
- 建設業向け作業月報テンプレートをエクセル/Wordで無料ダウンロードできる(現場1〜5の現場別月報・全社統合月報・出面表連動・元請報告サマリ・使い方の9シート)。Word版は運用マニュアルです。Googleスプレッドシートで編集したい場合は、ダウンロード後にGoogleドライブへアップロードして変換できます
- 安全/品質/進捗/原価/労務の5セクション構成・出面表と現場1の日別の突き合わせ・元請への提出ルールがわかる
- 建設業月報を効率化するSaaS(ANDPAD・ダンドリワーク・蔵衛門)の機能と料金がわかる
建設業の作業月報とは・一般企業の月報との違い
建設業の作業月報は、現場ごとの安全・品質・進捗・原価・労務を毎月まとめる報告書です。現場別(5現場分)と全社統合を1冊にまとめたエクセルと、運用マニュアルのWordを無料で配布しています。
建設業の作業月報は、一般企業の月報と異なり「元請への報告書」「自社の経営管理書類」の2つの役割を兼ねます。 国交省 建設業法・施工体制台帳 が定める施工体制台帳の作成義務(建設業法第24条の8。特定建設業者が、政令で定める金額以上の下請契約を結ぶ場合などに生じます)と食い違わないように月報を作ることが、元請への報告の信頼につながります。2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたため( 労働基準法36条4項(限度時間)e-Gov法令検索 の月45時間・年360時間)、労務セクションの記録の重要性がさらに高まっています(国交省 建設業働き方改革 2026-05-29確認)。
建設業の作業月報と一般企業の月報の比較
| 比較項目 | 建設業 作業月報 | 一般企業 月報 |
|---|---|---|
| 主な提出先 | 元請・自社経営層 | 直属上長・経営層 |
| 法定との連動 | 施工体制台帳・安全管理記録・36協定の内容と食い違わせない | 法定書類との直接連動は少ない |
| 主なセクション | 安全/品質/工程/原価/労務の5セクション | KPI・課題・翌月計画の3セクションが標準 |
| 複数現場の管理 | 現場別月報+全社統合月報の2層構造が使いやすい | 部門・プロジェクト別の単層管理が多い |
| 提出タイミング | 元請の指定日(月次締め・元請の検収に合わせる) | 翌月第1〜3営業日 |
建設業 作業月報の書き方
建設業 作業月報の5セクション構成
建設業の作業月報は、一般企業の月報と異なり、現場特有の5つのセクションで構成するのが標準です。それぞれのセクションに何を書くべきかを解説します。
| セクション | 記載内容 | 元請提出時の重要度 | 記録の主な根拠 |
|---|---|---|---|
| ①安全管理 | 安全教育実施回数・ヒヤリハット件数・災害発生件数・KY活動実施状況 | ★★★(最重要) | 労働安全衛生法・安全教育記録 |
| ②品質管理 | 品質検査結果・不具合発生件数・是正措置・材料管理状況 | ★★★ | 品質管理計画書・検査記録 |
| ③工程管理(進捗) | 工程表との比較・完了率・遅延理由と対策・翌月の作業計画 | ★★★ | 施工計画書・工程表 |
| ④原価管理 | 当月の実行予算消化額・累計消化率・原価差異・外注費実績 | ★★(自社内部管理) | 実行予算書・発注書・請求書 |
| ⑤労務管理 | 作業員出面数・延べ人工数・時間外労働実績・36協定対応状況 | ★★★ | 出面表・勤怠記録・36協定 |
①安全管理セクションの記載方法
安全管理は建設業月報の中で最も重要なセクションです。元請への提出時に最初に確認される項目です。特別教育を実施した場合は、 厚労省 労働安全衛生法 の委任を受けた労働安全衛生規則第38条により、受講者・科目等の記録を3年間保存する義務があります。この記録に対応した形式で記録します。
| 記載項目 | 記入方法 | 根拠・法令 |
|---|---|---|
| KY活動実施回数 | 月間実施回数・参加人数・主な議題(上位3件) | 労働安全衛生規則 |
| 雇入れ時等の教育の実施状況 | 実施日・受講者数・教育内容 | 労働安全衛生規則第35条(記録の保存義務の明文なし) |
| 特別教育の実施状況 | 実施日・受講者数・科目 | 労働安全衛生規則第36条(対象業務)・第38条(記録を3年間保存) |
