
- 企画書テンプレートExcel版を会員登録不要で無料ダウンロードできる(損益シミュレーション・ROI・感度分析対応)
- 損益分岐点・ROI・IRR・NPVの計算方法と企画書での示し方がわかる
- 感度分析(楽観/標準/悲観3シナリオ)で経営層・審査員を説得する方法がわかる
- 補助金申請(ものづくり補助金・持続化補助金等)に使える収支計画の書き方がわかる
本ページの情報は2026-05-29時点のものです。補助金の上限額・要件・公募期間は年度・次数によって変更されます。申請前に必ず各補助金公式サイトでご確認ください。
1. Excel版企画書とは(Word・PowerPoint版との違い・最も有効な使い方)
Excel版企画書は、数値モデル・損益シミュレーション・KPI設計を中心とした「定量分析型」企画書です。 経済産業省 DXレポート(2026-05-29確認) の事業計画策定においても、数値根拠のある企画書が採択率・承認率を高めることが示されています。
Word版が「文章・論理・経緯の説明」に向き、PowerPoint版が「ビジュアル・プレゼン・印象訴求」に向いているのに対し、Excel版は「数値計算・シミュレーション・KPI管理」に特化しています。実務では「Excelで数値を固める→Wordに文章で補足→PowerPointで経営層に説明」という3役割分担が最も効果的です。
| 比較項目 | Excel版(定量分析型) | Word版(テキスト説明型) | PowerPoint版(プレゼン型) |
|---|---|---|---|
| 最大の強み | 数値の自動計算・感度分析・グラフ自動生成 | 論理的な文章説明・詳細な背景・考察 | 視覚的印象・フロー図・役員プレゼン |
| 向いている企画書 | 新規事業収支計画・補助金申請・投資判断資料 | 調査報告書・事業計画書(詳細版)・提案書 | 役員プレゼン・VC向けピッチ・コンペ提案 |
| 読み手の期待 | 「数字で証明してくれ」という経営判断者 | 「背景と論理を読んで判断したい」という分析者 | 「全体像を視覚的に把握したい」というビジネスパーソン |
| 理想の組み合わせ | Excel(数値根拠)→ Word(文章説明)→ PowerPoint(エグゼクティブサマリー)の3点セット | ||
2. テンプレートの構成(6シート・用途別ガイド)
本テンプレートは以下の6シートで構成されており、各シートが連動して企画の数値根拠を完成させます。
| シート名 | 内容 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| 1. ダッシュボード(経営サマリー) | 主要KPI5指標+グラフ3点を1ページに集約した経営層向けサマリー | 会議での説明・メール添付(このシートをPDFにして提出) |
| 2. 月次収支計画(標準シナリオ) | 売上・費用・利益の月次推移(1〜3年間)を自動計算 | 補助金申請の収支計画・事業計画書のメイン数値根拠 |
| 3. 感度分析(3シナリオ比較) | 楽観/標準/悲観の3シナリオを並列比較。リスク許容度を可視化 | 経営会議・投資判断・融資申請での「最悪ケースでも成立する」証明 |
| 4. ROI・IRR・NPV計算 | 投資対効果(ROI)・内部収益率(IRR)・正味現在価値(NPV)を自動計算 | 投資家・役員・融資審査員への定量的な投資価値証明 |
| 5. KPI設計シート | KPI一覧・目標値・月次トラッキングフォーム | 承認後の実行フェーズでの月次モニタリング・振り返り |
| 6. 数値入力ガイド | 各シートの入力方法・計算式の説明・よくあるエラーの対処法 | テンプレートを初めて使う方・引き継ぎ時の操作説明 |
3. 主要財務指標の計算方法と企画書での示し方
損益分岐点(BEP: Break-Even Point)
損益分岐点は、事業が黒字になるために最低限必要な売上高です。 中小企業庁 経営革新計画(2026-05-29確認) では事業計画の必須分析項目として位置付けられています。
| 計算式 | 計算例 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 - 変動費率) | 固定費100万円・変動費率40%の場合: 100 ÷ (1-0.4) = 167万円/月 | 目標売上高が損益分岐点の1.5倍以上あれば安全圏 |
