
- 原価計算・原価管理のエクセル(10シート)と印刷用PDFを無料でダウンロードできる(会員登録不要)
- 予定原価・実際原価・差異・消化率・粗利率・原価率の計算式と、記入例(架空の工務店の7件の工事)での読み方
- 建設業で工事ごとに使うとき(実行予算・4つの費目・人工出しの扱い)と、飲食店でメニューの原価率を出すとき(歩留まり・仕込み量)
- 中小企業庁の調査で、中小企業がどの原価を・何で集計しているか
- 予実管理表・棚卸表・見積書・工事見積書・作業月報・出面表との違い
原価計算エクセルのダウンロード(無料・エクセルとPDF)
配っているファイルは4つです。数字を入れて自動で計算するならエクセル、現場や厨房で手書きするなら印刷用PDFを使います。
| ファイル | 中身 | 使う場面 |
|---|---|---|
| エクセル(空欄) | 使い方・設定・案件・原価明細・案件別集計・案件カード・月別集計・食材の単価・メニュー原価率・レシピの10シート | 自社の案件やメニューを入れて使う |
| エクセル(記入例) | 架空の「サンプル工務店株式会社」の7件の工事と、架空の「食堂サンプル」の7メニューを入れた版 | どこに何が出るかを先に見る |
| 印刷用PDF(空欄) | 案件カード(A4縦)・原価明細(A4横・30行)・レシピ(A4縦・42行)の3ページ | 現場で原価を書き留める・レシピの材料を書き出す |
| 記入例PDF | 案件別集計・案件カード(K-002)・月別集計・メニュー原価率の4ページ | 集計の仕上がりを確かめる |
Word 版は作っていません。案件ごとの合計と粗利率を、表計算の関数で出しているためです。 手書きの印刷用PDFは、紙では数式が動かないので、「自動」の列を外して「金額」「原価」と書く欄にしています。
原価計算表テンプレートのシート構成(10シート)
黄色のセルに入れ、灰色のセルは数式です。案件の原価と飲食店のメニュー原価は、使うシートが分かれています。片方だけ使うなら、もう片方は空のままで構いません。
| シート | 中身 | 入力するもの |
|---|---|---|
| 使い方 | 手順・計算のしかた・建設業と飲食店での使い方・印刷・使っている関数 | なし |
| 設定 | 会社名・年度の始まり・税抜か税込か・注意ライン・店名・目標原価率と、労務費の単価表(20人) | 最初に1回 |
| 案件 | 案件番号・案件名・取引先・状態(見積中/進行中/完了/中止)・完了日・受注金額・予定原価(4つの費目)。予定原価の計・予定粗利・予定粗利率は自動 | 案件ごとに1行(100件まで) |
| 原価明細 | 日付・案件番号・費目・内容・数量・単位・単価・金額。案件名と金額は自動で、入れ方に問題がある行は確認の列に理由が出る | 使った原価を1件1行(1,500行まで) |
| 案件別集計 | 案件ごとの予定原価・実際原価・差異・消化率・判定・見込み原価・粗利・粗利率と、費目ごとの差異。上に全案件・状態別の合計 | なし |
| 案件カード | 選んだ1件の費目ごとの予定と実際・粗利・明細40行を A4縦1枚に | 案件番号を1つ選ぶ |
| 月別集計 | 月ごとの原価(費目別)と、その月に完了した案件の受注金額・原価・粗利・粗利率。費目を積み上げた棒グラフ | なし |
| 食材の単価 | 仕入価格・仕入量・歩留まりから、1g・1ml・1個あたりの原価 | 食材ごとに1行(200まで) |
| メニュー原価率 | メニューごとの1皿の原価・原価率・1皿の粗利・目標との比較。月の出数を入れると売上と原価 | メニュー名・売価・何人前・月の出数(100まで) |
| レシピ | メニューごとの材料と使用量。単位と原価は自動 | 材料を1行ずつ(600行まで) |
エクセルで原価管理表を使う手順(設定→案件→原価明細→集計)
- 設定: 会社名と年度の始まり(3月決算なら「4月から」)を入れます。月別集計の12か月は、ここから並びます。受注金額と原価は、税抜か税込のどちらかにそろえます
- 労務費の単価: 作業者や職種ごとに、単位(時間か日)と単価を入れます。時間で管理する人は、月の人件費と月の労働時間を入れると、割り算した単価(円未満は四捨五入)が使われます
