空欄で、期間を定めない場合の選択肢(□)もあります。

入れてはいけない書き方:「秘密を漏らしたときは違約金100万円を支払います」のように、金額を先に決める書き方(労働基準法16条)

入社時の秘密保持誓約書の記入例。株式会社ネクスト物産あてに、加藤 彩さんが誓約日と入社日を書き、秘密情報の範囲、秘密の保持、目的外使用の禁止、複製・持出しの禁止、管理、返還・廃棄、漏えいの報告などの条に署名した見本。記入した部分は赤字。
配布している記入例のPDF(himitsuhoji-seiyakusho_nyusha_example_full.pdf)の1ページ目(記入例)

入社時の秘密保持誓約書(記入例)の全文

秘密保持誓約書(入社時)

 

株式会社ネクスト物産 代表取締役 渡辺 五郎 殿

誓約日 令和8年9月30日(水)

入社日 令和8年10月5日(月)

 

私は、株式会社ネクスト物産(以下「会社」といいます。)に入社するにあたり、会社の秘密情報を守ることを、次のとおり誓約します。

 

第1条(秘密情報の範囲)

私が業務で知る次の情報(以下「秘密情報」といいます。)を、会社の秘密として取り扱います。

・顧客・取引先の情報(氏名、連絡先、取引の履歴、取引条件など)

・財務・経営の情報(売上、原価、予算、資金調達の内容など)

・人事の情報(給与、評価、採用選考の内容など)

・技術・製品開発の情報(製造方法、ソースコード、研究データ、設計図など)

・営業の情報(営業戦略、仕入先、価格設定など)

・情報システムの情報(ID、パスワード、システムの構成など)

・その他、会社が秘密として指定した情報

 

第2条(秘密の保持)

私は、秘密情報を、在職中も退職後も、会社の許可なく第三者に開示せず、漏えいしません。

 

第3条(目的外使用の禁止)

私は、秘密情報を、会社の業務以外の目的に使用しません。

 

第4条(複製・持出しの禁止)

私は、会社の許可なく、秘密情報を複製、撮影、記録せず、社外に持ち出しません。

 

第5条(管理)

私は、秘密情報が記録された書類・データ・機器を、会社の定める方法で管理します。私物の機器やクラウドサービスに秘密情報を保存するときは、あらかじめ会社の許可を受けます。

 

第6条(個人情報の取扱い)

私は、業務で知った顧客・取引先・社員などの個人情報を、会社の定めに従って取り扱い、目的外に使用しません。

 

第7条(返還・廃棄)

私は、退職するとき、または会社から求められたときは、秘密情報が記録された書類・データ・機器(複製したものを含みます。)を返還し、または会社の指示に従って廃棄します。

 

第8条(SNS・インターネット)

私は、秘密情報を、SNS、ブログ、掲示板などのインターネット上に書き込まず、公開しません。

 

第9条(研修)

私は、会社が行う情報管理や個人情報の取扱いに関する研修を受けます。

 

第10条(漏えいの報告)

私は、秘密情報が漏えいし、または紛失したこと、あるいはそのおそれがあることを知ったときは、直ちに会社に報告します。

 

第11条(知的財産)

私は、業務で作成した発明、著作物などの取扱いについて、会社の規程の定めるところに従います。

 

第12条(損害の賠償)

私は、この誓約書に反する行為によって会社に損害を与えたときは、会社に実際に生じた損害を賠償します。

 

第13条(秘密保持義務の期間)

退職後の秘密保持義務は、次の期間続きます。

 期間:退職後3年間

□ 期間を定めない(秘密情報が公になるまで)

 

住所 東京都中央区ネクスト町4-5-6

氏名 加藤 彩 ㊞

入社時の秘密保持誓約書の白紙。宛先、誓約日、入社日、前文と、秘密情報の範囲から始まる各条が並ぶ。退職後の期間の欄は空欄で、数字は入っていない。
配布している白紙のPDF(himitsuhoji-seiyakusho_nyusha_full.pdf)の1ページ目

