
- 介護事故報告書には「市町村へ報告する分」と「施設内に残す分」の2種類があることが分かる
- 施設内に残す記録(独自様式)をエクセル・PDFで無料ダウンロードできる
- 市町村への報告は自治体の指定様式・厚労省の標準様式(Vol.1332)のどちらを使うべきか分かる
- 保存期間2年(記録の完結日から起算)と、サービス類型ごとの条文の違い
介護事故報告書には2種類あります
介護保険サービスの事故対応には、法令上2つの別々の義務があります。 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(省令39号)第35条 は、この2つを別々の項で定めています。
| 種類 | 根拠条文 | 提出・保存先 |
|---|---|---|
| 市町村へ報告する書類 | 35条2項 | 市町村(保険者)へ提出。様式は自治体の指定、指定が無ければ厚労省の標準様式(Vol.1332) |
| 施設内に残す記録 | 35条3項 | 施設内で保存。本ページのテンプレートに対応 |
35条2項は「入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない」と定めています。35条3項は「前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない」と定めています。この2つは別の義務であり、様式が同一である必要はありません。
市町村へ報告する書類(公式様式を使ってください)
市町村への報告に使う様式は、当サイトでは独自に作成・配布していません。自治体(保険者)が独自の様式を案内している場合があるため、まずご自身の事業所を所管する市町村の様式を確認してください。指定が無い場合の参考として、厚生労働省の通知へのリンクを掲載します。
厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1332「介護保険施設等における事故の報告様式等について」(令和6年11月29日・別紙様式はPDFの5〜6ページ)(2026-10-06確認)。厚生労働省のページで公開されているのはPDFのみで、Excel版は掲載されていません(厚生労働省 関連通知・事務連絡)。令和3年3月の様式(Vol.943)は、この通知で廃止されています。
通知は、報告する事故について「下記の事故については、原則として全て報告すること」として、①死亡に至った事故、②医師(施設の勤務医、配置医を含む。)の診断を受け投薬、処置等何らかの治療が必要となった事故、を挙げ、「その他の事故の報告については、各自治体の取扱いによるものとすること」としています。報告方法は「原則、電子メール等の電磁的方法」です。第1報は「少なくとも別紙様式の1から6の項目までについて可能な限り記載し、事故発生後速やかに、遅くとも5日以内を目安に提出すること」とされています(通知に基づく運用目安であり、条文上の明文の日数ではありません)。当サイトの様式を市町村への提出書類として複製・使用しないでください。
施設内に残す記録(本ページのテンプレート)
省令39号35条3項が求める「事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録」に対応した当サイトの様式です。2026-10-06時点で令和6年11月の標準様式(Vol.1332の別紙)の中身を確認したところ、市町村への報告書1種類で、この記録に対応した専用の様式は含まれていませんでした。
- エクセル(一覧管理・複数の事故を記録・保存期限を行ごとに自動計算)
- PDF(単票・1件の事故ごとに記入する印刷用)
- 記入例PDF(架空の施設・架空の利用者・架空の事故)
市町村への報告状況・家族等への連絡・再発防止策(35条1項1号の指針との連動)・記録作成者と確認者の欄も収録しています。これらは条文が直接列挙する必須記載事項ではありませんが、実務上の説明責任・再発防止(35条1項2号の分析・改善策の周知)の観点から用意しています。
市町村への報告に書き写しやすいよう、通知の標準様式にある「7 事故の原因分析(本人要因、職員要因、環境要因の分析)」「8 再発防止策」に当たる欄を設け、事故の種別の選択肢(転倒・転落・誤嚥・窒息・異食・誤薬、与薬もれ等・医療処置関連(チューブ抜去等)・不明・その他)も標準様式に揃えました。標準様式のレイアウトを写したものではありません。市町村への報告を「未報告」とした場合は、報告対象外と判断した理由を単票PDFの欄に書き、エクセルでは併記します。
保存期間2年と、サービス類型ごとの違い
省令39号第37条2項 は、事故の状況及び採った処置についての記録(35条3項)を含む6種類の記録について「その完結の日から二年間保存しなければならない」と定めています。起算日は記録が完結した日で、1件ごとに独立した起算日です。これは国の省令の定めで、自治体の条例で別に定めている場合があります。
本ページの条文根拠は特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の基準(省令39号)です。 指定居宅サービス等の基準(省令37号) では、訪問介護は第37条が事故が発生した場合の連絡・必要な措置・状況と処置の記録を、第39条2項6号がその記録の2年保存を定めています。通所介護は第104条の3・第104条の4第2項6号に、連絡・記録・2年保存を定める同種の規定があります。ただし、事故発生の防止のための指針・委員会・担当者などの措置を定めた39号35条1項に当たる規定は、これらの条文には見当たりません。そのほかのサービスの条番号は、ご自身の事業所に当たる省令でご確認ください(運営規程や指定申請時の資料にも記載があります)。
施設内記録様式の由来
本様式は指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(省令39号)第35条3項の記載事項から作成したものです(特定の団体が頒布する様式を複製したものではありません)。
更新履歴
2026-10-06 訂正: 市町村への報告様式の案内が、令和3年3月の様式(令和6年11月29日の通知で廃止)を指していたため、現行の通知(Vol.1332)に改めました。配布ファイルも、原因分析の欄の追加・事故の種別の見直し・「未報告」の選択肢の言い回しの修正をして新しい版(ファイル名に v2)に差し替えています。
介護事故報告書は1種類ではないのですか?
市町村への報告に使う様式は、このページからダウンロードできますか?
施設内記録の保存期間は何年ですか?起算日はいつからですか?
特別養護老人ホーム以外(訪問介護・通所介護等)にも同じ義務がありますか?
軽微な事故(ヒヤリハット)でも市町村への報告・施設内記録は必要ですか?
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-10-06 確認時点)。
このテンプレートの改訂履歴
- 市町村への報告様式の案内を、令和3年3月の様式(令和6年11月29日の通知で廃止)から、現行の通知(介護保険最新情報Vol.1332)に改めました。配布ファイルも、事故の原因分析欄の追加・事故の種別の見直し・「未報告」の選択肢の言い回しの修正をして、新しい版(ファイル名に v2)に差し替えました。
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