
- マイソク・案内メール・提案FAX・投資物件プレゼン4種類の物件案内テンプレートを無料ダウンロードできる
- 顧客タイプ(ファミリー・単身・法人・投資家)別のカスタマイズポイントと宅建業法・表示規約の禁止事項がわかる
- 案内後のフォローアップで成約率を上げる方法と、物件管理SaaSへの移行タイミングがわかる
物件案内書類の4種類と使い分け
不動産営業で使う物件案内書類は、目的・相手方・場面によって使い分けることで反響率と成約率が向上します。記載内容は 宅建業法32条(誇大広告等の禁止) と 不動産公正取引協議会の表示規約 を遵守する必要があります。
| 書類の種類 | 主な用途 | 形式 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| マイソク(物件概要書) | 問い合わせ対応・内覧前の事前資料 | A4・1〜2枚 | 物件の基本情報を一目で把握できる。写真・地図・設備一覧を掲載 |
| 案内メール | 問い合わせへの初回返信・新着物件の案内 | テキスト+添付ファイル | 返信速度が成約率に直結。30分以内の返信が理想 |
| 提案FAX | 法人顧客・高齢のオーナーへの案内 | A4・1枚 | 受信者がすぐに内容を把握できるよう情報を絞り込む |
| 投資物件プレゼン資料 | 投資物件・高額売買物件の商談 | スライド5〜10枚 | 収益性・将来性・リスクを数値で訴求する構成が効果的 |
マイソク(物件概要書)の作成方法
マイソクは不動産業界で最も多用される物件案内書類です。「A4・1枚で物件の全体像を伝える」ことが基本原則です。情報の過不足なく整理することで、内覧前の顧客の期待値コントロールができ、当日の成約率が高まります。
マイソクの必須構成要素
| セクション | 記載内容 | ポイント・注意点 |
|---|---|---|
| ヘッダー | 物件名・所在地・最寄り駅・徒歩分数 | 第一印象を決める。駅名・徒歩分数は最も目立つ位置に。徒歩分数は道路距離80mを1分(端数切上)が法定基準 |
| 写真エリア | 外観・リビング・キッチン・バス・眺望・周辺環境 | 明るい・清潔感のある写真を選ぶ。暗い写真は反響を下げる。広角撮影でも過度な歪みは禁止 |
| 物件概要 | 賃料/価格・管理費・面積・間取り・築年数・構造・階数・方角 | 表形式で見やすく整理。面積はm²とおおよその畳数を両方記載 |
| 初期費用 | 敷金・礼金・仲介手数料・保証料・鍵交換費(賃貸) | 月額費用と初期費用を明確に分けて記載。入居前の総コストが分かるように |
| 設備一覧 | エアコン・オートロック・宅配ボックス・駐車場・ペット可否等 | チェックボックス形式で一覧化すると読みやすい。ペット・楽器の可否は明記 |
| 地図 | 物件位置・最寄り駅・周辺施設(スーパー・学校・病院) | Googleマップのキャプチャ+徒歩圏内の施設を手書き補足すると有効 |
| 問い合わせ先 | 会社名・担当者名・電話番号・メール・宅建業者免許番号 | A4下部に目立つよう配置。宅建業者免許番号は必須記載事項 |
マイソクの法的必須記載事項(宅建業法・表示規約)
不動産公正取引協議会の表示規約 に基づき、不動産広告には以下の必須表示事項があります。漏れがあると指導・課徴金の対象になります。
| 必須記載事項 | 具体的な記載方法 |
|---|---|
| 取引態様 | 「売主」「媒介(仲介)」「代理」のいずれかを明記 |
| 物件の所在地 | 住所(○○県○○市○○町○丁目○番○号)を正確に記載 |
| 交通の利便 | 最寄り駅名・路線名・徒歩分数または車分数(距離も併記) |
| 面積 | 専有面積・土地面積をm²で記載(壁芯か内法かを明示) |
| 価格・賃料 | 税込・税別を明記。管理費・共益費は別途表示 |
| 広告主(宅建業者) | 会社名・住所・電話番号・宅建業者免許番号を明記 |
