
- 工程表テンプレートをExcel版(バーチャート/ガント/PERT 3形式)で無料ダウンロードできる(建築/土木工程例30種付き)
- バーチャート・ガントチャート・PERTの3形式の使い分けと選び方がわかる
- Excelで進捗色分け・日付自動計算を設定する方法と2024年4月適用の時間外労働規制対応工期設計がわかる
- 工程管理SaaSへの移行タイミングと施工計画書・施工体制台帳との関係がわかる
工程表3形式の使い分け
工程表には主に3つの形式があり、工事の規模・複雑さ・使用目的によって適切な形式が異なります。本テンプレートは3形式すべてを同梱しているため、現場の状況に合わせて使い分けてください。 国交省 建設業法 が定める施工管理技術基準でも、工程表は工事の重要な施工計画書類として位置付けられています。
| 形式 | 向いている工事規模 | 特徴 | 作成の難しさ |
|---|---|---|---|
| バーチャート | 小〜中規模工事(1,000万円以下) | 縦軸に工種・横軸に日程。視認性が高く現場への貼り出しに最適 | 低(Excel初心者でも作成可) |
| ガントチャート | 中〜大規模工事(1,000万円〜1億円) | バーチャートに進捗率・担当者・依存関係を追加。プロジェクト管理ツール標準形式 | 中(Excel中級レベル) |
| PERT図 | 大規模・複雑工事(1億円以上) | 作業の依存関係をネットワーク図で表現。クリティカルパスを算出できる | 高(建設管理の専門知識が必要) |
建築・土木別の標準工程例(代表30種)
| 工事種別 | 代表的な工程 | 標準工期目安 |
|---|---|---|
| 木造住宅新築 | 仮設→基礎→土台敷→上棟→屋根→外壁→内装→設備→外構→竣工検査 | 4〜6ヶ月 |
| RC造マンション新築 | 山留→掘削→基礎→躯体→屋上防水→外装→共用廊下→専有部→設備→竣工 | 12〜24ヶ月 |
| 道路工事(土木) | 測量→路床→路盤→アスファルト舗装→路肩工→区画線→安全施設→完成検査 | 1〜6ヶ月 |
| 水道管敷設 | 路面切断→掘削→管布設→接合→埋戻→路盤復旧→舗装→水圧試験 | 1〜3ヶ月 |
| 電気工事 | 設計→幹線工事→分電盤→コンセント配線→照明器具取付→試運転→検査 | 2〜8週間 |
| リフォーム(内装) | 養生→解体→下地補修→クロス貼り→床材→建具→清掃→検査 | 1〜4週間 |
Excel工程表の作り方
条件付き書式で進捗を色分けする方法
進捗率をセルに入力し、以下の条件付き書式を設定することで進捗状況を自動的に色分けできます。本テンプレートにはすでに設定済みのため、参考として確認してください。
| 進捗率 | 表示色 | 意味 | 対応アクション |
|---|---|---|---|
| 0%(未着手) | グレー | 工程未開始 | 予定日までに着手確認 |
| 1〜49% | 黄色 | 工程進行中(遅延リスク注意) | 週次で進捗確認・問題を早期検知 |
| 50〜99% | 青色 | 工程進行中(順調) | 引き続き管理継続 |
| 100%(完了) | 緑色 | 工程完了 | 完了確認書に押印・次工程に移行 |
| 遅延フラグ | 赤色 | 計画日を超過した未完了工程 | 元請・発注者に遅延報告・工程見直し協議 |
DATE関数・WORKDAY関数の活用
建設工事の工期計算では「稼働日数(土日祝を除く実際の作業日数)」を正確に把握することが重要です。以下のExcel関数を組み合わせると自動計算できます。
- =DATE(年,月,日) — 開始日を特定の年月日で指定
- =WORKDAY(開始日, 日数, 祝日リスト) — 土日祝を除いた稼働日後の日付を自動計算。祝日リストを別シートに設定することで国民の祝日を自動除外できる
- =NETWORKDAYS(開始日, 終了日, 祝日リスト) — 2つの日付間の稼働日数を計算。工期内の実作業可能日数を把握するために使用
- 週単位/月単位の切替 — テンプレート内のセルB2の「表示単位」プルダウンで「週」「月」を切替可能
工程表の項目構成(記入ガイド)
工程表の各列・行には以下の情報を記入します。記入漏れがあると元請・発注者からの差し戻し原因になります。
| 項目 | 内容 | 記入例・注意点 |
|---|---|---|