| 職長教育の実施状況 | 実施日・受講者数・教育内容 | 労働安全衛生法第60条 |
| ヒヤリハット件数 | 発生件数・主な事象分類(転倒/落下/機械接触等)・再発防止策 | 社内ヒヤリハット管理規程 |
| 安全パトロール | 元請パトロール実施日・指摘件数・是正状況・次回予定 | 元請との契約条件による |
| 労災発生状況 | 件数・休業日数・発生原因・再発防止策・監督署への報告有無 | 労働安全衛生法第100条 |
②品質管理セクションの記載方法
品質管理セクションは「工事の品質が設計通りに維持されているか」を示す重要な報告です。元請や発注者が品質検査結果に基づいて工事代金の支払いを判断することがあります。
- 品質検査結果: 実施した検査種別(コンクリート強度試験・溶接検査・水圧試験等)・合否・不合格の場合は是正内容
- 不具合・手直し状況: 発生件数・原因・是正完了状況・再発防止策
- 材料管理: 規格外材料の使用有無・産地証明書の整備状況
- 竣工検査に向けた準備状況: 完了検査予定日・現時点の未完了事項のリスト
③工程管理セクションの記載方法
工程管理セクションは「計画に対して実際の進捗がどうか」を明確に伝えます。遅延がある場合は原因と対策をセットで報告することが重要です。
| 項目 | 記入内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 全体工程の進捗率 | 計画進捗率と実績進捗率を比較 | 計画75% → 実績72%(-3ポイント) |
| 当月完了工種 | 今月完了した主な工種・作業内容 | 基礎コンクリート打設完了・型枠解体完了 |
| 遅延の状況と原因 | 遅延日数・原因(天候/資材納期/下請業者遅れ等) | 3日遅延・原因:連続降雨による作業中断 |
| 翌月の作業計画 | 翌月の主要作業・目標完了率・重要マイルストーン | 鉄骨建方・床スラブ打設・目標進捗率85% |
④原価管理セクションの記載方法(社内版のみ)
原価管理は自社の経営情報です。元請提出版には含めず、社内管理用の全社統合月報のみに記載します。
| 管理項目 | 記入内容 | 活用方法 |
|---|---|---|
| 当月の予算と実績 | 当月予算・当月実績・差異・差異率(全社統合月報の入力欄)。累計消化額・予算残高は実行予算書で管理 | 原価差異の早期検知・コスト超過の予防 |
| 原価差異 | 予算と実績の差異・差異の原因分析 | 見積精度の改善・翌工事の見積反映 |
| 外注費実績 | 下請業者別の当月請求額・累計請求額・契約残高 | 下請への支払い管理・追加発注の判断 |
| 労務費実績 | 出面表連動シートの労務費合計(日当×出面)を、全社統合月報の当月実績の検討に使う | 労務費の予実管理・人員計画の見直し |
⑤労務管理セクションの記載方法
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたため、労務管理セクションの重要性が大幅に増しています。国土交通省の 工期に関する基準 は、適正な工期設定を通じた長時間労働の是正と週休2日の確保を求めています。
| 記載項目 | 記入内容 | 法令上の根拠 |
|---|---|---|
| 延べ人工数 | 現場シートの人工の合計(出面表連動シートの日別合計と突き合わせる) | 元請への報告・賃金台帳との突き合わせ |
| 時間外労働実績 | 全員分の月合計時間(現場シートの労務欄)。作業員別の管理は出面表テンプレートの時間外の列 | 36協定・月45時間の限度時間(労働基準法第36条第4項) |
| 休日実績(4週8休) | 作業のない日数(自動)・休日が2日以上あった週の数(入力) | 建設業働き方改革の週休2日制目標 |
| 36協定の遵守状況 | 月45時間を超えた人数(入力)・対応策 | 労働基準法・36協定 |
| 社会保険加入状況 | 新規入場作業員の保険加入確認状況 | 建設業法施行規則第14条の2 |
出面表からの自動集計の仕組み
出面表(日次の作業員出面記録)と月報の人工を日ごとに突き合わせることで、記録の食い違いに早く気づけます。本テンプレートは、出面表連動シートの日別の出面合計と、現場1シートの日別の人工を突き合わせる設計です(使っている関数は下の表のとおりで、VLOOKUP は使っていません)。現場2〜5と突き合わせるときは、シートをコピーして『現場1』を置換します(使い方シートに手順があります)。