| 広告表示の文字サイズ | 原則7ポイント以上(約2.47mm) |
物件広告の法的禁止事項チェックリスト
宅建業法32条 および公正取引協議会の規約により、以下は違反となります。違反すると業務停止処分・指示処分の対象となります。
- おとり広告:成約済み物件・実在しない物件の掲載は絶対禁止(3ヶ月以内に更新しない広告も「おとり」とみなされる場合あり)
- 二重価格表示:「通常○万円→今だけ○万円」等、根拠のない値引き表示禁止
- 断定的表現:「絶対に値上がりする」「100%儲かる」等の投資断定はNG(「値上がりが期待できます」等の表現も要注意)
- 面積・徒歩分数の不正確:徒歩分数は道路距離80mを1分(端数切上)が法定基準。1,000m離れていれば13分(1,000÷80=12.5→切上13分)
- 誤認させる写真:合成・過度な加工・他物件の写真の流用は禁止。広角レンズによる誇大表現も注意
- 必要表示事項の省略:取引態様・物件所在地・賃料・面積・取引業者名・免許番号等は必須記載
- 誇大な立地表現:「駅前」は徒歩1分以内・「バス停近く」は徒歩5分以内が目安
3バリエーション別の物件案内書作成ガイド
賃貸物件の案内書で重視すべきポイント
| 優先度 | 記載項目 | 詳細 |
|---|---|---|
| 最重要 | 月額費用の総額 | 賃料+管理費+駐車場費の合計。「月○万円で住める」を一目で伝える |
| 最重要 | 初期費用の概算 | 敷金・礼金・仲介手数料・保証料・鍵交換の合計額。初月の支払いイメージを伝える |
| 重要 | 入居可能日 | 「即入居可」か「○月○日以降」かを明確に。転勤・引越シーズンは入居日が成約を左右する |
| 重要 | 審査条件 | 外国籍対応・ペット可・楽器可・審査の難易度(保証会社の系統) |
| 補足 | 更新料・退去時費用の目安 | 「2年毎に賃料1ヶ月」「クリーニング費用○万円」を事前に伝えると信頼感が増す |
売買物件の案内書で重視すべきポイント
| 優先度 | 記載項目 | 詳細 |
|---|---|---|
| 最重要 | 総購入費用 | 物件価格+仲介手数料(最大3%+6万円+消費税)+諸費用(登記費・ローン費等)の概算 |
| 最重要 | 住宅ローンの目安月額 | フラット35等の金利を使った月額返済シミュレーション(「月○万円で住める」) |
| 重要 | 瑕疵・告知事項 | 雨漏り・シロアリ・事故物件等の告知事項は必ず記載(宅建業法47条) |
| 重要 | 引渡し時期 | 「引渡し即日可」か「入居済みで○ヶ月後」かを明記 |
| 重要 | 建物状況調査(インスペクション)の実施有無 | 2018年施行の改正宅建業法で説明義務化。実施済みなら結果を開示 |
投資物件の案内書で重視すべきポイント
投資家向けの案内書は「数値で語る」ことが最重要です。感情的な訴求より、表面利回り・実質利回り・空室リスク・修繕計画を具体的な数値で提示してください。
| 項目 | 記載内容 | 計算方法 |
|---|---|---|
| 表面利回り(グロス) | 年間賃料収入 ÷ 物件価格 × 100% | 例:月額¥8万円×12ヶ月=¥96万円 ÷ ¥2,000万円=4.8% |
| 実質利回り(ネット) | (年間賃料収入-管理費・税金・修繕費) ÷ 物件価格 × 100% | 固定資産税・管理委託料・修繕積立金を差し引く |
| キャッシュフロー | 実質収入 ー ローン返済額 | 毎月の手残り額を明示する |
| 空室率・満室想定 | エリアの空室率実績(過去5年平均) | 国交省・全国賃貸住宅新聞等のデータを出典付きで記載 |
| 将来の売却価格想定 | 築年数・エリア相場からの概算 | 断定表現禁止・「参考値」として提示 |
物件案内メールの文例集
案内メールは、物件情報の正確な伝達だけでなく、顧客との関係構築を意識した文章が重要です。返信速度が最優先で、内容の質はその次です。
場面別のメール文例ポイント
| 場面 | 件名例 | 本文のポイント |