入社時の秘密保持誓約書(白紙)の全文(そのままコピーして使えます)

秘密保持誓約書(入社時)

 

              殿

誓約日 令和  年  月  日

入社日 令和  年  月  日

 

私は、            (以下「会社」といいます。)に入社するにあたり、会社の秘密情報を守ることを、次のとおり誓約します。

 

第1条(秘密情報の範囲)

私が業務で知る次の情報(以下「秘密情報」といいます。)を、会社の秘密として取り扱います。

・顧客・取引先の情報(氏名、連絡先、取引の履歴、取引条件など)

・財務・経営の情報(売上、原価、予算、資金調達の内容など)

・人事の情報(給与、評価、採用選考の内容など)

・技術・製品開発の情報(製造方法、ソースコード、研究データ、設計図など)

・営業の情報(営業戦略、仕入先、価格設定など)

・情報システムの情報(ID、パスワード、システムの構成など)

・その他、会社が秘密として指定した情報

 

第2条(秘密の保持)

私は、秘密情報を、在職中も退職後も、会社の許可なく第三者に開示せず、漏えいしません。

 

第3条(目的外使用の禁止)

私は、秘密情報を、会社の業務以外の目的に使用しません。

 

第4条(複製・持出しの禁止)

私は、会社の許可なく、秘密情報を複製、撮影、記録せず、社外に持ち出しません。

 

第5条(管理)

私は、秘密情報が記録された書類・データ・機器を、会社の定める方法で管理します。私物の機器やクラウドサービスに秘密情報を保存するときは、あらかじめ会社の許可を受けます。

 

第6条(個人情報の取扱い)

私は、業務で知った顧客・取引先・社員などの個人情報を、会社の定めに従って取り扱い、目的外に使用しません。

 

第7条(返還・廃棄)

私は、退職するとき、または会社から求められたときは、秘密情報が記録された書類・データ・機器(複製したものを含みます。)を返還し、または会社の指示に従って廃棄します。

 

第8条(SNS・インターネット)

私は、秘密情報を、SNS、ブログ、掲示板などのインターネット上に書き込まず、公開しません。

 

第9条(研修)

私は、会社が行う情報管理や個人情報の取扱いに関する研修を受けます。

 

第10条(漏えいの報告)

私は、秘密情報が漏えいし、または紛失したこと、あるいはそのおそれがあることを知ったときは、直ちに会社に報告します。

 

第11条(知的財産)

私は、業務で作成した発明、著作物などの取扱いについて、会社の規程の定めるところに従います。

 

第12条(損害の賠償)

私は、この誓約書に反する行為によって会社に損害を与えたときは、会社に実際に生じた損害を賠償します。

 

第13条(秘密保持義務の期間)

退職後の秘密保持義務は、次の期間続きます。

 期間:

□ 期間を定めない(秘密情報が公になるまで)

 

住所

氏名 ㊞

退社時の秘密保持誓約書

退社するときに、秘密情報の返還・廃棄と、退社後も守ることを確認してもらう誓約書です。冒頭に、退社年月日・在職期間・最終所属・最終役職の欄があります。競業の制限と退職金の条件は入れていません(競業の制限は、誓約書ページのパターン3にあります)。

この様式の条:秘密情報の範囲・退社後の秘密の保持・目的外使用の禁止・返還・廃棄・個人情報・SNS・インターネット・アカウント・権限の返還・漏えいの報告・確認への協力・知的財産・損害の賠償・合意管轄

  • 第4条は、返還と廃棄です。廃棄したものは、会社から求められたときに、書面で報告します。
  • 第7条は、アカウント・権限の返還を、独立した条にしています。
  • 冒頭の在職期間・最終所属・最終役職は、誰の誓約書かを後から確かめるための欄です。