出面表と月報の突き合わせ・集計の仕組み
| 記録する項目 | 自動で出る数字 | 使用する関数 |
|---|---|---|
| 職人別・日別の出面(出面表連動シート) | 日別の出面合計・出面合計×日当の労務費 | SUM |
| 現場1シートの日別の人工 | 出面合計との差・差のある日数 | N/ROUND/SUMPRODUCT/ISNUMBER |
| 現場シートの日別の作業実績 | 人工・作業日数・作業時間・災害件数・安全KY実施率・月末の進捗率 | SUM/COUNTIF/COUNTIFS/MAX |
| 現場シートの月計と元請名 | 全社統合月報の各列・元請別の人工合計と現場数 | IF/AVERAGE/SUMIFS/COUNTIFS |
出面表の詳しい書き方・エクセルテンプレート・SaaSとの連携方法は出面表テンプレートページで詳しく解説しています。
元請への提出ルール
作業月報の元請への提出は、工事請負契約書や元請の社内規程に基づいています。元請指定のフォーマットがある場合は最優先で使用してください。
提出時のチェックリスト
- 提出タイミング: 元請の指定日に合わせる(元請の指定日までに出せるよう、現場側の締め日を決めておく)
- 書式: 元請指定のフォーマットがある場合は最優先。指定がない場合は本テンプレートを使用
- 押印・署名: 施工管理技士や現場代理人の署名・会社印が必要な場合あり
- 提出方法: 電子メール・電子納品・クラウドサービス共有のいずれか(元請の指示に従う)
- 添付書類: 出面表・安全教育記録・品質検査報告書などの添付を求められる場合あり
- 保存期間: 帳簿と添付書類(施工体制台帳のうち主任技術者・下請負人などを記載した部分を含む)は工事目的物の引渡しから5年間(発注者と締結した住宅を新築する建設工事は10年間)。施工体系図などの図書は引渡しから10年間(建設業法施行規則第28条)
- 原価情報の取扱い: 元請提出版から原価管理セクションは必ず除外する
2形式の使い分け
| 形式 | 用途 | 含めるセクション | 提出先 |
|---|---|---|---|
| 現場別月報(元請提出用) | 元請への定期報告 | 現場1〜5のシートと元請報告サマリ(原価は載せない) | 元請の現場担当・工事事務所 |
| 全社統合月報(自社内部用) | 自社の経営管理・複数現場の横断管理・社長への報告 | 現場1〜5の月計+原価の入力欄+元請別の集計 | 自社の経営者・管理部門 |
施工体制台帳との整合性確認
施工体制台帳は、特定建設業者が発注者から直接請け負った工事で、下請契約の請負代金の総額が政令で定める金額以上になるときに、建設業法第24条の8により作成して工事現場ごとに備え置く書類で、下請業者・作業員の情報を記録します(公共工事では、公共工事入札契約適正化法第15条により、下請契約を締結したときに作成します)。作業月報の労務セクションを施工体制台帳と整合させることで、両書類のメンテナンス工数を削減できます。 国交省 施工体制台帳 では台帳の記載事項・整備時期・保存期間が詳細に定められています。
| 整合させるべき項目 | 施工体制台帳側 | 作業月報側 |
|---|---|---|
| 下請業者名 | 商号・代表者・許可番号 | 作業月報の備考欄(下請の変更があった旨) |
| 作業員氏名 | 作業員名簿(氏名・生年月日) | 出面表連動シートの氏名・職種 |
| 社会保険加入状況 | 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入有無 | 月報の備考欄 |
| 主任技術者 | 選任された主任技術者の氏名・資格 | 月報の現場所長欄(所長が主任技術者を兼ねる場合) |
建設業の働き方改革(2024年4月適用)への対応
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。国土交通省の 工期に関する基準 は、適正な工期設定と週休2日の確保を求めています。月報では以下の指標を追跡します。
働き方改革対応の月報追加項目
| 追加項目 | 記録内容 | 達成目標 |
|---|---|---|
| 週休2日制(4週8休)達成状況 | 休日が2日以上あった週の数(現場シートの労務欄に入力) | 全4週で週休2日(4/4週) |
