
- 予実管理表のエクセル(6シート・5部門+全社)と印刷用PDFを無料でダウンロードできる(会員登録不要)
- 予算比・差異・達成率の計算式と、売上と費用で「良い方向」が逆になる判定のしかた
- 累計・進捗率(消化率)・着地見込みの出し方と、記入例(架空の洋菓子会社・9月時点)での読み方
- 損益計算書・資金繰り表・売上管理表・月報・事業計画書のテンプレートとの違い
- このエクセルで扱わないもの(営業外損益・前年比・本部費の配賦など)
予実管理表テンプレートのダウンロード(エクセル・PDF)
配っているファイルは4つです。数字を入れて自動で計算するならエクセル、紙に書いて会議で配るなら印刷用PDFを使います。
| ファイル | 中身 | 使う場面 |
|---|---|---|
| エクセル(空欄) | 使い方・設定・予算・実績・ダッシュボード・差異分析の6シート | 自社の予算と実績を入れて使う |
| エクセル(記入例) | 架空の「サンプル洋菓子株式会社」5部門の予算と、9月までの実績を入れた版 | どこに何が出るかを先に見る |
| 印刷用PDF(空欄) | 予算と実績の記入用紙。部門1つ分の科目×12か月(A4横・2ページ) | 手書きで予算を組む・実績を書き写す |
| 記入例PDF | ダッシュボード・差異分析・本店の予算・本店の実績(A4横・4ページ) | 月次の会議で配る資料の仕上がりを確かめる |
Word 版は作っていません。差異・予算比・累計は、表計算の関数で出しているためです。 手書きで使うなら、印刷用PDFで足ります。
エクセルのシート構成(6シート)
| シート | 中身 | 入力するもの |
|---|---|---|
| 使い方 | 手順・計算のしかた・印刷・使っている関数 | なし |
| 設定 | 会社名・年度の始まり(年と月)・金額の単位(円・千円・百万円)・部門名5つ・科目名16行 | 最初に1回 |
| 予算 | 部門ごとのブロック(科目21行×12か月+年間合計)が5つ。いちばん上に全社合計のブロック(自動) | 月ごとの予算 |
| 実績 | 予算シートと同じ形 | 締まった月の実績 |
| ダッシュボード | 売上高〜営業利益の要約(当月・累計・年間)、利益率、部門別の比較、グラフ3つ | 部門と対象月の2つを選ぶ |
| 差異分析 | 科目ごとの予算・実績・差異・予算比・判定(当月と累計)、年間予算、進捗率・消化率、着地見込み | なし(ダッシュボードで選んだ部門と月で出る) |
科目21行の中身は、売上3行→売上高 計→売上原価3行→売上原価 計→売上総利益(粗利)→販管費10行→販管費 計→営業利益です。 黄色い16行に入れると、計と利益の5行は自動で出ます。
予実管理表の使い方(設定→予算→実績→対象月)
- 設定: 会社名・年度の始まり・単位を入れます。3月決算の会社なら、始まりは「2026年」「4月から」です。月の見出しは、ここから12か月分が自動で並びます
- 部門と科目: 部門名を5つまで入れます。科目名は書き換えられますが、区分(売上・売上原価・販管費)と行の数は変えられません
- 予算: 予算シートの部門ごとの黄色い欄に、月ごとの予算を入れます。全社合計のブロックは、5部門を足して自動で出ます
- 実績: 月が締まったら、実績シートの同じ位置に、その月の実績を入れます。まだ締まっていない月は空けておきます
- 対象月を選ぶ: ダッシュボードで部門と対象月を選びます。対象月は、実績を入れ終えた最後の月です
部門の分け方
- 店舗・事業・営業所: 数字を分けて見たい単位を、そのまま部門にします。部門を分けない会社は、部門1だけを使います
- 本部の費用: 本部の家賃や経理の人件費など、どの部門にも割り振れない費用は「本部」という部門を1つ作って入れます。こうすると、全社の営業利益が会社全体の数字と合います
- 配賦はしない: 本部の費用を各店舗に割り振る計算(配賦)は、このファイルではしていません。各部門の営業利益は、本部の費用を引く前の数字です
科目の入れ方
- 売上原価の3行: 仕入高・外注費などに使います。製造の人件費を売上原価に入れている会社は、「その他の原価」の名前を「労務費」などに書き換えます
- 足りない科目: 金額の小さい科目を「その他の経費」にまとめます。行を挿入すると、差異分析とダッシュボードの数字がずれます
- 単位: 千円で入れるなら、設定の単位を「千円」にします。単位は表示だけで、計算は変わりません
予算比・差異・達成率の計算式(売上と費用で良し悪しが逆)
差異分析シートとダッシュボードでは、次の式で計算しています。
| 項目 | 式 | 記入例(全社・9月・千円) |
|---|---|---|
| 差異 | 実績 − 予算 | 売上高 7,891 − 7,860 = +31 |
| 予算比 | 実績 ÷ 予算 | 売上高 7,891 ÷ 7,860 = 100.4% |
| 売上総利益(粗利) | 売上高 − 売上原価 | 7,891 − 3,121 = 4,770 |
| 営業利益 | 売上総利益 − 販管費 | 4,770 − 5,176 = −406 |