- 案件: 案件番号(K-001 のような英数字とハイフン)・案件名・受注金額と、予定原価を4つの費目に分けて入れます。見積の段階なら状態を「見積中」にして、受注金額の欄に見積額を入れます
- 原価明細: 請求書・レシート・日報を見ながら、1件1行で入れます。案件番号と費目は一覧から選びます。金額は「数量×単価」で出すか、金額の欄に直接入れます
- 労務費の行: 内容に作業者名(設定シートと同じ書き方)、数量に時間か日数を入れ、単価は空けます。設定シートの単価が使われます
- 完了したら: 案件シートの状態を「完了」にして、完了日を入れます。完了日の月に、その案件の粗利が月別集計に入ります
確認の列と「集計に入っていない金額」
原価明細で、案件シートに無い番号を入れた行や、費目を打ち間違えた行は、どの案件の原価にも入りません。 その行の確認の列に理由が出て、案件別集計の上に「集計に入っていない明細の金額」が出ます。 ここが0円なら、入れた明細はすべてどれかの案件に入っています。
- 単価がありません: 数量だけ入っていて単価がない行です。労務費の行なら、内容の作業者名が設定シートと一致していないか、設定シートの単価が空です(前後の空白は無視します)
- 数量×単価を使いました: 数量・単価と金額の欄を両方入れた行です。数量×単価のほうを使っています
- 日付がありません: 案件の原価には入りますが、月別集計には入りません
原価の計算式(予定原価・実際原価・差異・粗利率・原価率)
案件別集計と案件カードでは、次の式で計算しています。記入例の欄は、K-002(キッチン入れ替え)の値です。
| 項目 | 式 | 記入例 K-002 |
|---|---|---|
| 明細の金額 | 数量 × 単価(円未満は四捨五入)。数量か単価が無ければ金額の欄 | 大工 7日 × 22,000円 = 154,000円 |
| 実際原価 | その案件の明細の金額の合計(4つの費目ごとに足して合計) | 1,590,100円 |
| 差異 | 実際原価 − 予定原価(プラスは予定より多く使った) | 1,590,100 − 1,480,000 = +110,100円 |
| 消化率 | 実際原価 ÷ 予定原価 | 107.4%(超過) |
| 粗利 | 受注金額 − 原価 | 1,920,000 − 1,590,100 = 329,900円 |
| 粗利率 | 粗利 ÷ 受注金額 | 予定 22.9% → 実際 17.2% |
判定は4つです。実際原価が予定原価を超えたら「超過」。完了・中止にしていない案件で、消化率が設定シートの注意ライン(初期値90%)以上なら「注意」。それ以外は「予定内」。予定原価が0で原価が出ているときは「予定なし」です。
進行中の案件は、実際原価だけ見ると安く見えます。まだ使っていない原価があるからです。 そこで「見込み原価」の欄を置きました。完了・中止の案件は実際原価のまま、それ以外は費目ごとに予定と実際の大きいほうを足します。 残りは予定どおりかかる、と置いた数字です。見込みの粗利率は、この見込み原価から出しています。
原価率と粗利率
飲食店のメニューでよく使うのは原価率です。原価率=原価÷売価、粗利率=粗利÷売価で、足すと100%になります。 案件の表では粗利率、メニューの表では原価率を出しています。どちらも同じ割合を表と裏から見たものです。
記入例の読み方(架空の工務店・7件の工事)
記入例は、架空の「サンプル工務店株式会社」です。浴室・キッチン・外壁塗装などのリフォーム工事7件で、 4件が完了、2件が進行中、1件が見積中という、2026年9月末ごろの状態です。金額は税抜きです。
| 案件 | 状態 | 予定原価 | 実際原価 | 消化率 | 判定 | 粗利率(予定→見込み) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| K-001 浴室リフォーム | 完了 | 1,100,000 | 1,042,200 | 94.7% | 予定内 | 25.7% → 29.6% |
