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示談書テンプレート

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最終更新: 2026年5月6日 WordPDF 会員登録不要・無料
2026年5月11日 時点の情報
民法695条(e-Gov法令検索)
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示談書テンプレートのプレビュー
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示談書とは:定義と効力

示談書とは、当事者間の紛争・損害について、互いに合意した条件で解決することを確認する私文書です。 民法第695条 に定める「和解契約」にあたり、書面にすることで合意内容の証拠として機能します。

示談書は書式が自由な私文書ですが、清算条項・当事者の特定・示談金額・支払い方法を正確に記載しなければ、後から「そんな合意はしていない」「金額が違う」と争われるリスクがあります。特に交通事故では後遺障害の問題があるため、締結のタイミングと留保条項の有無が重要です。

示談書・念書・公正証書の比較表

書類の種類 法的根拠 作成者 強制執行力 主な用途 費用
示談書(和解契約書) 民法第695条 当事者(私文書) なし 交通事故・損害賠償の解決確認 無料
念書 民法(私的自治) 当事者(私文書) なし 一方当事者が義務・誓約を確認 無料
公正証書(和解) 公証人法 公証人(公文書) あり(認諾文言付き) 示談内容を強制執行可能な形で確保 1〜数万円(手数料)

示談書を使うシーン(4パターン)

示談書は幅広いトラブルに使用できます。状況に応じて記載内容を変えることが重要です。

パターン1:交通事故

交通事故示談書は最も使用頻度の高い示談書です。人身損害・物的損害・後遺障害それぞれについて過失割合・示談金額を確定します。保険会社が介入する場合は保険会社が示談書の原案を作成しますが、内容を十分に確認してから署名してください。

  • 治療が完了し、後遺障害の有無が確定してから締結することが原則
  • 保険会社が提示する示談書の金額が適正かどうか、弁護士基準と比較して確認する
  • 過失割合・物損・人身のそれぞれを明確に記載する

パターン2:損害賠償

交通事故以外の損害賠償(物損・ハラスメント・契約不履行等)における示談書です。損害の発生事実・因果関係・損害額を明確に記載します。

  • 損害の発生日時・場所・態様を客観的な事実として記載する
  • 損害額の内訳(修理費・治療費・休業損害等)を項目ごとに記載する
  • 加害者が損害賠償責任を認める旨の条項を入れる

パターン3:近隣トラブル(騒音・境界)

騒音・悪臭・境界侵害等の近隣トラブルを解決する示談書です。継続的なトラブルについては「将来にわたり再発しない」という再発防止条項を入れることが重要です。

  • 騒音の場合:問題行為の特定(時間帯・音量・種類)と改善内容を記載する
  • 境界問題の場合:測量図・登記事項証明書を根拠として境界線の合意内容を記載する
  • 違約金条項:再発した場合の違約金額を明記することで抑止力を高める

パターン4:暴行傷害

暴行・傷害事件における民事上の示談書です。刑事手続きとは別に、民事上の損害賠償を解決するために作成します。刑事事件の示談は弁護士を通じて行うことが強く推奨されます。

  • 民事示談と刑事処罰は別の手続き。示談の成立が刑事処分を軽減する可能性はあるが、保証はない
  • 示談金(治療費・慰謝料・休業損害等)の内訳を明記する
  • 接触禁止条項・再犯防止条項を入れることが多い
  • 刑事事件に発展している場合は必ず弁護士を通じて交渉する