| 時間外労働累計 | 当月の時間外労働合計・年間累計 | 原則 月45時間以内・年360時間以内(特別条項付きの36協定がある場合を除く) |
| 有給休暇の取得日数 | 当月の有給取得日数(現場シートの労務欄に入力)・年間の取得状況 | 年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、使用者が年5日を取得させる義務(労働基準法第39条第7項) |
| 公共工事設計労務単価との乖離 | 自社労務単価と国交省設計労務単価の比較 | 設計労務単価以上の賃金支払い |
日報→週報→月報の連動フロー
| 帳票 | 記録頻度 | 主な記載内容 | 月報への活用 |
|---|---|---|---|
| 施工日報 | 毎日 | 当日の作業内容・出面・安全確認事項・品質記録 | 出面表連動シートと現場シートの人工を突き合わせる |
| 週次安全報告 | 週1回 | KY活動実績・ヒヤリハット件数・安全教育実施状況 | 月報の安全管理セクションに集約 |
| 週次工程報告 | 週1回 | 工程進捗・問題点・翌週計画 | 月報の工程管理セクションに集約 |
| 作業月報 | 月1回 | 5セクション全体のまとめ・元請報告・経営管理 | 元請提出・自社経営管理・評価面談 |
建設業の作業月報を効率化するSaaS
現場が3件以上になると、エクセルとPDFでの月報管理は限界を迎えます。建設業特化の現場管理SaaSは、月報・出面表・施工日報を一元管理します。
建設業SaaS 主要3サービス比較
| サービス | 月報機能 | 出面表連動 | 安全管理機能 | 料金目安 |
|---|---|---|---|---|
| ANDPAD | 工程表・月報・報告書一元管理 | あり(出面管理機能) | KY活動・ヒヤリハット記録 | 要問い合わせ(中〜大規模向け) |
| ダンドリワーク | 工程管理・月報・出面表連動 | あり | 一部対応 | 初期費用20万円〜・月額15,000円〜(公式の記載・税表記なし・公式確認日 2026-10-07) |
| 蔵衛門 | 写真管理・日報・月報 | 一部対応 | 写真による記録 | 公式で確認 |
エクセル管理 vs SaaS管理のコスト比較
建設業の月報管理をエクセルで続けるべきか、SaaSに移行すべきかの判断基準を紹介します。
| 規模・状況 | 推奨する選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 現場1〜2件・作業員10名以下 | 本テンプレート(エクセル) | SaaSの月額費用が工数削減効果を上回る |
| 現場3〜5件・作業員10〜50名 | SaaS(ダンドリワーク・CONOC等) | 複数現場の同時管理・共有に限界が来る |
| 現場6件以上・作業員50名以上 | 建設業特化SaaS(ANDPAD等) | 現場管理・品質・安全・月報の総合管理が必要 |
関連サービス・SaaS比較
建設業の現場管理を効率化する関連サービスをまとめました。無料トライアルの有無は各社の公式サイトで確認してください。
関連テンプレート
- 月報テンプレート(メイン・営業/企画/製造/開発・IT/管理職/専門職の6種類)
- 安全書類(グリーンファイル)テンプレート(作業員名簿・施工体制台帳・再下請負通知書)
- 出面表テンプレート(建設業労務管理・50人分・人工/賃金の自動計算付き)
- 出面表アプリ 比較(8サービス・移行ステップ付き)
- 工事請負契約書テンプレート
- 工事見積書テンプレート
- 工程管理テンプレート(製造工程の日次・月次管理)
作業月報は元請への提出義務がありますか?
現場ごとに月報を分けるべきですか?
エクセルで複数現場を管理するコツはありますか?
建設業法で月報の書式は決まっていますか?
安全管理記録はいつまで保存する必要がありますか?
施工体制台帳と作業月報はどう連携させますか?
KY活動・安全教育の記録は月報のどこに入れますか?
原価管理セクションを元請に見せても大丈夫ですか?
週休2日制(4週8休)への対応はどう月報に反映しますか?
建設業のデジタル化(BIM/CIM・ICT施工)に月報はどう対応しますか?
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-10-12 確認時点)。
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