売上総利益と営業利益の引き算は、会社計算規則の第89条(売上総損益金額)・第90条(営業損益金額)と同じです ( e-Gov法令検索 会社計算規則 )。 販管費は、第88条の区分でいう「販売費及び一般管理費」です。 決算書では、マイナスの営業利益を「営業損失」と書きます(第90条第2項)。このファイルでは、マイナスの数字のまま出します。
差異がプラスでも、良いとは限りません。売上ならプラスは良く、費用ならプラスは使いすぎです。 そこで、区分ごとに判定の向きを分けています。
| 区分 | 良い方向 | 判定 | 記入例(全社・9月) |
|---|---|---|---|
| 売上・売上総利益・営業利益 | 予算より多いほど良い | 差異が0以上で「達成」、マイナスで「未達」(赤) | 売上高 +31 → 達成 |
| 売上原価・販管費 | 予算より少ないほど良い | 差異が0以下で「予算内」、プラスで「超過」(赤) | 材料仕入 +239(109.4%)→ 超過 |
科目名は書き換えられますが、区分は変えられない作りにしています。 売上の行に費用を入れると、判定の向きが逆になるためです。
予算比は、予算が0以下のときと、実績がマイナスのときは「-」と出ます。 たとえば営業利益の予算が−100、実績が−300なら、割り算は300%になります。数字は大きいのに、中身は予算より悪い結果です。 こうした読み違いを避けるため、比を出していません。営業利益は、差異の額で見ます。
売上高の予算比は、売上の「予算達成率」と同じ式です。100%以上なら「達成」と出ます。
累計・進捗率(消化率)・着地見込みの見方
1か月だけの差は、月ずれでも大きく出ます。 納品が9月から10月にずれただけで、9月は未達、10月は達成になります。 そこで差異分析には、当月のほかに、期首から対象月までの累計を並べています。
| 項目 | 式 | 読み方 |
|---|---|---|
| 累計 | 期首の月から対象月までの合計 | 月ずれをならした、ここまでの実力 |
| 進捗率・消化率 | 累計の実績 ÷ 年間予算 | 売上なら年間予算のどこまで来たか、費用なら年間予算のどれだけを使ったか |
| 着地見込み | 累計の実績 + 残りの月の予算 | 残りの月が予算どおりに進んだときの、1年分の数字 |
進捗率は、期間の経過と並べて見ます。ダッシュボードには「12か月のうち何%が過ぎた時点か」を出しています。 記入例の9月は、6か月が過ぎた50%の時点です。売上高の進捗率は44.5%、販管費の消化率は49.2%でした。 ただし、記入例の会社は12月・2月・3月に売上が増える予算を組んでいます。季節で売上が動く会社は、進捗率だけでなく、累計の予算と比べてください。
着地見込みと年間予算の差は、累計の差異と同じ額になります。残りの月を、予算どおりと置いているためです。 「このままだと年度末にいくらになるか」を、1つの数字で見るための欄です。
予実管理のグラフ(ダッシュボードの3つ)
ダッシュボードの下に、エクセルのグラフ機能で作ったグラフが3つあります。 ダッシュボードで選んだ部門の数字に切り替わります。
- 売上高(月別): 月ごとの予算(薄い棒)と実績(濃い棒)を並べた棒グラフ。対象月より後の月は、予算の棒だけが出ます
- 営業利益(月別): 同じ形の棒グラフ。赤字の月は、棒が0より下に出ます
- 売上高の累計: 実績の累計(棒)と、予算の累計(線)。棒が線より下なら、累計で予算に届いていません
グラフの元データは、ダッシュボードの下(印刷範囲の外)に置いています。 横軸は月の数字です。「10月」のように文字を付けると、グラフの幅に収まらず2行に折れたため、数字だけにしました。 当サイトでは、LibreOffice で開いてグラフが崩れないことと、赤字の月の棒が下向きに出ることを確かめています。
記入例の読み方(架空の洋菓子会社・9月時点)
記入例は、架空の「サンプル洋菓子株式会社」です。 本店・駅前店・通販(EC)・卸(法人向け)・本部(共通費)の5部門で、4月始まりの年度の9月まで実績が入っています。金額は千円です。
| 全社(4月〜9月の累計) | 予算 | 実績 | 差異 | 予算比 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 46,150 | 45,803 | −347 | 99.2% | 未達 |
| 売上原価 | 16,852 | 17,817 | +965 | 105.7% | 超過 |
| 売上総利益(粗利) | 29,298 | 27,986 | −1,312 | 95.5% | 未達 |
| 販管費 | 31,192 | 31,551 | +359 | 101.2% | 超過 |
| 営業利益 | −1,894 | −3,565 | −1,671 | - | 未達 |
売上高は予算比99.2%で、ほぼ予算どおりです。それでも営業利益は、予算より1,671千円少なくなっています。 差異分析シートで、差異の大きい科目を上から見ていくと、理由は次の3つでした。
- 材料仕入: 累計 +937(予算比106.3%)。売上総利益率は、予算63.5%に対して実績61.1%で、2.4ポイント下がっています
