
- 損益計算書をExcel(数式入り)・PDFで無料ダウンロードできる(個人事業主・法人どちらも対応)
- 売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益の5段階を自動計算する仕組み
- 青色申告決算書・収支内訳書(確定申告の公式書式)への転記方法
- 会社計算規則に基づく株式会社の損益計算書の区分表示ルール
損益計算書とは
損益計算書(Profit and Loss Statement、略してP/LまたはPL)は、一定期間(通常1年間)の収益と費用を対比し、事業がいくら儲かったか(または損したか)を示す決算書です。貸借対照表(B/S)が「ある時点の財産の状態」を示すのに対し、損益計算書は「一定期間の経営成績」を示す点が異なります。
株式会社は 会社計算規則 第3編第2章「損益計算書等」(第87条~第95条)に基づき、区分表示された損益計算書の作成が求められます。個人事業主の場合、白色申告なら「収支内訳書」、青色申告なら「青色申告決算書」に、それぞれ損益計算書に相当するページが含まれています。
損益計算書の5段階利益(計算例つき)
損益計算書は、以下の5段階で利益を順に計算していく「報告式」と呼ばれる形式が広く使われています。段階を追うごとに、本業以外の収支や税金が加減算され、最終的な手取りの利益が見えてきます。
| 段階 | 計算式 | 意味 |
|---|---|---|
| ①売上総利益(粗利) | 売上高-売上原価 | 商品・サービスそのものの利益率 |
| ②営業利益 | 売上総利益-販管費 | 本業でどれだけ稼げたか |
| ③経常利益 | 営業利益+営業外収益-営業外費用 | 本業以外の経常的な収支まで含めた利益 |
| ④税引前当期純利益 | 経常利益+特別利益-特別損失 | 臨時の損益まで含めた最終利益(税引前) |
| ⑤当期純利益 | 税引前当期純利益-法人税等 | 最終的な手取りの利益(法人のみ) |
Excelテンプレートの使い方(数式の中身)
本テンプレートのExcelファイルには「損益計算書(空欄)」「記入例」「使い方・法的根拠」の3シートが入っています。黄色いセル(売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益)は数式で自動計算されるため、白いセル(売上高・仕入高・各経費科目など)に実際の金額を入力するだけで完成します。
- 売上原価計 = 期首棚卸高 + 当期仕入高 - 期末棚卸高
- 売上総利益 = 売上高 - 売上原価計
- 販管費合計 = 16科目(租税公課・荷造運賃・水道光熱費など)のSUM関数
- 営業利益 = 売上総利益 - 販管費合計
- 経常利益 = 営業利益 + 営業外収益計 - 営業外費用計
- 当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税、住民税及び事業税
すべてのセルを空欄(0円)のまま計算した場合と、上記の計算例を入力した場合の両方で、数式評価ライブラリ(Python formulas)を使いエラーが出ないことを確認しています。「#VALUE!」等のエラーが出る心配なく、そのまま入力を始めていただけます。
個人事業主の場合:青色申告決算書・収支内訳書への転記
個人事業主の方は、本テンプレートで計算した「税引前当期純利益」を、確定申告の際に提出する公式書式に転記します。
| 申告方法 | 提出する書式 | 転記する行 |
|---|---|---|
| 白色申告 | 収支内訳書 | 所得金額 |
| 青色申告 | 青色申告決算書(一般用) | 所得金額 |
なお、55万円・65万円の 青色申告特別控除 を受けるには、複式簿記による記帳と貸借対照表・損益計算書の添付が必要です(国税庁タックスアンサーNo.2072で確認・2026-09-02時点)。単式簿記(現金出納帳のみ)の場合は10万円控除が上限になります。
株式会社の場合:会社計算規則に基づく区分表示
株式会社は、 会社計算規則 第3編第2章「損益計算書等」(第87条~第95条)に基づき、売上高・売上原価・販売費及び一般管理費・営業外収益・営業外費用・特別利益・特別損失を区分して表示することが求められます。本テンプレートは、この区分表示の考え方に沿った構成にしています。
ただし、実際に決算書を株主総会や税務署へ提出する際は、勘定科目の詳細な内訳(注記表など)が別途必要になる場合があります。本テンプレートは小規模事業者向けの簡易フォーマットであるため、規模が大きくなった場合は税理士・会計ソフトの利用をおすすめします。
損益計算書と貸借対照表・資金繰り表の違い
| 書類 | 示すもの | 期間/時点 |
|---|---|---|
| 損益計算書(P/L) | 収益と費用(儲かったか) | 一定期間(例:1年間) |
| 貸借対照表(B/S) | 資産・負債・純資産(財産の状態) | ある時点(例:決算日) |
| 資金繰り表 | 現金の出入り(お金が回っているか) | 一定期間(月次が一般的) |
損益計算書上は黒字でも、売掛金の回収が遅れれば手元の現金が不足する「黒字倒産」が起こり得ます。損益計算書と合わせて、資金繰り表で現金の動きも確認することをおすすめします。
よくある記入ミスと対策
- 売上高に消費税を含めるか統一していない:税込経理・税抜経理のどちらかに統一してください。混在すると数値が正しく比較できなくなります。
- 期首棚卸高が前期の期末棚卸高と一致していない:前期末に確定した在庫金額を、そのまま当期の期首棚卸高として引き継いでください。
- 減価償却費を計上し忘れる:現金の支出を伴わない経費のため見落としやすい項目です。固定資産がある場合は必ず計上してください。
- 家事按分をしていない(個人事業主):自宅兼事務所の家賃・水道光熱費などは、事業で使用している割合分のみを経費に計上します。
損益計算書と収支内訳書・青色申告決算書はどう違う?
個人事業主でも「法人税」の欄は必要?
売上原価の「期首棚卸高」「期末棚卸高」は何を入れればいい?
経費の科目が16項目しかないが、これで足りる?
営業利益と経常利益の違いがわからない
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-09-02 確認時点)。