| 工事名称 | 工程表の対象工事を特定 | 「○○邸新築工事 全体工程表」「○号棟 躯体工程表」など |
| 作成日・改訂番号 | 版管理のため必須 | 「2026-05-29 作成 / Rev.01」形式。変更のたびに更新 |
| 工事番号 | 社内管理番号 | 見積書・契約書の工事番号と統一する |
| 工種名 | 作業の種類 | 「仮設工事」「基礎工事」「躯体工事」など大分類で記載 |
| 作業名 | 工種内の個別作業 | 「配筋」「型枠」「コンクリート打設」など具体的に記載 |
| 担当者 | 各工程の責任者 | 下請業者名または自社担当者名 |
| 計画開始日・完了日 | 予定工程 | WORKDAY関数で稼働日ベースで設定 |
| 実績開始日・完了日 | 実績の記録 | 進捗会議後に随時更新。差異分析に活用 |
| 進捗率(%) | 完了度合い | 0〜100%で入力。条件付き書式で色分け自動化 |
| 備考・リスク | 変更・遅延理由など | 天候不順・資材遅延・設計変更など |
2024年問題と工程表の関係
2024年4月施行・時間外労働上限規制の概要
建設業では長らく時間外労働の上限規制が猶予されていましたが、 厚生労働省 時間外労働の上限規制 により2024年4月1日から罰則付き上限規制が適用されました。工程表は「無理のない工期設計」の証拠書類となります。
| 区分 | 上限 | 違反時の罰則 |
|---|---|---|
| 原則(年間) | 年360時間以内 | 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(労働基準法第119条) |
| 原則(月間) | 月45時間以内 | 同上 |
| 特別条項(年) | 年720時間以内 | 特別条項を締結した場合の上限 |
| 特別条項(単月) | 100時間未満(休日労働含む) | これを超えると特別条項があっても違法 |
| 特別条項(複数月平均) | 2〜6ヶ月平均 80時間以内(休日労働含む) | 同上 |
| 特別条項の延長可能期間 | 年6ヶ月が限度 | 7ヶ月以上の特別条項は無効 |
工程表設計への影響: 工期末の集中作業(突貫工事)は1人あたり月100時間・年720時間を超えやすく、これまでのような「最終月に追い込む」工程設計はリスクが高くなりました。前工程からの余裕工期確保と週次の進捗管理が必須です。
適正工期確保ガイドラインに沿った工期計算
2024年3月に国交省が改定した「工期に関する基準」では、適正工期設定のために以下の要素を工程表に組み込むことを求めています。
| 確保すべき期間 | 標準目安 | テンプレート反映方法 |
|---|---|---|
| 準備期間 | 契約締結後〜着工までに2週間〜1ヶ月 | 工程の冒頭に「準備工」として独立色で明示 |
| 休日(4週8休) | 週休2日制(土日) | カレンダーシートで休日設定・WORKDAY関数で稼働日のみカウント |
| 天候予備日 | 外工事日数の10〜15% | 各フェーズ末に予備日バッファを配置 |
| 検査・引渡し期間 | 2週間〜1ヶ月 | 工程末尾に「竣工検査」として明示 |
36協定と工程表の整合性確認
工程表を作成する際は、社内で締結した36協定の上限時間と工程計画の整合性を事前に確認します。以下の手順で確認してください。
- 月次稼働時間の試算: 工程表の各月の稼働日数 × 1日の作業時間で月次の時間外労働を概算する
- 36協定の上限と比較: 試算値が月45時間・年360時間(特別条項時は単月100時間未満・年720時間)を超えていないか確認
- 超過する場合は工程を調整: 工種の並行作業化・下請追加・工期延長交渉のいずれかで対応
- 発注者への工期説明: 国交省の適正工期算定ツールを活用し、「適正工期 = ○日」と数値で説明する
工程表と施工計画書・施工体制台帳の関係
施工計画書における工程表の位置づけ
工程表は施工計画書の構成要素の一つです。建設業法第26条の3により、主任技術者または監理技術者は施工計画の作成・工程管理を担う義務があります。請負代金が500万円以上の工事では施工計画書の作成が実務上必須となっており、工程表はその中核書類として扱われます。
| 書類名 | 作成義務 | 主な内容 | 工程表との関係 |
|---|---|---|---|
| 施工計画書 | 請負代金500万円以上が目安(公共工事では原則全件) | 工程・品質・安全・環境・下請管理計画の総合書類 | 工程表を添付・内包する |