示談書の必須7条項

示談書に法定の書式はありませんが、以下の7条項を記載することで法的証拠としての有効性が高まり、後から争われるリスクを下げることができます。

条項番号 条項名 記載内容の要点 省略した場合のリスク
第1条 当事者の特定 加害者・被害者それぞれの住所・氏名・生年月日・連絡先。法人の場合は会社名・代表者名・所在地 同姓同名の問題・当事者の特定に疑義が生じる
第2条 事案の特定 事故・トラブルの発生日時・場所・態様(経緯)を客観的な事実として記載 「そんな事故ではなかった」という争いが生じる
第3条 過失割合(事故の場合) 「甲〇割・乙〇割」と明記。過失割合が示談金額の計算根拠になる 過失割合に争いが生じ、示談金額が確定しない
第4条 示談金額・支払い方法 金額(数字+漢数字)・支払い期日・振込先口座・分割払いの場合は回数・各回金額 「金額が違う」「支払い期日が不明」という紛争になる
第5条 清算条項 「本件に関し、本示談書に定める他、何らの債権債務関係がないことを確認する」という文言 後から追加請求される可能性が残る
第6条 守秘条項 「本示談の内容を第三者に開示しない」。特に暴行事件・ハラスメントで重要 示談内容がSNS・マスコミに公開されるリスク
第7条 違約金条項 支払い遅延・守秘義務違反等の違反があった場合の違約金額を明記する 違反しても実質的な制裁がなく実効性が低下する

交通事故示談書(最重要)

交通事故示談書は示談書の中で最も使用頻度が高く、かつ内容が複雑です。示談金額・過失割合・後遺障害の取扱いを正確に定めなければ、締結後に多額の損害を被る可能性があります。

過失割合の決め方

交通事故の過失割合は、事故の態様・当事者の行為・道路状況等を総合的に判断して決定します。実務では「判例タイムズ」(東京地方裁判所交通部・訴訟資料)が過失割合の標準的な参考基準として広く使われています。第三者機関の 交通事故紛争処理センター では中立的な紛争解決手続も無料で利用できます。

事故の態様 基本過失割合(加害者:被害者) 主な修正要素
信号無視の追突(後方車が無視) 100:0 前方車の急ブレーキ等
追突事故(通常) 100:0 前方車の急停車・ハザードなし等で修正
右直事故(直進車と右折車) 80:20〜85:15 速度超過・夜間・対向車線逆走等で修正
出会い頭(信号なし交差点) 50:50〜70:30 一時停止違反・優先道路の有無等で修正
駐車場内の事故 60:40〜70:30 通路車・出庫車の別で変動

保険会社が提示する過失割合に納得できない場合は、弁護士を通じた交渉または交通事故紛争処理センターへの申立てが有効です。

人身損害の項目

交通事故示談書では人身損害を以下の項目に分けて記載します。

  • 治療費:入院・通院の実費。健康保険を使うか自由診療かによって金額が変わる
  • 通院交通費:病院への交通費実費(電車・バス、やむを得ない場合はタクシー)
  • 休業損害:事故による休業で失った収入。給与所得者は給与明細・源泉徴収票で算定。自営業は確定申告書で算定
  • 入通院慰謝料:入院日数・通院日数に応じて算定。弁護士基準(裁判基準)が最も高く、任意保険基準より2〜3倍の差が出ることがある
  • 後遺障害逸失利益:後遺障害が確定した場合に将来の労働能力低下分を補償するもの。等級・年齢・職業によって算定方法が異なる
  • 後遺障害慰謝料:後遺障害等級(1〜14級)に応じた慰謝料。弁護士基準では14級で約110万円、1級で約2,800万円

物的損害の項目

  • 車両修理費:修理に要する実費。修理費が時価を上回る場合は「経済的全損」として時価額が上限となる
  • 代車費用:修理期間中の代車費用。代車の必要性・相当額の範囲内に限られる
  • 買替差額:全損の場合、事故前の車両時価額と下取り額(スクラップ代)の差額
  • その他の物損:車内の荷物・眼鏡・衣類等の損害(証明できる範囲で請求可能)

後遺障害発覚リスクの取扱い

交通事故示談において最大のリスクは、示談締結後に後遺障害が発覚することです。清算条項のある示談書を締結した後は、原則として追加請求ができなくなります。

  • 治療を継続中(症状固定前)に示談書を締結しないことが原則
  • やむを得ず症状固定前に締結する場合は「後日後遺障害が確定した場合には別途協議する」という留保条項を入れる
  • 医師から症状固定の診断を受け、後遺障害等級認定(自賠責保険)の結果が出てから締結することが最善
  • 後遺障害等級認定に不服がある場合は異議申立て(被害者請求)が可能