| K-002 キッチン入れ替え | 完了 | 1,480,000 | 1,590,100 | 107.4% | 超過 | 22.9% → 17.2% |
| K-003 外壁塗装 | 完了 | 2,120,000 | 2,017,200 | 95.2% | 予定内 | 25.9% → 29.5% |
| K-004 トイレ・洗面 | 完了 | 570,000 | 541,200 | 94.9% | 予定内 | 26.9% → 30.6% |
| K-005 店舗内装 | 進行中 | 3,200,000 | 1,960,000 | 61.3% | 予定内 | 23.8% → 23.8% |
| K-006 屋根の葺き替え | 進行中 | 1,200,000 | 1,132,500 | 94.4% | 注意 | 27.3% → 25.5% |
| K-007 和室を洋室に | 見積中 | 720,000 | 0 | 0.0% | (空欄) | 26.5% → 26.5% |
完了した4件を合わせると、受注金額7,040,000円・実際原価5,190,700円で、粗利率は26.3%(予定は25.1%)でした。 合計だけ見ると予定より良い結果です。それでも1件ずつ見ると、K-002 だけが予定を110,100円超えています。
K-002 の原価明細を見ると、理由は2つでした。 1つは材料費で、予定より81,000円多くなりました。キッチン本体の明細の単価は812,000円で、メモに「見積時 735,000円から値上がり」とあります。 もう1つは労務費で、予定より41,000円多くなりました。大工の明細のメモに「予定より1日延びた」とあります。 2026年6月15日(月)に始まり、7月10日(金)に完了した工事です。
進行中の K-006(屋根の葺き替え)は、消化率94.4%で「注意」が出ています。 板金の外注(予定80,000円)がまだ入っていないので、実際原価だけなら予定内です。 見込み原価で見ると1,228,500円で、予定の1,200,000円を超える見込みです。見込みの粗利率は25.5%で、予定の27.3%を下回ります。
建設業で工事ごとの原価管理に使うとき(実行予算と4つの費目)
建設業で使うときは、案件=工事、案件番号=工事番号、予定原価=実行予算として入れます。 4つの費目(材料費・労務費・外注費・経費)は、建設業の決算書類のうち完成工事原価報告書の科目と同じ分け方です。 科目の中身は、国土交通大臣が定める勘定科目の分類(昭和57年建設省告示第1660号)の摘要に書かれています ( 国土交通省 勘定科目の分類(告示) )。
| 費目 | 告示の摘要(要約) | このエクセルに入れるもの(例) |
|---|---|---|
| 材料費 | 工事のために直接購入した素材・半製品・製品など(仮設材料の損耗額を含む) | ユニットバス本体・塗料・養生シート・下地材 |
| 労務費 | 工事に従事した直接雇用の作業員の賃金・給料・手当 | 自社の大工・現場管理の時間や日数×単価 |
| 外注費 | 素材・製品などを作業とともに提供し、完成を約する契約に基づく支払額 | 電気工事・足場・解体の下請け |
| 経費 | 材料費・労務費・外注費以外の費用(動力用水光熱費・機械等経費・設計費・地代家賃など) | 現場近くの駐車場代・仮設トイレの借り賃・ごみの処分 |
迷いやすいのが、人工出し(材料を持たず、人だけを出してもらう外注)です。 告示では、工種・工程ごとの完成を約する契約で大部分が労務費のものは労務費に含めて書けるとされ、建設業の決算書類(完成工事原価報告書)では、その支払額を労務費の内訳(うち労務外注費)として別に書きます。 このエクセルの費目は4つだけで、労務外注費を分ける列はありません。どちらに入れるかは会社で決めて、毎回同じほうに入れます。 労務費に入れて、あとで労務外注費だけを数えたいときは、原価明細の「支払先・メモ」の列に労務外注と書いておくと、フィルターで拾えます。 記入例は、塗装の応援(2人×5日・200,000円)を外注費に入れています。