| 変動費率 = 変動費 ÷ 売上高 | 売上200万円・変動費80万円の場合: 80 ÷ 200 = 40% | 業種別平均: 飲食30〜38%・製造40〜55%・サービス15〜30% |
| 損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100 | 損益分岐点167万円・売上250万円の場合: 167 ÷ 250 × 100 = 67% | 80%未満が優良・90%超は要注意・100%超は赤字 |
ROI(投資収益率)
ROIは経営層・投資家が「この投資は割に合うか」を判断するための最も基本的な指標です。
| 計算式 | 計算例 | 企画書での示し方 |
|---|---|---|
| ROI = (利益 ÷ 投資額) × 100 (%) | 投資100万円・年間利益30万円の場合: 30 ÷ 100 × 100 = 30%/年 | 「投資100万円で年間30万円の利益(ROI 30%・回収期間約3.3年)」と明記 |
| 回収期間 = 投資額 ÷ 年間利益 | 投資100万円・年間利益30万円の場合: 100 ÷ 30 ≒ 3.3年 | 回収期間3年以内が一般的な承認基準(業種・投資規模による) |
NPV(正味現在価値)・IRR(内部収益率)
NPVとIRRは将来の不確実性を考慮した高度な投資評価指標で、VC・投資家・大規模投資の審査で特に重視されます。
- NPV(Net Present Value): 将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いた合計額。NPV > 0ならば投資価値あり。Excelでは
=NPV(割引率, キャッシュフロー配列) - 初期投資額で計算。割引率は一般的にWACC(加重平均資本コスト)を使用 - IRR(Internal Rate of Return): NPVがゼロになる割引率。IRR > 資本コスト(多くの企業で10〜15%)ならば投資価値あり。Excelでは
=IRR(キャッシュフロー配列)で計算。年率で表示されるため、ROIと直感的な比較がしやすい - ペイバック期間: 累積キャッシュフローがゼロになる期間。3〜5年が一般的な目安
4. 感度分析(3シナリオ比較)の作り方
「楽観・標準・悲観」の3シナリオで損益を試算することが、承認率の高い企画書の条件です。 中小企業庁 経営革新計画(2026-05-29確認) 申請でも感度分析の提示が推奨されています。
| シナリオ | 売上の前提 | 費用の前提 | 企画書での使い方 |
|---|---|---|---|
| 楽観シナリオ | 計画の130%(市場が想定以上に好調な場合) | 標準と同じ(費用は基本的に固定的) | 「上振れした場合の追加投資判断」と「可能性の幅」を示すために使用 |
| 標準シナリオ | 計画の100%(最も蓋然性が高い想定) | 詳細に積み上げた計画値 | メインの判断根拠として提示。最も丁寧に作り込む |
| 悲観シナリオ | 計画の70%(想定より市場が厳しい場合) | 削減可能な変動費を縮小した場合 | 「最悪でも事業が成立する」ことを証明するために使用。これが最重要 |
感度分析で示すべき4つのポイント
- 悲観シナリオでも黒字化できる期間を明示する: 「最悪でも〇ヶ月後に黒字転換」と明記することで、経営層の心理的ハードルが下がる
- 撤退基準(Stop Loss)を事前設定する: 「悲観シナリオで〇ヶ月後もKPIを下回る場合は事業中止」を企画書に明記することで、無制限のリスクではないことを示す
- 各シナリオの発生確率を示す: 楽観20%・標準70%・悲観10%等の確率を付けることで、期待値計算ができ投資判断の合理性が増す
- シナリオの前提条件を明記する: 「楽観シナリオは競合が市場撤退した場合を想定」等、前提条件を透明にすることで信頼性が上がる
5. 用途別・業種別の活用ガイド
用途1: 新規事業立ち上げの収支計画
新規事業は「いつ損益分岐点を超えるか」が最大の関心事です。月次の収支計算で損益分岐点到達月を明確にし、それまでの累積赤字額(= 必要な運転資金)を計算して資金計画に反映させます。
- 月次収支計画シートでやること: 売上の積み上げ(客数×客単価×稼働日数等)→ 費用の列挙 → 月次利益の自動計算 → 累積損益でブレークイーブン月を特定