自動車保険の活用

交通事故示談では自動車保険の各特約を積極的に活用することが重要です。

保険の種類 内容 示談との関係
自賠責保険 強制加入。人身損害の最低補償(傷害120万円・後遺障害4,000万円・死亡3,000万円) 被害者が直接請求可能(被害者請求)。過失相殺の対象外
任意保険(対人・対物) 加害者側の保険。自賠責を超える損害を補償 保険会社が示談交渉代行を行うことが多い
人身傷害特約 自分側の保険から過失に関わらず補償を受けられる 示談成立前でも先払いを受けられる。示談長期化時に活用
弁護士費用特約 弁護士費用(着手金・報酬)を保険会社が負担する 弁護士介入で示談金増額の可能性。費用負担ゼロで弁護士依頼可能

示談金額の相場(参考)

示談金額は事故の態様・損害の内容・過失割合によって大きく異なります。以下は交通事故における一般的な参考目安です。

損害の区分 示談金の目安 主な内訳
物損のみ(軽微な接触等) 5万〜50万円 車両修理費・代車費用
軽傷の人身(むち打ち・打撲) 50万〜200万円 治療費・休業損害・入通院慰謝料
重傷(骨折・長期入院) 300万〜1,000万円以上 治療費・休業損害・入通院慰謝料(長期)
後遺障害14級(局部に神経症状) 弁護士基準:約110万円(慰謝料のみ) 後遺障害慰謝料+逸失利益(別途算定)
後遺障害12級(機能障害等) 弁護士基準:約290万円(慰謝料のみ) 後遺障害慰謝料+逸失利益(別途算定)
後遺障害9級(高度の障害) 弁護士基準:約690万円(慰謝料のみ) 後遺障害慰謝料+逸失利益(別途算定)
後遺障害1級(要常時介護) 弁護士基準:約2,800万円(慰謝料のみ) 後遺障害慰謝料+逸失利益(別途算定)

上記は慰謝料の参考金額です。治療費・休業損害・逸失利益は別途算定します。保険会社の任意保険基準はこれらより大幅に低い場合があります。弁護士に依頼することで裁判基準での交渉が可能になります。

清算条項(最重要)

清算条項は示談書において最も重要な条項のひとつです。正確な文言と留保条項の有無によって、示談後の権利関係が大きく変わります。

標準的な清算条項の文言

一般的な清算条項の文言は以下のとおりです。

条項の種類 文言の例 効果
完全清算型 「甲と乙は、本件事故に関して、本示談書に定める他、一切の債権債務関係がないことを相互に確認する」 示談成立後は一切の追加請求が不可
後遺障害留保型 「甲と乙は上記内容で示談する。ただし、後日後遺障害が生じた場合には別途協議する」 後遺障害が確定した場合に追加請求の余地が残る
特定損害除外型 「本示談は〇〇に関する損害に限り成立するものとし、〇〇に関する損害については別途協議する」 特定の損害項目についてのみ清算する

後遺障害発覚時の留保条項

交通事故示談では、治療完了前に示談を求めてくる保険会社への対応に注意が必要です。

  • 症状固定(医師の判断)前に示談書に署名しないことが原則
  • やむを得ない場合は「後遺障害発覚時の別途協議」条項を必ず入れる
  • 後遺障害等級認定申請は示談前に行うか、留保条項で保護してから進める

第三者請求の禁止(再請求防止)

示談成立後に被害者の遺族・相続人・保険会社等の第三者が加害者に追加請求することを防ぐための条項です。

  • 「甲・乙は、本件事故について第三者に対して損害賠償等の請求を行わせない」という条項を入れる
  • 相続人による追加請求リスクを防ぐため、特に死亡事故では重要
  • 代位請求(保険会社による求償)については別途規定する必要がある場合がある