中小企業庁の事例集には、工事を年20件ほど受ける会社が、すべての工事に番号を付けて、原材料費・人件費・その他の経費の収支を毎日エクセルで管理している例が載っています ( 中小企業庁 採算可視化の取組事例集 p.19 )。 見積の際に、過去の工事の実績を使っているとも書かれています。 このエクセルの案件番号と案件カードは、その使い方に合わせた作りです。
- 出面表から労務費へ: 出面表で数えた人工(日数)を、原価明細の数量に写します。単位は「日」です
- 作業月報へ: 建設業の作業月報の社内版にある実行予算の消化額・消化率・原価差異の欄は、案件カードの数字をそのまま写せます
- 次の見積へ: 完了した工事の案件カード(費目ごとの実際)を、次の工事見積書を作るときの原価の目安にします
このファイルは、工事の原価を記録して見るための表です。決算書の完成工事原価報告書や、未完成の工事の原価(未成工事支出金)を作る機能はありません。
飲食店のメニュー原価計算(レシピ原価と原価率)
飲食店のメニューは、工事とは計算の形が違います。1皿の原価は、材料ごとの「使う量×1gあたりの原価」を足したものです。 そこで、食材の単価・メニュー原価率・レシピの3シートを別に用意しました。
- 食材の単価: 仕入れた単位の価格と量を入れます(鶏もも肉 2,000g で 1,780円 など)。皮・骨・芯などを捨てる食材は、使える割合を歩留まりに入れます。1単位あたりの原価=仕入価格÷(仕入量×歩留まり)です
- メニュー原価率: メニュー名・売価を入れます。カレーやポテトサラダのように何人前かまとめて仕込むメニューは、「何人前」に人数を入れます
- レシピ: メニューごとに材料と使用量を1行ずつ入れます。メニュー名と食材名は一覧から選びます
記入例の「食堂サンプル」(架空の店・売価も仕入価格も税込み・目標原価率33%)では、次のようになりました。
| メニュー | 売価 | 1皿の原価 | 原価率 | 1皿の粗利 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 唐揚げ定食 | 980円 | 300.6円 | 30.7% | 679.4円 | 目標内 |
| 生姜焼き定食 | 950円 | 349.4円 | 36.8% | 600.6円 | 目標超え |
| さばの味噌煮定食 | 1,050円 | 424.1円 | 40.4% | 625.9円 | 目標超え |
| 親子丼 | 880円 | 285.5円 | 32.4% | 594.5円 | 目標内 |
| カレーライス(10人前で仕込み) | 780円 | 199.3円 | 25.6% | 580.7円 | 目標内 |
| ポテトサラダ(小鉢・10人前で仕込み) | 200円 | 33.9円 | 17.0% | 166.1円 | 目標内 |
| ウーロン茶 | 300円 | 23.7円 | 7.9% | 276.3円 | 目標内 |
月の出数を入れると、出数を入れたメニュー全体の原価率が出ます。記入例は売上1,395,100円・原価441,775円で31.7%でした。 原価率の高いさばの味噌煮定食も、粗利の額(625.9円)は唐揚げ定食に次いで2番目です。 原価率だけで品書きから外さず、1皿の粗利と出数を合わせて見ます。
- 税込みか税抜きか: 売価と仕入価格は、どちらかにそろえます。片方だけ税込みにすると、原価率がずれます
- 仕入れ値が変わったら: 食材の単価シートの仕入価格を1か所直せば、その食材を使う全メニューの原価が変わります。価格を確かめた日の欄も直します
- 見直す間隔: 中小企業庁の事例集には、商品が40〜50種類ある焼き鳥店が、3か月ごとに商品ごとの食材の原価を把握して利益率を決め、価格を決めている例があります( 中小企業庁 採算可視化の取組事例集 p.21 )。同じ例には、エクセルの集計から紙の集計に切り替えたとも書かれています。手書きで使う店のために、印刷用PDFにレシピの記入用紙を入れました
中小企業は原価をどう把握しているか(中小企業庁の調査)
