
- 古物台帳(帳簿等)をExcel・PDFで無料ダウンロードできる(電磁的方法による記録に対応・記入例つき)
- 古物営業法第16条が定める5つの記載事項と、施行規則が定める記載免除のルール
- 受け取り(仕入れ)と引き渡し(販売)で記載要否が変わる判定フロー(自分のケースがどれか分かる)
- 保存期間3年(法18条1項)・き損時の届出義務(同条2項)・罰則(法33条)
古物台帳(帳簿等)とは
古物営業法第16条 は、古物商が売買若しくは交換のため、又は売買若しくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、一定の事項を「帳簿若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(帳簿等)」に記載し、又は電磁的方法により記録するよう義務づけています。この帳簿等が、一般に「古物台帳」と呼ばれる書類です。
取引のたびに記載するのが原則ですが、後述のとおり取引金額や品目、仕入れ・販売のどちらかによって記載が不要になるケースもあります。まずは次の判定フローで、自分の取引が記載対象かどうかを確認してください。
記載義務の判定フロー
「この取引は台帳に記載が必要か」を、受け取り(仕入れ)と引き渡し(販売)に分けて判定できます。
受け取り(仕入れ)のとき
- STEP1: 自己が売却した物品を、その売却相手から買い戻しますか?
- はい → 記載不要(古物営業法第15条2項2号)。ここで判定終了。
- いいえ → STEP2へ
- STEP2: 対価の総額は1万円未満ですか?
- いいえ(1万円以上) → 記載が必要です。ここで判定終了。
- はい → STEP3へ
- STEP3: 品目は、自動二輪車・原付、エアコン室外機・電気温水機ヒートポンプ、ゲームソフト、CD・DVD等、電線、金属製グレーチング、書籍の7品目(下記H2参照)のいずれかに該当しますか?
- はい → 記載が必要です(1万円未満でも施行規則第16条2項の例外品目のため)
- いいえ → 記載不要です(古物営業法第15条2項1号・第16条ただし書)
引き渡し(販売)のとき
引き渡す古物の種類によって、記載そのものの要否と、相手方情報(住所・氏名・職業・年齢)の記載要否が別々に決まります。
- 美術品類 → 記載が必要/相手方情報も記載必要
- 時計・宝飾品類 → 記載が必要/相手方情報も記載必要
- 自動車(部分品を含む) → 記載が必要/相手方情報だけは記載不要(施行規則第18条2項)
- 自動二輪車及び原動機付自転車(部分品を含む。ただし対価総額1万円未満で取引される部分品は除く) → 記載が必要/相手方情報も記載必要
- 上記以外の一般的な古物(衣類・家電・書籍等) → 記載自体が不要です(施行規則第18条1項)
自動車だけ相手方情報の記載が免除され、見た目が近い自動二輪車・原付は免除されません。施行規則第18条2項が免除対象を「自動車である古物」とだけ定めているためです。本テンプレートの記入例PDF・Excelは、この非対称な扱いを実際の記入例(時計の引渡=相手方情報も記載/自動車の引渡=相手方情報のみ省略)として収録しています。
台帳に記載する5つの事項(法16条各号)
古物営業法第16条は、記載すべき事項を次の5点に列挙しています。
| 号 | 記載事項 |
|---|---|
| 一号 | 取引の年月日 |
| 二号 | 古物の品目及び数量 |
| 三号 | 古物の特徴 |
| 四号 | 相手方(規則で定める古物を引き渡した相手方を除く)の住所・氏名・職業・年齢 |
| 五号 | 15条1項の規定によりとった確認の区分(1号・4号の措置は、その区分及び方法も) |
五号の「確認の区分」は、 古物営業法第15条1項 が定める4種類の本人確認方法(1号=運転免許証等の提示、2号=署名文書の交付、3号=電子署名付き記録の提供、4号=印鑑登録証明書の送付等の代替手段)のうち、どれを使ったかを記載します。本テンプレートのExcel版は、この5点に加えて「区分(受入/引渡)」「保存期限の目安」の列を用意しています。
本人確認が不要になる場合(1万円未満の取引・例外7品目)
古物営業法第15条2項1号 ・ 同法施行規則第16条1項 により、対価の総額が1万円未満の取引は、原則として相手方の本人確認(15条1項の措置)を要しません。ただし、次の7品目は1万円未満でも本人確認・台帳記載の両方が必要です(同施行規則第16条2項・全7号を実読して確認)。