示談交渉のポイント

示談交渉では当事者の立場(加害者側・被害者側)によって交渉戦略が異なります。

加害者側の交渉ポイント

  • 早期解決の利点:被害者が長期化を望まない場合、早期に誠意を示すことで示談金を抑えられる可能性がある
  • 保険会社への任せ方:任意保険に加入している場合は保険会社が示談交渉を代行する。弁護士費用特約も活用する
  • 過失割合の確認:保険会社が提示する過失割合が適正かどうか独立して確認する
  • 無資力の場合:支払い能力がない場合は分割払い・誓約書の組み合わせで対応する

被害者側の交渉ポイント

  • 弁護士基準の活用:保険会社の提示額が低い場合は弁護士に依頼して裁判基準(弁護士基準)で交渉する
  • 症状固定のタイミング:治療中に示談を急かされても応じない。症状固定後に交渉する
  • 後遺障害等級認定:後遺症がある場合は必ず等級認定申請を行ってから示談に臨む
  • 記録の保存:診断書・領収書・休業損害証明書等を全て保存する

弁護士介入のメリット(弁護士基準)

弁護士が介入することで示談交渉に以下のメリットが生じます。

  • 増額効果:弁護士基準(裁判基準)の適用により慰謝料が任意保険基準の2〜3倍以上になるケースがある
  • 後遺障害等級認定サポート:被害者請求(加害者の保険会社を通さない直接請求)で有利な等級認定を目指せる
  • 交渉の負担軽減:保険会社との交渉を弁護士に一任でき、被害者が直接対応する負担がなくなる
  • 訴訟移行:示談が不成立の場合も訴訟手続きにスムーズに移行できる

公正証書化のメリット

示談書の内容を公正証書にすることで、強制執行認諾文言付きの強力な債権保全手段に変えることができます。示談金の分割払いが長期にわたる場合や、相手の支払い能力に不安がある場合は公正証書化を検討してください。

強制執行認諾文言とは

公正証書に「債務者は、本公正証書に記載された金銭債務の履行を怠ったときは直ちに強制執行に服する旨陳述した」という文言(強制執行認諾文言)を入れることで、支払いが滞った際に裁判なしに直接強制執行が可能になります。

不履行時の差押え手続き

  • 支払いが滞った場合、公正証書正本(執行証書)に基づいて強制執行申立てを行う
  • 差押えの対象:預金口座・給与(毎月の可処分所得の4分の1まで)・不動産
  • 通常の示談書(私文書)の場合:支払い不履行があっても、訴訟で判決を取得してから強制執行が必要

公正証書作成の手数料(目安)

示談金額(目的価額) 公証人手数料の目安
100万円以下 5,000円
200万円以下 7,000円
500万円以下 11,000円
1,000万円以下 17,000円
3,000万円以下 23,000円

上記は公証人手数料令に基づく目安です。正書料・謄本料・用紙代が別途加算されます。詳細は最寄りの公証役場にお問い合わせください。

Word版とPDF版の使い分け

比較項目 Word版 PDF版
編集・カスタマイズ 金額・日付・当事者情報を自由に編集可能 編集不可。必要な場合はWord版で編集後にPDF変換する
改ざん防止 相手に送る際はPDF変換推奨(Wordは編集されるリスクあり) 改ざんが困難。署名・押印後のスキャンPDFとして保管に適する
印刷品質 環境によって書式が崩れる場合がある どの環境でも同一品質で印刷できる
証拠保存 編集履歴が残るため証拠性が低下する場合がある 署名・押印済みのPDFをクラウドに保存すると証拠性が高い
推奨用途 作成・編集段階。交渉中の修正が多い場合 最終版の保存・相手への送付・郵送添付

示談書締結前の最終チェックリスト

示談書に署名する前に、以下のチェックリストで漏れがないか確認してください。一度署名すると清算条項により追加請求が困難になるため、慎重な確認が不可欠です。

金額・条件の最終チェック

  • □ 示談金額が妥当か(弁護士基準・任意保険基準・自賠責基準で比較したか)
  • □ 過失割合が事故態様に応じた妥当な水準か(判例タイムズ参考)
  • □ 治療費・休業損害・慰謝料の内訳が明示されているか
  • □ 後遺障害が確定してから示談しているか(症状固定済み)
  • □ 後遺障害等級認定の結果が出てから示談しているか
  • □ 支払い期日・振込先・振込手数料負担者が明記されているか
  • □ 分割払いの場合、期限の利益喪失条項があるか

