
- 入社日を入れると、初回付与日(基準日)・付与日数・年5日の期限と取得状況が出る自動計算エクセルを無料でダウンロードできる(会員登録不要)
- 通常の労働者とパート・アルバイト(比例付与)の付与日数が、条文どおりの表でわかる
- 年5日は「基準日から1年」で数え、時間単位の取得は数えない(厚生労働省Q&A 3-11)ことがわかる
- 年次有給休暇管理簿の記載事項(時季・日数・基準日)と、保存3年(本則5年・当分の間3年)の根拠がわかる
- シフト表・出勤簿・タイムカード・給与明細と連携した「勤怠管理ハブ」で一元管理できる
先に答え: 年次有給休暇は、入社6か月後に10日、以降1年ごとに11日・12日・14日・16日・18日・20日が付与されます(週5日以上または週30時間以上の場合)。パート・アルバイトは週の所定労働日数で日数が変わります。20日になるのは入社から6年6か月後です(労働基準法39条1項・2項、施行規則24条の3。2026-10-06確認)。付与が10日以上になる人には、基準日から1年以内に5日を取得させる義務があります(39条7項)。
1. 付与日数の早見表(週5日以上・週30時間以上の場合)
付与の要件は①雇入れの日から6か月間継続勤務したこと、②その間の全労働日の8割以上出勤したことの両方です(労基法39条1項)。要件を満たした日に10日が付与され、以降は継続勤務年数1年ごとに、次の表の日数が加算されます(39条2項。加算は1・2・4・6・8・10労働日)。
| 継続勤務年数 | 6か月 | 1年6か月 | 2年6か月 | 3年6か月 | 4年6か月 | 5年6か月 | 6年6か月以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
| 年5日の対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 |
1回の付与の上限は20日です(39条2項の表の最大)。出勤率が全労働日の8割に届かなかった期間があると、その次の1年間は付与されません(同項ただし書)。出勤率の計算では、業務上の負傷・疾病による療養の期間、育児休業・介護休業をした期間、産前産後の休業の期間を出勤したものとして数えます(39条10項)。有給休暇は発生の日から2年で時効により消滅するため(労基法115条)、繰越を含めた保有は最大40日です。
2. パート・アルバイトの付与日数(比例付与)
週の所定労働日数が4日以下で、週の所定労働時間が30時間未満の労働者は、所定労働日数に応じた日数の比例付与になります(労基法39条3項、施行規則24条の3)。週以外の期間で所定労働日数を定めている場合は、年間216日以下が対象です(同条5項)。週の所定労働時間が30時間以上なら、日数が少なくても通常の労働者と同じ日数です(同条1項)。
比例付与の日数早見表
| 週所定労働日数(年間日数) | 6か月 | 1年6か月 | 2年6か月 | 3年6か月 | 4年6か月 | 5年6か月 | 6年6か月以上 | 10日到達(年5日の対象) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4日(年169〜216日) | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 | 3年6か月〜 |
| 3日(年121〜168日) | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 5年6か月〜 |
| 2日(年73〜120日) | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 | 対象外(最大7日) |
| 1日(年48〜72日) | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 | 対象外(最大3日) |
出典: 厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」( 厚生労働省リーフレット 2026-10-06確認 )と、労働基準法施行規則24条の3第3項の表( e-Gov 労基法施行規則 2026-10-06確認 )。表の数値は両方と一致しています。
年間の所定労働日数が48日に満たない場合: 省令の表は、年間48日以上(週1日)の区分までしか定めていません。48日未満の扱いは条文・厚生労働省のQ&Aに明示がなく、このページでは断定しません。個別の扱いは労働基準監督署に確認してください。