- 一号: 自動二輪車及び原動機付自転車(ねじ・ボルト・ナット・コード等の汎用性の部分品を除く)
- 二号: エアコンディショナーの室外ユニット及び電気温水機器のヒートポンプ
- 三号: 専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
- 四号: 光学的方法により音又は影像を記録した物(CD・DVD等)
- 五号: 電線
- 六号: グレーチング(金属製のものに限る)
- 七号: 書籍
このうち二号(エアコン室外機・ヒートポンプ)、五号(電線)、六号(金属製グレーチング)は、金属盗対策として追加された比較的新しい号です。自動二輪車・ゲームソフト・CD/DVD・書籍の4品目だけを挙げる解説も見られますが、施行規則上は全7品目です(2026-09-07確認)。また、自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合も、金額にかかわらず確認・記載とも不要です(法第15条2項2号)。
保存期間3年とき損時の届出義務
古物営業法第18条1項 前段は、古物商又は古物市場主に対し、帳簿等を最終の記載をした日から3年間営業所若しくは古物市場に備え付けるよう義務づけています。この起算点は帳簿全体で1つであり、行(取引)ごとの期限ではありません。1行目の取引が3年前でも、直近に記載した行があれば帳簿全体をさらに保存し続ける必要があります。同項後段は電磁的方法による記録について「当該記録をした日から3年間」と定めており、紙の帳簿等とは文言が書き分けられています。個々の記録単位で起算するのか帳簿全体で起算するのかは条文の文言だけでは断定できないため、本テンプレートのExcel版はどちらの解釈でも保存義務を下回らないよう、安全側に倒して「帳簿全体で最も新しい取引年月日+3年」を自動計算するセルを用意しています(取引を追加するたびに自動で更新されます)。
同条2項は、帳簿等をき損し、若しくは亡失し、又はこれらが滅失したときは、直ちに営業所又は古物市場の所在地の所轄警察署長に届け出る義務を定めています。「後で気づいたら届ける」ではなく即時の届出が求められる点に注意してください。
罰則(法33条)
古物営業法第33条 は、次の違反行為をいずれも六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金としています。
| 号 | 違反行為 |
|---|---|
| 1号 | 18条1項(帳簿等の保存義務)等に違反した者 |
| 2号 | 16条(記載義務)に違反して必要な記載をせず、又は虚偽の記載をした者 |
| 3号 | 18条2項(き損・亡失・滅失の届出義務)に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者 |
様式について(別記様式第15号・第16号との関係)
古物営業法施行規則第17条1項は、帳簿の様式を別記様式第十五号(古物商用)・第十六号(古物市場主用)と定めています。様式番号そのものは法令に存在しますが、同条2項は「帳簿に準ずる書類」として次のいずれかも明文で認めています。
- 一号: 記載すべき事項を、営業所又は古物市場における取引の順に記載することができる様式の書類
- 二号: 取引伝票その他これに類する書類で、取引ごとに記載することができる様式のもの(同条3項により取引の順にとじ合わせておくこと)
本テンプレート(取引を行ごとに時系列で記録する一覧形式のExcel)は、この一号「記載すべき事項を取引の順に記載することができる様式の書類」に該当します。無いのは「様式番号」ではなく「記入して使えるファイル」です。2026-09-07時点で当サイトが確認した範囲では、警視庁は別記様式第1号〜第14号の2まではWord・PDFを配布していますが、帳簿の様式(第15号・第16号)は画像(PNG)でのみ公開されており、編集可能な記入用ファイルの配布は見当たりませんでした。所轄の都道府県警察から指定様式の案内がある場合は、そちらを優先してください。
古物台帳はExcelで作成・保存してもよいですか?
メルカリ等のフリマアプリで仕入れた場合も台帳への記載が必要ですか?
対価が1万円未満の取引でも台帳への記載は必要ですか?
古物台帳の様式は決まっていますか?警察署の様式でないと受理されませんか?
台帳を紛失・破損した場合はどうすればよいですか?
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-09-07 確認時点)。