入れてはいけない書き方:「違反したときは違約金として退職金から差し引きます」のように、金額を先に決めたり、退職金の扱いをこの書面で約束させたりする書き方(労働基準法16条)

退社時の秘密保持誓約書の記入例。株式会社ブルー精機あてに、吉田 美咲さんが退社年月日、在職期間、最終所属、最終役職を書き、秘密情報の範囲、退社後の秘密の保持、返還・廃棄などの条を記入した見本。誓約日は退社年月日と同じ日。1ページに収まっている。記入した部分は赤字。
配布している記入例のPDF(himitsuhoji-seiyakusho_taisha_example_full.pdf)の1ページ目(記入例)

退社時の秘密保持誓約書(記入例)の全文

秘密保持誓約書(退社時)

 

株式会社ブルー精機 代表取締役 小林 六郎 殿

誓約日 令和8年11月30日(月)

退社年月日 令和8年11月30日(月)

在職期間 令和元年10月1日から令和8年11月30日まで

最終所属 営業部 第二課

最終役職 係長

 

私は、株式会社ブルー精機(以下「会社」といいます。)を退社するにあたり、会社の秘密情報を守ることを、次のとおり誓約します。

 

第1条(秘密情報の範囲)

私が在職中に知った次の情報(以下「秘密情報」といいます。)を、会社の秘密として取り扱います。

・顧客・取引先の情報(氏名、連絡先、取引の履歴、取引条件など)

・財務・経営の情報(売上、原価、予算、資金調達の内容など)

・人事の情報(給与、評価、採用選考の内容など)

・技術・製品開発の情報(製造方法、ソースコード、研究データ、設計図など)

・営業の情報(営業戦略、仕入先、価格設定など)

・情報システムの情報(ID、パスワード、システムの構成など)

・その他、会社が秘密として指定した情報

 

第2条(退社後の秘密の保持)

私は、退社後も、秘密情報を、会社の許可なく第三者に開示せず、漏えいしません。

この義務は、次の期間続きます。

 期間:退社後3年間

□ 期間を定めない(秘密情報が公になるまで)

 

第3条(目的外使用の禁止)

私は、退社後、秘密情報を、会社の業務以外の目的(自分または第三者のために使用することを含みます。)に使用しません。

 

第4条(返還・廃棄)

私は、秘密情報が記録された書類・データ・機器(複製したものを含みます。)を、すべて会社に返還し、または会社の指示に従って廃棄したことを確認します。私物の機器・クラウドにある秘密情報は消去しました。廃棄したものについて、会社から求められたときは、廃棄したことを書面で報告します。

 

第5条(個人情報)

私は、退社時に業務で保有していた個人情報を会社に返還し、複製したものを持ちません。退社後は、個人情報を目的外に使用せず、開示しません。

 

第6条(SNS・インターネット)

私は、退社後、秘密情報を、SNS、ブログ、口コミサイトなどのインターネット上に書き込まず、公開しません。

 

第7条(アカウント・権限の返還)

私は、在職中に付与された、会社のシステム、ネットワーク、クラウドサービスのアカウント、パスワード、認証機器、アクセス権限を、すべて会社に返還し、退社後は使用しません。

 

第8条(漏えいの報告)

私は、退社後に、秘密情報が漏えいし、または紛失したこと、あるいはそのおそれがあることを知ったときは、直ちに会社に報告します。

 

第9条(確認への協力)

私は、会社から退社後に、在職中の業務について合理的な範囲で確認を求められたときは、協力します。

 

第10条(知的財産)

私は、在職中の業務で作成した発明、著作物などの取扱いについて、退社後も、会社の規程の定めるところに従います。

 

第11条(損害の賠償)

私は、この誓約書に反する行為によって会社に損害を与えたときは、会社に実際に生じた損害を賠償します。

 

第12条(合意管轄)

この誓約書に関して紛争が生じたときは、会社の本店所在地を管轄する地方裁判所を、第一審の専属的合意管轄裁判所とします。

 

