
- 重要事項説明書を1人で完成させる5フェーズ20ステップの全体像がわかる
- 業務停止処分に至った失敗事例3件と、その予防策がわかる
- SaaS活用で作成時間を75%短縮する具体的な方法がわかる
重要事項説明書作成の5フェーズ概要
重要事項説明書の作成は、大きく5つのフェーズに分けられます。各フェーズをスキップすると記載漏れ・虚偽記載のリスクが生じます。法的根拠は 宅建業法35条 と同法施行規則第16条です。
| フェーズ | 作業内容 | 目安日数 |
|---|---|---|
| 1. 物件調査 | 謄本・公図・測量図の取得と確認 | 1〜2日 |
| 2. 法令制限調査 | 都市計画・建築確認・ハザードマップの確認 | 0.5〜1日 |
| 3. 設備・インフラ確認 | 電気・ガス・水道・設備の状況確認 | 0.5日 |
| 4. 書類作成 | 雛形への記入・特約追記・チェックリスト照合 | 0.5〜1日 |
| 5. 説明・署名・交付 | 宅建士が説明・相手方の署名取得・書面交付 | 当日 |
全体で3〜5営業日を確保するのが理想です。契約日が決まったら、1週間前にはフェーズ1を開始してください。
フェーズ1:物件調査(謄本・公図・測量図)
物件調査は重要事項説明書作成の土台となります。書類の取得から確認まで、以下の手順で進めます。
| 取得書類 | 入手先 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(謄本) | 法務局・オンライン申請(登記ねっと) | 所有者・地積・抵当権・差押えの有無 |
| 公図 | 法務局・オンライン申請 | 境界・隣地との関係・道路の位置 |
| 地積測量図・建物図面 | 法務局(存在しない場合あり) | 面積の実測値と登記面積の差異 |
| 固定資産税評価証明書 | 市区町村役場 | 売買の場合は価格の参考として活用 |
- 謄本は 法務局 登記ねっと を使うと翌日〜2日で取得可能です(手数料500円・郵送なら600円)
- 抵当権が設定されている場合は、決済日に抹消される予定かを確認してください
- 公図の地番と謄本の地番が一致しているかを照合してください
登記情報・公図取得時の注意点(事故防止)
- 取得日と契約日の差を1週間以内に:差押え・抵当権が直前に設定される可能性があるため
- 「全部事項証明書」を取得:「現在事項証明書」では過去の権利移転履歴が見えない
- 建物が複数棟ある場合:各棟ごとに家屋番号で取得・全棟分必要
- 区分所有マンションは敷地権:専有部分謄本に敷地権が記載されているか確認
フェーズ2:法令上の制限調査(都市計画・建築確認)
法令上の制限の調査は、記載漏れが最も多いフェーズです。市区町村の都市計画課・建築指導課に問い合わせるか、各自治体のWebサービスを活用します。
| 調査項目 | 確認先 | 記載が必要な内容 |
|---|---|---|
| 都市計画区域・区域区分 | 市区町村都市計画課 | 市街化区域・調整区域の別 |
| 用途地域 | 市区町村・GIS地図 | 第1種低層住居専用地域等の種別 |
| 建蔽率・容積率 | 市区町村・建築確認申請書 | 数値と緩和条件の有無 |
| 接道状況 | 現地確認・公図 | 道路幅員・接道長さ・位置指定道路の有無 |
| ハザードマップ | 市区町村・ 国交省ハザードマップポータル | 洪水・高潮・津波・土砂災害の危険区域 |
| 建築確認済証・検査済証 | 建物所有者または特定行政庁 | 取得の有無と番号 |
フェーズ3:設備・インフラ確認
設備・インフラの確認不足は、引渡し後のトラブルにつながりやすいフェーズです。現地確認を徹底してください。
| 確認項目 | 確認方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 電気(供給の有無・容量) | 電力会社への問い合わせ | 単相3線式か単相2線式かを確認 |
| ガス(都市ガス・プロパン) | ガス会社への問い合わせ | プロパンの場合は供給業者の変更可否を確認 |
| 上水道 | 市区町村水道局 | 私設管の場合は維持管理負担を確認 |
| 下水道(公共・浄化槽) | 市区町村・現地確認 | 浄化槽の場合は維持管理費を確認 |
| 設備の故障・瑕疵 | 現地確認・売主からのヒアリング | 雨漏り・シロアリ・給湯器の故障歴等 |
フェーズ4:書類作成(記入・チェック)
フェーズ1〜3で収集した情報を雛形に落とし込みます。記入後は必ずチェックリストと照合してください。
- Step 1:雛形の基本情報欄(物件所在地・当事者・日付)を記入する
- Step 2:権利関係(謄本情報)を転記する
- Step 3:法令上の制限(フェーズ2の調査結果)を記入する