- 業種別の原価率の目安: 飲食業30〜38%・製造業40〜55%・IT・SaaSサービス業15〜30%・小売業40〜60%( 中小企業庁 中小企業実態調査 2026-05-29確認 参考値)
- 必ず記載すべき資金計画: 初期投資額・月次固定費・運転資金(損益分岐点到達まで × 月次赤字額)・調達方法(自己資金・融資・補助金)
用途2: 補助金申請の収支計画
ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金等の申請では、事業計画書に収支計画(売上・費用・利益の根拠)が必須です。 中小企業庁 補助金・助成金情報(2026-05-29確認) の審査基準を確認し、本テンプレートの収支計画シートで根拠数値を整備してください。
| 補助金名 | 収支計画で特に重視される項目 | 参考基準 |
|---|---|---|
| ものづくり補助金 | 付加価値額の年率3%以上増加の根拠(営業利益+人件費+減価償却費) | 第23次公募以降の要件(最新情報要確認) |
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓の具体的なアクションと期待売上・費用対効果 | 上限¥200万(2026年時点の参考値) |
| IT導入補助金 | ITツール導入による業務効率化・売上向上の定量目標 | 上限¥450万(2026年時点の参考値) |
用途3: 社内の投資判断・予算申請
社内での設備投資・システム導入・採用増加等の投資申請では、ROI・回収期間・代替案との比較が稟議書・企画書で必須です。
- ROIの提示形式: 「初期投資¥〇百万円・年間利益改善¥〇万円・ROI〇%・回収期間〇年」を1行でサマリーに配置
- 代替案比較: A案(推奨・ROI〇%)/ B案(コスト重視・ROI〇%)/ C案(現状維持)を表で比較し、推奨案の根拠を示す
- 感度分析: 「売上が計画の70%の場合でも回収期間〇年以内」の悲観シナリオを必ず示す
6. Excel関数を使った収支計画の自動化テクニック
本テンプレートには以下の関数・機能があらかじめ設定されています。カスタマイズ時の参考にしてください。
| 計算目的 | 使用する関数 | 記述例・ポイント |
|---|---|---|
| 損益分岐点の自動計算 | 除算式 | =固定費/(1-変動費率)変動費率セルを変更するだけで損益分岐点が自動更新 |
| 月次売上の積み上げ | 乗算+SUM | =客単価×月間客数×稼働日数各パラメータを入力するだけで月次売上が自動計算 |
| 累積損益と損益分岐点月 | SUMIF+MATCH | 月次利益を累積し、最初にプラスになる月をMATCH関数で特定 |
| NPVの計算 | NPV関数 | =NPV(割引率,キャッシュフロー配列)-初期投資額割引率を変更して複数のシナリオを比較 |
| IRRの計算 | IRR関数 | =IRR(キャッシュフロー配列)初期投資は負の数で入力(例: -1,000,000) |
| 感度分析の3シナリオ並列比較 | データテーブル(What-If分析) | 「データ」→「What-If分析」→「データテーブル」で2変数感度分析を自動化 |
| 付加価値額の計算(補助金対応) | SUM | =営業利益+人件費+減価償却費ものづくり補助金の「付加価値額年率3%増」の確認に使用 |
| 達成率のKPI判定 | IFS関数 | =IFS(達成率>=1,"達成",達成率>=0.8,"概ね達成",TRUE,"未達")条件付き書式と組み合わせて色分け表示 |
7. 経営会議・役員プレゼン用ダッシュボードの作り方
経営会議での企画書プレゼンでは「最初の1ページで判断できる」ダッシュボードが決め手です。詳細データは別シートに用意しつつ、ダッシュボードシートには核心的な5指標を集約します。
ダッシュボード設計の5原則(Excel版)
- KPIは5指標以内: 投資額・ROI・回収期間・損益分岐点月・主要リスク1項目の5点に絞る
- グラフは3点まで: 月次売上と損益分岐点の折れ線グラフ+3シナリオ比較棒グラフ+コスト構成円グラフの3点が基本
- A4横1枚に収める: 印刷プレビューでA4横1ページに収まるよう「ページレイアウト」→「印刷タイトル」を設定
- 重要数値は大きく・太字: ROIや回収期間は18pt以上の大きなフォント+太字で目立たせる
- 色は3色以内(達成・未達・ニュートラル): 条件付き書式で達成=緑・未達=赤・ニュートラル=白・グレーに統一