中小企業庁が2025年1月に行った調査(中小企業・小規模事業者2万社を無作為に選んで依頼状を郵送し、2,529社がWebで回答・回収率12.6%)に、原価の集計についての質問があります ( 中小企業庁 採算可視化に関する調査報告書 )。 採算の見える化に取り組んでいる会社の回答です。
| 質問 | 多かった回答 | 回答数 |
|---|---|---|
| 把握している原価(複数回答) | 実際にかかった実際原価 69.4%・見積原価 39.8%・見積原価と実際原価の組み合わせ 33.4% | 1,154 |
| 集計の方法 | 汎用ソフトでの集計 39.2%・紙ベース 22.6%・専門ソフト 21.1% | 1,145 |
| 集計の頻度 | 概ね月に1回 61.2%・概ね1年間に1回 16.6%・概ね四半期に1回 12.8% | 1,144 |
| 取り組んだ効果(複数回答) | 適切な価格設定 66.2%・原材料費の管理 65.8%・人件費の管理 57.8% | 1,122 |
見積原価と実際原価を組み合わせて見ている会社は、取り組んでいる会社の3社に1社です。 このエクセルの「予定原価」と「実際原価」は、その組み合わせを1つの表でやるための欄です。
同じ調査で、採算の見える化を妨げているもの(阻害要因)は「効果が不明」37.3%・「費用がかかる」31.9%・「方法が分からない」29.8%(回答数2,057)、 取り組むにあたっての要望は「集計するツールの提供」38.5%が最も多い結果でした(回答数1,976)。 中小企業庁の価格交渉ハンドブックも、製品やサービスあたりの原価計算は複雑で、多くの事業者が把握できておらず、それが価格交渉を難しくしている要因の1つだと書いています ( 中小企業庁 価格交渉ハンドブック p.13(川崎市サイト掲載の写し) )。 中小企業庁のチラシ「価格交渉の準備は、自社の原価計算から。」には、原材料費・労務費の推移をグラフにできるツールや、価格転嫁の交渉資料が作れる中小機構の検討ツール(儲かる経営キヅク君)が並んでいます ( 中小企業庁 チラシ(原価計算) )。 このエクセルは、それらとは別に、1件ずつの予定と実際を日々記録する側の道具です。
予実管理表・棚卸表・見積書・工事の書類との違い
当サイトには、原価に関係するテンプレートがほかにもあります。役割は次のとおりです。
| テンプレート | 見るもの | 原価計算エクセルとの違い |
|---|---|---|
| 予実管理表 | 部門×月の売上・売上原価・販管費の予算と実績 | 会社全体の損益を月で見る表。このエクセルは1件ずつの原価を見る。案件の粗利から払う事務所の家賃や営業の人件費(販管費)は、予実管理表で見る |
| 棚卸表 | 期末の在庫の数と金額(帳簿との差) | 在庫を数える表。このエクセルは在庫を持たず、使った材料をその案件の原価に入れる。共通の在庫から使った材料は、使った量×単価で明細に入れる |
| 見積書・工事見積書 | お客様に出す金額 | 売値を書く書類で、原価は書かない。見積額は案件シートの受注金額に、見積の裏で積んだ原価は予定原価に入れる |
| 建設業の作業月報 | 現場ごとの1か月の報告(社内版に原価の欄) | 月の報告書。消化率や原価差異の数字は、このエクセルの案件カードから写す |
| 出面表 | 誰がどの日に何人工働いたかと、日当を掛けた賃金 | 人ごとの出勤と賃金の記録。このエクセルは、その日数を工事の労務費として、材料費・外注費・経費と合わせて工事ごとに集める |
| 損益計算書 | 1期分の売上と利益 | 決算でまとめる表で、案件ごとの内訳はない |
「原価計算表」と検索すると、簿記の検定で出る工業簿記の原価計算(製造の総合原価計算など)の解説も多く出ます。 このエクセルは、検定の問題を解くための表ではなく、自社の案件やメニューの原価を記録して見るための表です。
エクセルの原価管理で回らなくなる境目と、動作の確認
- 量: 案件100件・明細1,500行まで。年に数百件の工事がある会社は、年度ごとにファイルを分けます
- 行と列: 集計は行の位置で読んでいるので、行や列は挿入しません
- 同時に入力: 1つのファイルを複数人で同時に書き換える作りではありません。現場ごとに入力する人がいるなら、入力する人を1人に決めるか、現場は印刷用PDFに手書きして、事務所でまとめて入れます