住所 東京都大田区ブルー町5-6-7

氏名 吉田 美咲 ㊞

退社時の秘密保持誓約書の白紙。宛先、誓約日と退社年月日、在職期間、最終所属と最終役職の欄と、秘密情報の範囲から始まる各条、住所・氏名の署名欄が1ページに並ぶ。期間の欄は空欄。
配布している白紙のPDF(himitsuhoji-seiyakusho_taisha_full.pdf)の1ページ目

退社時の秘密保持誓約書(白紙)の全文(そのままコピーして使えます)

秘密保持誓約書(退社時)

 

              殿

誓約日 令和  年  月  日

退社年月日 令和  年  月  日

在職期間

最終所属

最終役職

 

私は、            (以下「会社」といいます。)を退社するにあたり、会社の秘密情報を守ることを、次のとおり誓約します。

 

第1条(秘密情報の範囲)

私が在職中に知った次の情報(以下「秘密情報」といいます。)を、会社の秘密として取り扱います。

・顧客・取引先の情報(氏名、連絡先、取引の履歴、取引条件など)

・財務・経営の情報(売上、原価、予算、資金調達の内容など)

・人事の情報(給与、評価、採用選考の内容など)

・技術・製品開発の情報(製造方法、ソースコード、研究データ、設計図など)

・営業の情報(営業戦略、仕入先、価格設定など)

・情報システムの情報(ID、パスワード、システムの構成など)

・その他、会社が秘密として指定した情報

 

第2条(退社後の秘密の保持)

私は、退社後も、秘密情報を、会社の許可なく第三者に開示せず、漏えいしません。

この義務は、次の期間続きます。

 期間:

□ 期間を定めない(秘密情報が公になるまで)

 

第3条(目的外使用の禁止)

私は、退社後、秘密情報を、会社の業務以外の目的(自分または第三者のために使用することを含みます。)に使用しません。

 

第4条(返還・廃棄)

私は、秘密情報が記録された書類・データ・機器(複製したものを含みます。)を、すべて会社に返還し、または会社の指示に従って廃棄したことを確認します。私物の機器・クラウドにある秘密情報は消去しました。廃棄したものについて、会社から求められたときは、廃棄したことを書面で報告します。

 

第5条(個人情報)

私は、退社時に業務で保有していた個人情報を会社に返還し、複製したものを持ちません。退社後は、個人情報を目的外に使用せず、開示しません。

 

第6条(SNS・インターネット)

私は、退社後、秘密情報を、SNS、ブログ、口コミサイトなどのインターネット上に書き込まず、公開しません。

 

第7条(アカウント・権限の返還)

私は、在職中に付与された、会社のシステム、ネットワーク、クラウドサービスのアカウント、パスワード、認証機器、アクセス権限を、すべて会社に返還し、退社後は使用しません。

 

第8条(漏えいの報告)

私は、退社後に、秘密情報が漏えいし、または紛失したこと、あるいはそのおそれがあることを知ったときは、直ちに会社に報告します。

 

第9条(確認への協力)

私は、会社から退社後に、在職中の業務について合理的な範囲で確認を求められたときは、協力します。

 

第10条(知的財産)

私は、在職中の業務で作成した発明、著作物などの取扱いについて、退社後も、会社の規程の定めるところに従います。

 

第11条(損害の賠償)

私は、この誓約書に反する行為によって会社に損害を与えたときは、会社に実際に生じた損害を賠償します。

 

第12条(合意管轄)

この誓約書に関して紛争が生じたときは、会社の本店所在地を管轄する地方裁判所を、第一審の専属的合意管轄裁判所とします。

 

住所

氏名 ㊞

営業秘密とは(不正競争防止法2条6項)