| 工程表 | 施工計画書の一部として必須 | 各工種の着工〜完成の日程管理図 | 施工計画書に添付 |
| 施工体制台帳 | 特定建設業者が下請契約を締結する場合 | 元請・全下請業者の氏名・工事内容・工期・施工連絡先 | 工程表と下請の工期を照合する |
| 施工体系図 | 施工体制台帳と同じ | 元請・下請の施工分担関係を図式化 | 工程表の工種と施工体系図の担当を対応させる |
施工体制台帳と工程表の整合性チェック
施工体制台帳に登録された下請業者の工期と、工程表に記載した当該工種の工程が食い違うと、発注者・監督員からの指摘・是正要求の原因になります。以下の3点を必ず照合してください。
- 下請業者の工期: 施工体制台帳の「工期」と工程表の当該下請工種の「計画開始日〜完了日」が一致しているか
- 主任技術者の在場期間: 下請の主任技術者が在場する工期が工程表と整合しているか
- 複数下請の並行作業: 同一現場で複数の下請が並行して作業する期間が工程表に正確に反映されているか
見やすい工程表のコツ
工程表は発注者への説明資料・現場への貼り出し・工程会議での共有など複数の用途で使用します。「見やすさ」を意識した工程表は関係者全員の理解を促し、工程遅延の早期発見にも役立ちます。
- 工程種別は色で統一する — 基礎工事: 赤、躯体工事: 青、仕上げ工事: 緑のように工種ごとに色を固定(全工事で統一)
- クリティカルパスを太線・赤線で強調する — 工期全体に影響する工程を一目で識別できるようにする
- 余白を十分に取る — 1行に詰め込みすぎず、コメント・備考欄のスペースを設ける
- フォントサイズは10pt以上 — A3貼り出し時でも読めるサイズに設定する
- 凡例を必ず入れる — 色の意味・工種区分・記号の説明を右下または左下に配置する
- タイトル行を大きく — 工事名・作成日・改訂番号をフォント18pt以上で目立たせる
詳細な見やすい工程表の作成方法(NG/OK比較5パターン付き)は 工程表 見やすいテンプレート のページで解説しています。
よくある失敗と対処法
失敗1: 天候予備日を設定していない
外工事(基礎・躯体・外装・外構)は雨天・強風・降雪で作業不可となる日が発生します。予備日なしの工程表は「悪天候1日→全体工期が1日延びる」という脆弱な計画になります。
- 対処法: 外工事の比率に応じて工期全体の10〜15%を天候予備日として確保。バッファを別行で工程表に明示することで発注者の理解も得やすくなります
失敗2: 版管理をしていない
工程変更のたびに上書きすると、「当初計画との差分がわからない」「古い版を使ってしまった」「誰が最新版を持っているかわからない」という問題が頻発します。
- 対処法: ファイル名に「YYYYMMDD_工程表v01.xlsx」と改訂番号を付与し、改訂履歴シートに変更内容・変更日・変更者を記録する。Googleドライブ・OneDriveを活用すると自動バージョン管理が可能
失敗3: 月末・工期末に作業が集中している
「前半は余裕がある→後半に追い込む」という工程計画は、2024年4月以降は時間外労働規制違反のリスクがあります。突貫工事による施工不良・品質低下のリスクもあります。
- 対処法: 各月の時間外労働時間を試算し、特定月が月45時間を大幅に超えないよう前工程から作業を前倒す。前倒しが難しい場合は発注者と工期延長を協議する
失敗4: 下請業者の工程を記載していない
元請の工程表に下請業者の工種・工期が記載されていないと、複数下請が同一現場で作業する際の調整が口頭任せになり、工程の競合・安全事故のリスクが高まります。
- 対処法: 元請工程表に下請業者名と担当工種を明記。施工体制台帳と工期を照合し、整合性を確認する
失敗5: クリティカルパスを特定していない
「全ての工程が終わらないと完成しない」という認識はあっても、どの工程が工期全体を決定しているか(クリティカルパス)を明示していない工程表が多いです。
- 対処法: 各工程の「後続依存関係」を整理し、最も長い経路(クリティカルパス)を太線・赤色で強調表示する。クリティカルパス上の工程が遅延したら即座に全体工程の見直しを実施する
i-Construction時代の工程表デジタル化