条項・法的妥当性のチェック

  • □ 当事者の特定(住所・氏名・生年月日)が正確か
  • □ 事案の特定(発生日時・場所・態様)が客観的事実として記載されているか
  • □ 清算条項(「本件に関し他に債権債務がない」)が入っているか
  • □ 後遺障害留保条項を入れているか(症状固定前の場合)
  • □ 守秘条項(必要に応じて)が入っているか
  • □ 違約金条項を検討したか(再発防止・支払い遅延対策)
  • □ 公正証書化を検討したか(高額・分割払い・支払い能力に不安がある場合)

類似書面との比較(合意書・覚書・和解契約書)

示談書と混同されがちな書面の違いを整理します。法的根拠・効力・主な用途が異なるため、目的に応じて使い分けてください。

書面の種類 法的根拠 主な用途 強制執行力 清算効果
示談書(和解契約書) 民法695条 紛争・損害の解決確認 なし(私文書) あり(清算条項記載時)
合意書 契約自由の原則 当事者の合意事項の記録 なし 条項による
覚書 契約自由の原則 既存契約の補足・変更合意 なし 原則なし
念書 契約自由の原則 一方的な誓約・確認 なし なし
公正証書(和解) 公証人法 強制執行可能な和解 あり(認諾文言付き) あり
調停調書 民事調停法 裁判所での調停成立 あり あり

示談成立後のトラブル対応フロー

示談書を締結した後でも、支払い遅延・違約・想定外の損害発覚等のトラブルが発生することがあります。段階的な対応で確実に権利を守ってください。

支払い遅延への対処

  • 第1段階:書面(メール・内容証明郵便)で催告
  • 第2段階(公正証書がある場合):公正証書を執行証書として直接強制執行( 民事執行法22条
  • 第2段階(私文書のみの場合):訴訟提起→判決取得→強制執行
  • 違約金条項がある場合、違約金も含めて請求可能

守秘義務違反への対処

  • SNS・マスコミへの暴露・第三者への漏洩があった場合、違約金請求
  • 違約金条項がない場合は債務不履行(民法415条)として損害賠償請求
  • 名誉毀損があれば刑事告訴(刑法230条)も検討

後遺障害発覚時の対応

  • 後遺障害留保条項がある場合は別途協議・追加請求が可能
  • 留保条項がない場合でも、示談時に予測不可能だった損害は錯誤無効(民法95条)の主張で追加請求できた判例あり
  • 後遺障害等級認定の異議申立て(自賠責保険)も検討
  • 3年(人身)/5年(物損)の消滅時効に注意( 民法724条

よくある質問(FAQ)