|---|---|---|
| 初回返信メール | 【物件3件ご案内】〇〇エリア・家賃〇万円台(担当:○○) | 「お問い合わせありがとうございます。ご希望の条件に合う物件として○件ご用意しました」+マイソクを添付 |
| 新着物件の案内 | 【新着】○駅徒歩5分・¥〇万円・2LDK 本日登録 | 「先週のご内覧後、ご希望エリアに新着が出ました」+物件概要を3行で本文に記載 |
| 内覧後のお礼メール | 本日はご内覧ありがとうございました(○○不動産 ○○) | 「本日はお時間をいただきありがとうございました。気になる点や追加のご質問があれば何でもご連絡ください」 |
| 申込み促進メール | 【ご確認】○○物件のご検討状況について | 「○件の物件は他にもお問い合わせが来ております。ご検討の状況をお聞かせいただけますでしょうか」(事実ベースのみ・誇張禁止) |
| 値下がり情報の通知 | 【価格変更】○○マンション○号室が¥〇万円から¥〇万円に(○○) | 変更前・変更後の金額と変更理由(あれば)を明記。「今がお買い時」等の煽り表現は禁止 |
案内メール作成の5つのルール
- 件名に物件情報を入れる:「○○エリア・家賃〇万円台」等の具体情報で開封率が上がります
- 本文は短く・箇条書きで整理:スマホで読まれることを想定し、3スクロール以内に収める
- 添付ファイルはPDF形式:どのデバイスでもレイアウトが崩れません
- 返信先・担当者を明確に:「何かあれば○○(電話:○○-○○○○-○○○○)までご連絡ください」と明記
- 署名に宅建業者免許番号を入れる:信頼性向上と法令遵守の両面で重要
顧客タイプ別カスタマイズのポイント
顧客のライフスタイル・ニーズに合わせて物件案内資料をカスタマイズすると、成約率が上がります。同じ物件でも「誰に・何を重視して見せるか」で受け取り方が大きく変わります。
| 顧客タイプ | 最重視するポイント | カスタマイズのコツ |
|---|---|---|
| 単身・社会人 | 通勤時間・セキュリティ・設備の充実 | 駅徒歩分数・オートロック・宅配ボックス・ネット無料の有無を目立たせる |
| ファミリー | 学区・公園・買い物の便・部屋数・収納 | 地図に近隣の学校・公園・スーパー・病院を記載。子供部屋の取り方を間取り図で解説 |
| 高齢者 | バリアフリー・医療機関へのアクセス・管理体制 | 段差の有無・エレベーター・近隣病院・管理人常駐の有無を明記 |
| 法人(社宅・事務所) | 費用対効果・利便性・広さ・契約の柔軟性 | 月額総コスト・交通アクセス・法人契約の可否・複数戸契約の割引交渉可否を一覧化 |
| 投資家 | 利回り・空室率・管理体制・将来の売却見込み | 表面利回り・実質利回り・近隣の賃料相場・過去5年の空室率を数値で提示 |
賃貸 vs 売買の案内書構成比較
| 比較項目 | 賃貸向け案内書 | 売買向け案内書 |
|---|---|---|
| 最重要項目 | 月額費用・入居可能日 | 総購入費用・住宅ローン月額 |
| 写真の優先順位 | 室内・設備・収納の充実感 | 外観・周辺環境・リフォームポイント |
| 地図の役割 | 最寄り駅・周辺施設(生活利便性) | 地域の資産価値(再開発計画・駅距離) |
| 数値で訴求すべき点 | 月額・初期費用・敷金・礼金 | 表面利回り・ローン月額・取引事例価格 |
| 補足説明が必要な点 | 審査条件・更新料・退去費用目安 | 瑕疵の有無・インスペクション結果・固定資産税 |
案内後のフォローアップで成約率を高める方法
物件案内後のフォローアップは、成約率に直接影響します。適切なタイミングと内容でアクションを取ることが重要です。フォロー無しの場合と比較して、成約率は2〜3倍になると言われています。
内覧後フォローのタイムライン