不正競争防止法2条6項は、営業秘密を「この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。」と定めています( e-Gov 不正競争防止法(第2条6項・第3条1項・第21条2項・第21条5項) )。条文の言葉を分けると、次の3つになります。条文は3つの言葉の意味を定めていないので、経済産業省の営業秘密管理指針の説明を、原文のまま並べます( 経済産業省 営業秘密管理指針(最終改訂 令和7年3月31日・PDF) )。

条文の言葉 営業秘密管理指針の説明(原文)
秘密として管理されている 「秘密管理意思が秘密管理措置によって従業員等に対して明確に示され、当該秘密管理意思に対する従業員等の認識可能性が確保される必要がある」
事業活動に有用な技術上又は営業上の情報 「その情報が客観的にみて、事業活動にとって有用であることが必要」
公然と知られていない 「当該営業秘密が一般的に知られた状態になっていない状態、又は容易に知ることができない状態」

経済産業省の営業秘密管理指針(令和7年3月31日の最終改訂・PDF の13ページ目)は、秘密管理措置の例として、「就業規則や秘密保持契約(あるいは誓約書)などの規程等において守秘義務を明らかにする、従業員への研修・啓発が想定される」と書いています( 経済産業省 営業秘密管理指針(最終改訂 令和7年3月31日・PDF) )。誓約書は、秘密を守るための取組の一つで、誓約書がなければ営業秘密にならない、という意味ではありません。

入社時と退社時の違い

項目 入社時の秘密保持誓約書 退社時の秘密保持誓約書
署名する時期 入社が決まった後、入社するとき 退社するとき
主な内容 秘密情報の範囲、複製・持出しの禁止、管理の方法、漏えいの報告、退職後の期間 秘密情報の返還・廃棄の確認、アカウント・権限の返還、退社後の秘密の保持
冒頭の欄 誓約日、入社日 誓約日、退社年月日、在職期間、最終所属、最終役職
期間の欄 退職後の期間(空欄)。期間を定めない場合の選択肢(□)あり 退社後の期間(空欄)。期間を定めない場合の選択肢(□)あり

秘密保持誓約書とNDAの違い

項目 秘密保持誓約書 NDA(秘密保持契約書)
当事者 従業員と会社 企業どうしなど
署名する人 従業員 双方
使う場面 入社時・退社時 取引先・業務委託先との締結
使うページ このページ NDA(秘密保持契約書)テンプレート

秘密保持の期間は、どう決めるか

白紙の期間の欄は空欄です。記入例の「3年間」は、書き方を見せるための例で、推奨でも、基準でもありません。このページは、基準となる年数を示しません。この年数が妥当だと示した資料を、確認できていないためです。

期間の欄には、次の2つの書き方を用意しています。

  • 年数を書く:守る情報の種類を踏まえて、会社が決めます
  • □ 期間を定めない(秘密情報が公になるまで):期間を定めない場合は、秘密情報の範囲を、第1条の情報の種類に絞って書きます

決めた内容が妥当かどうか迷う場合は、弁護士に相談してください。

損害賠償の書き方と、書けない条項

この書式の損害賠償の条項は「会社に実際に生じた損害を賠償します」とだけ書き、金額は書いていません。労働基準法16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定めています。「違反したら50万円を支払う」のように金額を先に決める書き方は、この条文の「違約金」「損害賠償額の予定」に当たりえます。書面の名前を誓約書にしても、この条文の対象から外れるわけではありません( e-Gov 労働基準法(第16条・第89条) )。

金額を書かない場合に会社が請求できる損害の範囲と、最判S51.7.8 茨石事件の判断は、誓約書テンプレートの「書いてはいけない条項」の節にまとめています。

秘密を漏らしたときの流れ

秘密を漏らした場合に、会社が請求できるのは、違反によって生じた損害です(民法415条1項「これによって生じた損害の賠償を請求することができる」。 e-Gov 民法(第415条・第627条) )。