示談書なしで示談金を受け取っても問題ありませんか?
口頭や現金の受け渡しだけで示談を成立させると、後から「示談の成立を認めない」「金額が違う」という紛争が生じるリスクがあります。示談書(和解契約書)は民法第695条に基づく合意書面であり、当事者間の権利義務関係を明確に記録するものです。特に交通事故では人身損害・物損・後遺障害のそれぞれについて取り決めを記録しておかないと、後遺症が発覚した際に追加請求できなくなる可能性があります。必ず書面で示談内容を確認してください。
交通事故で後から後遺障害が発覚した場合、示談書の清算条項は有効ですか?
原則として、清算条項のある示談書を締結した後に後遺障害が発覚しても、追加請求は困難です。ただし、示談締結時に予測できなかった損害については、錯誤無効(民法95条)の主張が認められた判例もあります。リスクを防ぐには、示談書に「後日後遺障害が生じた場合には別途協議する」という留保条項を入れることが有効です。治療が完了し後遺障害の有無が確定してから示談書を締結することを強くお勧めします。
弁護士が介入すると示談金は増えますか?
弁護士基準(裁判基準)を適用すると、保険会社が提示する任意保険基準と比較して慰謝料が2〜3倍以上になるケースが多くあります。保険会社は任意保険基準(自社独自の低い基準)で示談金を計算して提示します。弁護士に依頼すると裁判所が認める弁護士基準で交渉ができ、特に入通院慰謝料・後遺障害慰謝料の差が大きくなります。弁護士費用特約(自動車保険)があれば実質無料で弁護士に依頼できる場合があります。
自動車保険の人身傷害特約と示談の関係を教えてください。
人身傷害特約は、示談の成否にかかわらず自分の保険から治療費・休業損害等を補償する特約です。加害者側との示談が長引いている期間も、自分の人身傷害特約から先払いを受けることができます。示談が成立した後、保険会社が加害者・相手保険会社に対して代位求償を行います。人身傷害特約を使っても保険等級への影響が小さい(または影響しない)場合が多いため、積極的に活用してください。ただし保険約款によって条件が異なるため、保険会社への確認が必要です。
示談に応じない相手への対応方法を教えてください。
相手が示談交渉に応じない・示談金の支払いを拒否する場合は、民事訴訟(損害賠償請求訴訟)または交通事故紛争処理センターへの申立てが主な選択肢です。交通事故の場合、損害賠償請求権の消滅時効は「損害および加害者を知ったときから3年」(人身損害)または「5年」(物損)です。時効が迫っている場合は内容証明郵便で催告(民法150条1項により6ヶ月猶予)の上、訴訟手続きへ移行することが重要です。弁護士への早期相談を強くお勧めします。
示談書を口頭の合意だけで済ませず書面化するメリットは何ですか?
示談書を書面化することで「合意の事実」「合意の内容」「合意日」を客観的に記録でき、後日の言い分の食い違いを防げます。口頭の合意は法的には有効ですが、立証が困難です。「そんな約束はしていない」「金額が違う」「振込先が違う」と争いになっても、書面がなければ立証は本人尋問・状況証拠に頼るしかなく、裁判では不利になります。書面化することで①民法695条(和解契約)の成立証拠、②公正証書化の根拠、③将来の損害賠償請求の予防、④保険会社への示談交渉資料、という4つのメリットがあります。少額でも必ず書面化してください。
保険会社の示談案にサインを急かされていますが大丈夫ですか?
保険会社が提示する示談案は任意保険基準(自社独自の低い基準)で計算されており、弁護士基準(裁判基準)の2〜3倍以上低いケースが多くあります。サインを急かす理由は、保険会社の処理を早く完了させ、支払額を抑えたいからです。サインしてしまうと清算条項により追加請求が困難になるため、必ず以下を確認してから署名してください:①治療が完了し症状固定の診断を受けたか、②後遺障害等級認定の結果が出ているか、③弁護士基準で計算した場合の金額と比較したか、④弁護士費用特約(自動車保険)が使えるか。弁護士相談は初回無料が一般的なので、サイン前の確認を強く推奨します。
刑事事件と民事示談は別々に進めるべきですか?
暴行・傷害・性犯罪等の刑事事件では、民事示談と刑事手続きは別の手続きですが、密接に関連します。民事示談(損害賠償・慰謝料)の成立は、刑事処分の軽減事由(情状酌量)として重視されます。被害届の取下げ・宥恕(ゆうじょ)条項を含む示談を成立させることで、不起訴処分・略式起訴(罰金刑)・執行猶予判決等の有利な処分につながる可能性があります。ただし、被害者保護の観点から、加害者側の弁護士を通じて示談交渉することが原則です。被害者が直接交渉するとパワハラ・脅迫等の二次加害になるリスクがあります。刑事事件に発展している場合は必ず弁護士に依頼してください。

関連テンプレート: 念書テンプレート(T041・示談前の確認書類)内容証明テンプレート(T063・示談交渉前の証拠保全)借用書テンプレート(T067・示談金分割払いの記録)

参考文献・出典

本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-05-12 確認時点)。