- 会計ソフトとのつながり: 仕訳から原価を自動で集める仕組みはありません。請求書やレシートから手で入れます
- 配賦: 事務所の家賃などを案件に割り振る計算はしません。ここで出る粗利は、販管費を払う前の数字です
同じ請求書を会計ソフトとこのエクセルの両方に入れる手間が毎月何時間にもなる、現場から直接入れたい、といった段階になったら、 表計算での原価管理をやめて、原価管理の仕組みに切り替える目安にしてください。
当サイトでは、配布前に次のことを確かめました(2026年10月3日)。
- 空欄・記入例と、入力を変えた版・乱数で全部の欄を埋めた版の計9通りを LibreOffice で再計算し、エラー表示(#N/A・#REF!・#VALUE!・#DIV/0! など)のセルが0件
- 1通りあたり全部の数式セル(16,498個)を、数式を使わない計算と突き合わせて不一致0件
- 入力を変えた版: 労務費の単価の変更、状態を完了・中止に変える、案件シートに無い番号、数量×単価と金額の両方、単価の無い労務費、日付なし・12か月の外の日付、費目の打ち間違い、年度の始まりを1月・10月に変える、注意ラインと目標原価率を空ける、同じ番号・同じ食材名、何人前と歩留まりを空ける、カードに出る40行を超える案件
- わざと式を壊した版(3通り)では、どれも突き合わせで不一致が出ること(検査が働いていること)
- 印刷用PDFが A4(空欄3ページ・記入例4ページ)で、表とグラフが崩れていないこと
使っている関数は SUMIFS・COUNTIFS・SUMIF・COUNTIF・INDEX・MATCH・IFERROR などです。 SUMIFS・COUNTIFS は、Microsoft のサポートページで Excel 2016 が適用対象に挙がっています ( Microsoft サポート SUMIFS 関数 ・ COUNTIFS 関数 )。 Excel と Google スプレッドシートの実機では開いていません。
よくある質問
エクセルで原価計算表(原価管理表)を作るには、どんな列が要りますか?
原価率から売価を決めるには、どう計算しますか?
予定原価(実行予算)を立てていない案件でも使えますか?
社員の労務費の単価は、いくらにすればいいですか?
Excel 2016 や Google スプレッドシートでも使えますか?
関連テンプレート
- 予実管理表テンプレート(案件の粗利を合わせた会社全体の損益を、部門別・月別に予算と比べるとき)
- 工事見積書テンプレート(予定原価の元になる見積を作るとき)
- 見積書テンプレート(工事以外の案件の見積を出すとき)
- 出面表テンプレート(労務費の日数を数えるとき)
- 建設業 作業月報テンプレート(工事の原価を月の報告にまとめるとき)
- 棚卸表テンプレート(材料や食材の在庫を数えるとき)
- 給与計算エクセル(労務費の単価の元になる人件費を出すとき)
- 損益計算書テンプレート(1期分の損益をまとめるとき)
- 会計書類テンプレート一覧
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-10-03 確認時点)。
- 中小企業庁 令和6年度中小企業実態調査事業(中小企業・小規模事業者の採算可視化に関する調査事業)調査報告書(2025年3月21日)
- 中小企業庁 中小企業・小規模事業者の採算可視化に関する取組事例集
- 中小企業庁 チラシ「価格交渉の準備は、自社の原価計算から。」
- 中小企業庁 中小企業・小規模事業者の価格交渉ハンドブック(最終改定 令和8年1月・川崎市サイト掲載の写し)
- 国土交通省 建設業法施行規則別記様式第十五号及び第十六号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類(昭和57年建設省告示第1660号)
- Microsoft サポート SUMIFS 関数(適用対象のExcelバージョン)
- Microsoft サポート COUNTIFS 関数
- Microsoft サポート SUMIF 関数