国交省 i-Construction の進展により、工程表のデジタル化・3D化(4Dシミュレーション)が大手ゼネコン・公共工事で標準化しています。Excel工程表からの段階的移行ステップは以下の通りです。
| 段階 | 使用ツール例 | 主な機能 | コスト目安 |
|---|---|---|---|
| Step 1: クラウド共有 | Googleスプレッドシート・OneDrive | 同時編集・自動バージョン管理 | 無料〜月額1,000円 |
| Step 2: 専用工程管理SaaS | ANDPAD・ダンドリワーク・SPIDERPLUS | スマホ進捗入力・写真連携・現場間比較 | 月額5,000〜30,000円 |
| Step 3: BIM/CIM連携 | Revit・Civil 3D・ArchiCAD | 3Dモデルと工程の紐付け | 月額20,000〜100,000円 |
| Step 4: 4Dシミュレーション | Synchro・Navisworks | 時間軸付き3D施工計画 | 要見積 |
| Step 5: 電子納品(CALS/EC) | 各社CALS対応SaaS | 公共工事の電子提出標準フォーマット | 要見積 |
SaaSへの移行タイミング(判断基準)
Excel工程表は入力・印刷・メール共有が中心となり、現場の進捗変化をリアルタイムに反映することが難しいという課題があります。以下のいずれかに該当したらSaaS移行を検討してください。
- 同時並行で管理する現場が3件以上になった
- 工程変更のたびにExcelを再送する手間が月5時間以上になった
- 現場担当者からの進捗報告が遅れて実態把握が困難になった
- 公共工事でCALS/EC対応の電子提出を求められた
- BIM/CIMの導入を検討し始めた
関連サービス・SaaS比較
Excel工程表は印刷・メール送付での共有が中心となり、現場の進捗変化をリアルタイムに反映することが難しいという課題があります。工事件数が増えてきたら建設業向けSaaSへの移行を検討する価値があります。
| 比較項目 | Excel工程表 | 建設業向けSaaS |
|---|---|---|
| 進捗の更新 | 担当者がExcelを開いて手動更新→再共有 | スマホから進捗入力→リアルタイムに全員が確認 |
| 工程変更の共有 | 最新版Excelをメールで送り直す | 変更通知が自動でチームに届く |
| 複数現場の管理 | 現場ごとにファイルが分散 | 全現場の工程を1画面で確認 |
| 写真との紐づけ | 別フォルダで管理。検索困難 | 工程と施工写真を紐づけて保存 |
| 月額コスト | Excel無料(管理工数月10〜20時間) | ¥5,000〜¥30,000/月 |
複数現場の工程管理を1画面で把握する
ANDPAD・ダンドリワーク・蔵衛門などの建設業特化SaaSは、スマホからの進捗入力・工程変更の即時共有・施工写真との連携が可能。月額¥5,000〜・無料トライアルで複数現場への効果を確認できます。
工程管理SaaSを比較する →2024年問題(時間外労働規制)で困っている建設業者の方へ
工程設計・36協定の締結・時間外労働の管理方法などについて、建設業に詳しい社会保険労務士や弁護士への相談をおすすめします。法令違反のリスク診断から改善計画の策定まで、初回無料相談に対応している専門家が多数います。
労働法の専門家に無料相談する →関連テンプレート
- 工程表 見やすいテンプレート(NG/OK比較5パターン・大判印刷対応)
- 工事請負契約書テンプレート(建設業法第19条準拠・16必要記載事項完備)
- 工事見積書テンプレート(自動計算式入り・6工事種別同梱)
- 注文書テンプレート 建設業(注文書+注文請書セット)
- 作業月報テンプレート 建設業(出面連動・元請報告対応)
Excel関数がわからなくても使えますか?
A3大判印刷の方法を教えてください。
ExcelからPDF化するにはどうすればよいですか?
ガントチャートと工程表は同じものですか?
建設業の適正工期確保ガイドラインに準拠していますか?
元請への提出時に押印・署名は必要ですか?
工程表をBIM/CIMと連携できますか?
小規模工事でPERT図は必要ですか?
2024年4月からの時間外労働上限規制は工程表にどう影響しますか?
施工計画書と工程表は別物ですか?
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-05-29 確認時点)。