漏らした情報が営業秘密に当たり、その使用・開示が不正競争に当たる場合、会社は、使用や開示をやめるよう求めることもできます(差止請求)。不正競争防止法3条1項は、営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は「その侵害の停止又は予防を請求することができる」と定めています( e-Gov 不正競争防止法(第2条6項・第3条1項・第21条2項・第21条5項) )。どの手続をとるかは、弁護士に相談してください。

誓約書とは別に、刑事罰の定めもあります。対象は、不正競争防止法2条6項の「営業秘密」に当たる情報です。会社から営業秘密を示された従業員や役員が、不正の利益を得る目的や会社に損害を加える目的で、任務に背いてその営業秘密を使用・開示したり、複製などで持ち出したりすると、同法21条2項により「十年以下の拘禁刑若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とされています(同項1〜3号)。退職した人も、在職中に持ち出した営業秘密を使用・開示した場合(同項2号)や、在職中に開示の申込みをしたり、使用・開示の依頼(請託)を受けたりして、退職後に使用・開示した場合(同項4号)が対象です。日本国外で使う目的で持ち出した場合や、国外で使用した場合などは、罰金の上限が三千万円になります(同条5項)。

出典: e-Gov 不正競争防止法(第2条6項・第3条1項・第21条2項・第21条5項) 。

競業の制限と退職金は、この書式に入れていません

退職後の競業を制限する書式は、誓約書テンプレートのパターン3にあります。期間・地域・業務・代償をすべて空欄にした白紙で、代償を支払う会社も署名する形です。

退職金を減らす・支払わない・返してもらう条件は、この書式に入れていません。退職金の支払の条件は、就業規則に書く事項として法律に挙がっています。労働基準法89条は、常時十人以上の労働者を使用する使用者に就業規則の作成と届出を求め、退職手当の定めをする場合は「適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」を書くとしています(同条3号の2)。誓約書で本人に同意してもらう形が有効かどうかは、このページでは扱いません。なお、競業避止を条件に退職金を支払わないとした条項について、東京地判H24.1.13 は、競業避止の合意が無効である以上、不支給の条項も無効として、会社に退職金の支払を命じています( 裁判所 東京地判H24.1.13(平成22(ワ)732) )。

署名を求められたとき・署名したくないとき

誓約書への署名を断ったときに会社がどう扱えるかは、このページでは扱いません。退職については、期間の定めのない雇用であれば、民法627条1項が「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めており、誓約書への署名は条文に挙がっていません。署名する前に、納得できない条項がどれか、その条項がなぜ必要かを会社に確認してください。相談先として、労働局などにある総合労働相談コーナーは、労働者と事業主のどちらからの相談も受け付けています(予約不要・無料)。

出典: e-Gov 民法(第415条・第627条) 、 厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内 。