- 駅前店の売上: 部門別の比較で、売上高が予算比91.0%(−1,113)。営業利益も −829 です
- 広告宣伝費: 累計 +216(予算比115.0%)。通販の売上高は予算比113.4%と伸びていますが、通販の営業利益は予算より −129 です
この会社は、上期(4月〜9月)を赤字、12月・2月・3月で取り返す予算を組んでいます。 年間の営業利益の予算は1,380千円です。9月までの遅れ(−1,671)を足すと、着地見込みは−291千円になります。 残りの半年が予算どおりに進んでも、年度では赤字になる、という読み方です。
この図のように、累計の差は残りの月を予算どおりに置く限り、年度末まで縮みません。 取り返すには、10月以降の月に予算を上回る実績が要ります。
損益計算書・資金繰り表・売上管理表・月報・事業計画書との違い
当サイトには、数字を扱うテンプレートがほかにもあります。役割は次のとおりです。
| テンプレート | 見るもの | 予実管理表との違い |
|---|---|---|
| 損益計算書 | 1期分の売上と利益 | 決算でまとめる表で、予算との比較と月別の列はない |
| 資金繰り表 | 12か月の入金・出金と現金の残高 | お金が足りるかを見る表。売上と入金の時期のずれを扱う。予実管理表は損益(利益)を見る |
| 売上管理表 | 顧客・製品・担当ごとの月別の売上(24か月)と、月の売上予算に対する達成率・前年同月比 | 売上だけ。売上原価・販管費・利益の予算と実績はない |
| 月報 | 1か月の報告(予算実績表つき) | 1か月分の報告書。差異の理由を文章で書くのに向く。累計と着地見込みはない |
| 事業計画書 | 月次の収支計画(売上→費用→営業利益) | 計画を作る表。作った月次の数字を、この予実管理表の予算シートに写すと予実管理に使える |
家計簿にも予算と実績の欄がありますが、個人の家計向けです。会社の予算には、この予実管理表を使ってください。 差異の理由を文章で残すなら、月報の報告欄に「材料の値上がりで売上総利益率が2.4ポイント下がった」のように書いておくと、翌月以降に振り返れます。
このエクセルで扱わないもの
- 営業利益より下: 受取利息・支払利息などの営業外損益、経常利益、税金は入りません
- 前年比: 前の年度の実績と比べる列はありません。前年度のファイルを並べて開きます。売上の前年同月比なら、売上管理表で出せます
- 資金繰り: 売上の入金や仕入の支払の時期は扱いません。お金が足りるかは資金繰り表で見ます
- 本部費の配賦: 本部の費用を各部門に割り振る計算はしません
- 実績の自動集計: 仕訳や売上の明細から実績を集計する仕組みはありません。月次の試算表の数字を手で写します
- 部門6つ以上・科目17行以上: 行や列を挿入すると、差異分析とダッシュボードの数字がずれます
部門が多い、実績の転記に毎月時間がかかる、といった段階になると、表計算の予実管理では手が回らなくなります。 会計ソフトの部門別の集計や、予算管理の仕組みに切り替える目安にしてください。
当サイトでは、配布前に次のことを確かめました(2026年10月3日)。
- 空欄・記入例と、入力や選択を変えた版の計10通りを LibreOffice で再計算し、エラー表示(#N/A・#REF!・#VALUE!・#DIV/0! など)のセルが0件
- 差異分析・ダッシュボード・部門別の比較・グラフの元データ・予算と実績の計の行を、1通りあたり2,321セル、数式を使わない計算と突き合わせて不一致0件
- 突き合わせた版: 部門と対象月の切り替え、期首を1月・10月に変える、部門名の変更、マイナスの予算、実績の欄を消す、一覧に無い部門と月を入れる、全部の欄を乱数で埋める
- 一覧に無い部門や月を入れたときは、全社・期首の月で計算し、ダッシュボードに赤字でその旨が出ること
- 印刷用PDFが A4横(空欄2ページ・記入例4ページ)で、グラフと表が崩れていないこと
よくある質問
予実管理表とは何ですか?
費用の予算比が100%を超えたら、すぐに削るべきですか?
Excel 2016 や Google スプレッドシートでも使えますか?
部門が6つ以上あるとき、科目が足りないときはどうしますか?
実績の数字はどこから写せばいいですか?
関連テンプレート
- 損益計算書テンプレート(年度が締まったあと、1期分の損益をまとめるとき)
- 資金繰り表テンプレート(利益とは別に、月末の現金が足りるかを見るとき)
- 事業計画書テンプレート(予算の元になる月次の収支計画を作るとき)
- 月報テンプレート(予実の差の理由を、毎月の報告に書くとき)
- 売上管理表テンプレート(顧客・製品ごとの売上を月別に記録して、月の売上予算に対する達成率を見るとき)
- 総勘定元帳テンプレート(会計ソフトを使わずに、科目ごとの実績を集計するとき)
- 給与計算エクセル(人件費の実績の元になる給与を計算するとき)
- 会計書類テンプレート一覧
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-10-03 確認時点)。