- Step 4:ライフライン・設備状況を記入する
- Step 5:取引条件(代金・敷金・礼金・契約期間)を記入する
- Step 6:特約事項を追記する
- Step 7:チェックリストで35項目を全て照合する
- Step 8:別の担当者(可能であれば宅建士)にダブルチェックを依頼する
フェーズ5:説明・署名・交付
説明当日の流れは以下のとおりです。宅建士が主導し、相手方の理解を確認しながら進めます。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 宅建士証の提示 | 宅建士証を相手方に提示し、確認してもらう |
| 2. 書面の交付 | 重要事項説明書を相手方に手渡す(IT重説の場合は事前送付済み) |
| 3. 内容の説明 | 全項目を口頭で説明する。質問があればその場で回答する |
| 4. 署名の取得 | 相手方から署名(または電子署名)を取得する |
| 5. 宅建士の記名 | 宅建士が書面に記名する |
| 6. 書面の保管 | 交付した書面の控えを5年間保管する |
事故予防チェックリスト(フェーズ別10項目)
- フェーズ1:登記簿の取得日が契約日から1週間以内
- フェーズ1:抵当権の抹消予定が売主から書面で確認済み
- フェーズ2:用途地域・建蔽率・容積率を市区町村窓口で再確認
- フェーズ2: ハザードマップ を当日確認・印刷して添付
- フェーズ3:上下水道・電気・ガスの供給状況を電話確認
- フェーズ3:物件の現地確認を担当者本人が実施
- フェーズ4:35項目チェックリストで全項目に印
- フェーズ4:別の宅建士または有資格者によるダブルチェック
- フェーズ5:宅建士証の有効期限を当日確認
- フェーズ5:説明後、相手方から「説明を受けた」旨の署名取得
業務停止になった失敗事例3件
以下は宅建業法違反として行政処分が下された代表的な失敗事例です。いずれも「作業の省略」が原因です。
| 事例 | 違反内容 | 処分内容 | 予防策 |
|---|---|---|---|
| 事例1:法令制限の記載漏れ | 調整区域内の物件で都市計画法の制限を未記載のまま売買契約を締結した | 業務停止3ヶ月 | フェーズ2の法令調査チェックリストを必ず使用する |
| 事例2:宅建士以外が重説を実施 | 宅建士資格のない担当者が重要事項説明を行った(宅建士は同席していたが説明はしていなかった) | 業務停止1ヶ月・宅建士証交付停止 | 説明の主導者が宅建士本人であることを記録に残す |
| 事例3:ハザードマップの説明漏れ | 2020年の宅建業法改正後もハザードマップに基づく水害リスクの説明を継続して省略していた | 指示処分・業務改善命令 | 改正法の要件をチェックリストに即座に反映する |
SaaSで重要事項説明書作成を効率化する
重要事項説明書作成SaaSを導入すると、5フェーズの多くを自動化できます。
| フェーズ | SaaSが自動化できること | 短縮効果(目安) |
|---|---|---|
| 物件調査 | 登記情報との連携で謄本情報を自動取込 | 50〜70%短縮 |
| 法令制限調査 | 住所入力で用途地域・建蔽率・容積率を自動取得 | 60〜80%短縮 |
| 書類作成 | 取得情報を雛形に自動反映・都道府県条例付記も自動追加 | 70〜85%短縮 |
| チェック | 35項目の記載確認アラート・未入力箇所のハイライト | 50%短縮 |
| IT重説 | ビデオ通話連携・宅建士証の電子提示・実施記録の自動保存 | 手続き時間を大幅削減 |
5フェーズの作業をSaaSで自動化する
重要事項説明書SaaSは物件情報を入力するだけで20ステップの大半を自動処理します。新人宅建士でも1時間以内に高品質な重説書類を完成させられます。
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宅建試験合格後の実務研修・OJTだけでは重要事項説明書の全体像を把握しにくい。オンライン実務講座で体系的に学ぶと独立・転職時のアドバンテージになります。
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重要事項説明書の作成に何日かかる?
記載ミスを防ぐチェック方法は?
新人宅建士がつまずきやすいポイントは?
IT重説と通常の重説の流れの違いは?
重要事項説明書作成を外注できる?
雛形ベースで作成すると独自性のある特約が漏れる?
独立直後の宅建士が業務停止を避けるためにすべきことは?
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-05-12 確認時点)。