関連テンプレート

よくある質問

秘密保持誓約書とは、何ですか?
従業員が、業務で知った会社の秘密情報を守ることを、会社に約束する書面です。このページの書式は、秘密情報の範囲、秘密の保持、目的外使用の禁止、複製・持出しの禁止、返還・廃棄、漏えいの報告までを条文にしています。入社時と退社時の2つの白紙と記入例を、Word・PDFで配布しています。
誓約書と秘密保持誓約書は、何が違いますか?
誓約書は入社時・退職時の基本の約束をまとめた書式、秘密保持誓約書は秘密情報の範囲と取扱いに特化した書式です。入社時・退職時の基本の約束をまとめて書面にしたいときは、誓約書テンプレートを使います。退職後の競業を制限する書式(パターン3)も、そちらにあります。
入社時と退社時の両方が必要ですか?
両方を取らなければならないという条文は、このページでは確認していません。入社時の書式は、在職中と退職後の約束を、退社時の書式は、退社するときの返還・廃棄の確認と、退社後の約束を、それぞれ書面にします。どちらを使うかは、会社が決めます。
誓約書にサインしないと、どうなりますか?
署名を断ったときに会社がどう扱えるかは、このページでは扱いません。退職については、期間の定めのない雇用であれば、民法627条1項が「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めており、誓約書への署名は条文に挙がっていません。署名する前に、納得できない条項がどれか、その条項がなぜ必要かを会社に確認してください。相談先として、労働局などにある総合労働相談コーナーは、労働者と事業主のどちらからの相談も受け付けています(予約不要・無料)。
営業秘密とは、何ですか?
不正競争防止法2条6項が定める、秘密として管理されている、事業活動に有用な技術上・営業上の情報で、公然と知られていないものです。条文は「この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。」です。誓約書に書いた秘密情報のすべてが、営業秘密になるわけではありません。
退職後の秘密保持の期間は、何年にすればいいですか?
このページは、基準となる年数を示しません。この年数が妥当だと示した資料を、確認できていないためです。白紙の期間の欄は空欄にしてあり、期間を定めない場合の選択肢(□)もあります。期間は、守る情報の種類を踏まえて、会社が決めます。決めた内容に迷う場合は、弁護士に相談してください。
誓約書に、違約金を書けますか?
金額を先に決める書き方は、書けません。この書式の損害賠償の条項は「会社に実際に生じた損害を賠償します」とだけ書き、金額は書いていません。労働基準法16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定めています。「違反したら50万円を支払う」のように金額を先に決める書き方は、この条文の「違約金」「損害賠償額の予定」に当たりえます。書面の名前を誓約書にしても、この条文の対象から外れるわけではありません。
秘密を漏らすと、刑事罰はありますか?
営業秘密を不正に使用・開示したときは、誓約書とは別に、不正競争防止法による刑事罰の定めがあります。会社から営業秘密を示された従業員や役員が、不正の利益を得る目的や会社に損害を加える目的で、任務に背いてその営業秘密を使用・開示したり、複製などで持ち出したりすると、同法21条2項により「十年以下の拘禁刑若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とされています(同項1〜3号)。退職した人も、在職中に持ち出した営業秘密を使用・開示した場合(同項2号)や、在職中に開示の申込みをしたり、使用・開示の依頼(請託)を受けたりして、退職後に使用・開示した場合(同項4号)が対象です。日本国外で使う目的で持ち出した場合や、国外で使用した場合などは、罰金の上限が三千万円になります(同条5項)。
退職金を減らす・支払わないという条件を、書けますか?
この書式には、退職金の条件を入れていません。退職金の支払の条件は、就業規則に書く事項として法律に挙がっています。労働基準法89条は、常時十人以上の労働者を使用する使用者に就業規則の作成と届出を求め、退職手当の定めをする場合は「適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」を書くとしています(同条3号の2)。誓約書で本人に同意してもらう形が有効かどうかは、このページでは扱いません。
退職後の競業を禁じる条項は、この書式に入っていますか?
入っていません。退職後の競業を制限する書式は、誓約書テンプレートのパターン3にあります。期間・地域・業務・代償の欄をすべて空けた白紙で、代償を支払う会社も署名する形です。有効かどうかは個別の事情で決まるため、使う前に弁護士に相談してください。
NDA(秘密保持契約書)とは、何が違いますか?
NDAは企業どうしなど、対等な当事者が結ぶ契約です。秘密保持誓約書は、従業員が会社に対して書く書面です。取引先や業務委託先と秘密を守る約束をするときは、NDA(秘密保持契約書)テンプレートを使います。
電子契約サービスで署名してもらえますか?
電子の書面でも、法律が定める電子署名があれば、本人が作成したものと推定されます。電子署名及び認証業務に関する法律3条は、電磁的記録に「本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。」と定めています。推定が働くのは、本人がこの条件を満たす電子署名をした場合です。使うサービスでの署名がこれに当たるかは、サービスの説明を確認してください(出典:e-Gov 電子署名及び認証業務に関する法律(第3条))。

参考文献・出典

本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-10-13 確認時点)。

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