| タイミング | 推奨アクション | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 内覧当日の夜 | 「本日はありがとうございました。ご質問があればいつでもご連絡ください」とメール送付 | 印象を残し、顧客が考えやすい環境を作る |
| 内覧2〜3日後 | 「検討状況はいかがでしょうか。他の候補もご紹介できます」と電話またはメール | 検討中の顧客を次のアクションへ誘導する |
| 1週間後 | 新着物件・値下がり情報があれば共有する | 「この担当者はまめに動いてくれる」という信頼感を形成する |
| 申込み後 | 審査→契約→引渡しの流れを説明した資料を送付する | 顧客の不安を解消し、キャンセルを防ぐ |
フォロー連絡の優先順位と方法
- 電話が最優先:即座に状況を把握し、質問に答えられる。ただし「今電話しても大丈夫か」は事前確認が礼儀
- 次点でメール:資料添付・記録が残る。件名に「○○物件について」と明記する
- LINE は同意取得後: 特定電子メール法 の適用外ですが、個人情報保護法の対象。利用前に同意を取得する
- 「他にもお問い合わせが来ています」:事実ベースであれば成約促進に有効。誇張・虚偽は宅建業法違反
反響対応・送信時の法令遵守チェックリスト
- 特定電子メール法 :問い合わせ後の返信は同意済みとされるが、新着案内メールには事前同意が必須
- 個人情報保護法 :顧客情報は利用目的を明示し、目的外利用は同意なしに不可
- 送信解除の連絡を受けたら24時間以内に配信停止すること
- 第三者(金融機関・引越業者等)への情報提供は事前同意が必要
- 退去顧客・成約しなかった顧客の情報は社内の個人情報管理規程に従って保管・廃棄する
物件管理SaaS・CRMで業務を効率化する
物件案内・顧客管理をSaaS・CRMで効率化すると、1人の担当者が対応できる顧客数を大幅に増やせます。本テンプレートとSaaSを組み合わせると最大の効果を発揮します。
Excel管理から物件管理SaaSへの移行タイミング
- 管理物件数が30戸を超えた(Excelでの更新に時間がかかるようになった)
- 担当者が2人以上になり、情報の共有・更新の一元管理が必要になった
- SUUMO・LIFULL HOME'S等への入稿を毎回手入力している(一括入稿に切り替えたい)
- 顧客からの問い合わせへの対応が遅くなってきた(自動返信・テンプレート送信が欲しい)
課題別のSaaS活用方法
| 課題 | SaaS/CRM活用で解決できること |
|---|---|
| マイソクの作成に時間がかかる | 物件情報を入力するだけで自動生成・写真の自動配置 |
| 顧客への連絡漏れ | フォローアップのリマインド通知・自動メール送信 |
| 複数担当者での物件情報共有 | クラウドで物件情報・顧客情報をリアルタイム共有 |
| ポータルサイトへの掲載作業 | 一括入稿機能でSUUMO・LIFULL HOME'Sに同時掲載 |
| 成約率の把握と改善 | 反響数・案内数・成約数を自動集計してデータ分析 |
物件管理・顧客管理をSaaSで効率化する
不動産CRM・物件管理SaaSは物件情報を一元管理し、案内書類・メール・追客を自動生成します。手動作業を大幅に削減し、1人の担当者が対応できる顧客数を増やせます。
物件管理SaaSを比較する →関連テンプレート
- 賃貸契約書テンプレート(国交省準拠・3パターン)
- 不動産売買契約書テンプレート(5パターン)
- 入居申込書テンプレート(4パターン)
- 賃貸保証会社の必要書類(チェックリスト4社対応)
- 原状回復ガイドライン(国交省準拠)
マイソクに必ず載せるべき項目は?
物件案内メールの送るタイミングは?
売買と賃貸で案内書類の違いは?
顧客へのLINE送信は問題ない?
物件写真の無断転用は違法?
マイソクの文字サイズに規定はある?
SUUMOへの掲載に使えますか?
投資物件の利回り計算方法は?
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-05-29 確認時点)。