「経営層が読む報告書」になる追加テクニック
- 右上に「1行サマリー」を配置: 「投資¥〇百万円・ROI〇%・回収〇年・主要リスク: 〇〇」を最右上のセルに大きく表示
- 承認依頼事項を明記: ダッシュボードの下部に「承認依頼: ①〇〇予算〇万円 ②〇〇の実施権限」を箇条書きで明記
- アクションプランを連動させる: 承認後すぐに動ける「フェーズ別ガントチャート」をKPIシートと連動させる
データ集計・可視化を自動化したい方へ
Looker Studio(無料)・Power BI・Tableauなどのビジネスインテリジェンス(BI)ツールはExcelファイルやGoogleスプレッドシートと連携して、データ更新を自動でダッシュボードに反映します。月次レビューの準備工数を大幅に削減できます。
BIツールを比較する →8. 保存・配布・電子帳簿保存法への対応
セキュリティ設定(配布前の必須確認)
- シートの保護: 計算式セルを誤って削除されないよう「ホーム」→「書式」→「シートの保護」で数式セルを編集不可に設定(入力セルは除外)
- PDF化して配布: 社外配布時は必ずPDF化(「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPS」)。数式や社内データが見えないようにする
- パスワード設定: 機密性が高い(M&A・投資判断・未公開の新規事業等)場合は「ファイル」→「情報」→「ブックの保護」でパスワードを設定
- バージョン管理: ファイル名に「YYYYMM_企画名_v版数.xlsx」の命名規則を適用する
電子帳簿保存法との関係
国税庁 電帳法一問一答(2026-05-29確認) により、経理関連の企画書(投資判断・予算申請等)は法人税法上7年間の保存が必要です。電子取引で授受した企画書は2024年1月以降、電子データのまま保存が義務です。
9. よくある失敗と改善ポイント
| # | NG例 | なぜダメか | 改善策 |
|---|---|---|---|
| 1 | 売上計画が「年間〇億円」という大雑把な数値のみ | 根拠が見えず審査員・経営層に信用されない | 「客単価×月間客数×稼働日数」等の積み上げ式で計算する |
| 2 | 費用の計上漏れ(減価償却・社会保険料等) | 計画より大幅に費用がかかり赤字になる | 固定費チェックリスト(家賃・人件費・社保・水光熱費・減価償却等)で網羅的に確認 |
| 3 | 感度分析がなく「1パターン」のみ | 「もし計画通りいかなかったら?」への回答がない | 楽観/標準/悲観の3シナリオを必ず用意する |
| 4 | ROIが高すぎる(200%超等)非現実的な数値 | 楽観的すぎて信頼されず、逆効果になる | 業界平均のROIを参照し、外れ値の場合は根拠を詳細に説明する |
| 5 | 数式を壊してしまいデータが正しく計算されない | 間違ったデータで重要な意思決定がされるリスク | シートの保護で計算式セルを編集不可に設定する |
| 6 | 色を5色以上使いカラフルにする | どこが重要かが伝わらない | 達成=緑・未達=赤・中立=白の3色に統一する |
| 7 | ダッシュボードがなく最初に詳細データが続く | 経営層は細かいシートを読まずに判断を先延ばしにする | 「1ページサマリー(ダッシュボード)」を1枚目に配置する |
10. 関連テンプレート
- 企画書テンプレート 無料(10種類・5形式同梱)
- 企画書テンプレート おしゃれ Word版(9セクション構成・5カラーパレット)
- 事業計画書テンプレート(日本政策金融公庫・補助金申請対応)
- 稟議書テンプレート(社内投資申請・予算申請に)
- 報告書テンプレート Excel版(企画実行後の月次進捗報告に)
Excel企画書とWord・PowerPoint企画書はどう使い分ければよいですか?
損益分岐点はどのように計算しますか?
ROIとはどういう意味ですか?企画書でどう示せばよいですか?
ピボットテーブルを使って企画書を集計するには?
BIツールへの移行はどのタイミングがよいですか?
IRR・NPVとはどういう指標ですか?企画書での使い方は?
企画書の数値根拠を信頼性高く示すには?
Excel企画書を経営会議用に磨き上げるコツは?
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-05-29 確認時点)。