3. 自分の基準日を出す(入社日から付与日を数える)
基準日は、入社日から6か月後(初回)と、その後の1年ごとの日です。4月1日に入社した人の初回の基準日は10月1日です。
| 例 | 初回(6か月) | 2回目(1年6か月) | 3回目(2年6か月) | 付与日数の推移 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年4月1日入社・週5日 | 2026/10/1 | 2027/10/1 | 2028/10/1 | 10・11・12・14・16・18・20日 |
| 2026年10月1日入社・週5日 | 2027/4/1 | 2028/4/1 | 2029/4/1 | 10・11・12・14・16・18・20日 |
| 2026年4月1日入社・週3日のパート | 2026/10/1(5日) | 2027/10/1(6日) | 2028/10/1(6日) | 5・6・6・8・9・10・11日(10日は5年6か月で2031/10/1) |
月末に入社した人の基準日
労働基準法には期間の数え方の定めがないので、民法の期間計算に従います(民法138条)。39条1項は「雇入れの日から起算して」とあるので入社日を1日目に数え、6か月の期間は応当日の前日に満了します。応当日が無い月は、その月の末日に満了します(民法143条2項)。初回の付与は、満了日の翌日です(39条2項の「六箇月経過日」)。
| 入社日 | 6か月後の応当日 | 初回の基準日 | 年5日の期限(初回) |
|---|---|---|---|
| 2025/4/1 | 10/1 | 2025/10/1 | 2026/9/30 |
| 2025/3/31 | 9/31(無い)→9月30日に満了 | 2025/10/1 | 2026/9/30 |
| 2025/5/31 | 11/31(無い)→11月30日に満了 | 2025/12/1 | 2026/11/30 |
| 2025/8/31 | 2/31(無い)→2月末日に満了 | 2026/3/1 | 2027/2/28 |
| 2025/12/31 | 6/31(無い)→6月30日に満了 | 2026/7/1 | 2027/6/30 |
厚生労働省のQ&Aに月末入社を直接扱った項目は見つかっていません。上の表は条文(労基法39条・民法143条2項)の読み方です。会社が実際に付与した日が基準日になるので、実際の付与日が違うときは、エクセルの「実際の付与日」にその日を入れてください。なお、「入社日に EDATE 関数で6か月を足す」計算は、31日入社で基準日が1日早くなります。このページのエクセルはその補正を入れています。
4. 自動計算エクセルの使い方(yukyu_fuyo_keisan.xlsx)
ダウンロードの先頭にあるエクセルです。入社日を入れると、同じ行に基準日・付与日数・年5日の期限と判定が出ます。会員登録は要りません。
| シート | 中身 |
|---|---|
| 使い方 | 入力するセル・色の意味・前倒し付与の注意(10項目) |
| 設定 | 判定日(既定は今日の日付)・付与日数表(条文の原文の数値)・「要時季指定」にする残り日数(既定90日) |
| 従業員 | 50人分。黄色のセルに 氏名・雇入日・週の所定労働日数(または年間の所定労働日数)・週の所定労働時間・前回までの繰越日数・出勤率8割以上かどうか・実際の付与日(前倒し時のみ)を入力。右側に 初回付与日(基準日)・付与回数・直近の基準日・次の基準日・付与日数・年5日の対象・年5日の期限・期間内の取得・残り必要日数・期限まで(日)・判定・前期の年5日 が出る |
| 取得日 | 有給を取った日を1行ずつ記録(500行)。種別は 全日・半日・時間単位・計画的付与。時間単位は日数を空にして時間数を入れる |
| 付与スケジュール | 1人を選ぶと、入社から先の8回分の基準日・付与日数・年5日の期限を表示。A4縦1枚で印刷 |
| 管理簿 | 1人を選ぶと、基準日・日数・時季(取得日の一覧)を表示。印刷・PDF保存して管理簿として保存 |
- 年5日は基準日から1年で数えます。暦年(1月〜12月)の合計ではありません。半日は0.5日、本人が取った日・計画的付与の日も数え、時間単位の取得は数えません。
- 「判定」列は、緑=達成、橙=期限まで90日以内でまだ5日に届いていない、無色=進行中、「対象外」=その基準日の法定の付与日数が10日未満。「前期の年5日」が赤の人は、前の期間に5日に届いていません。
- 前倒し付与(会社が基準日を早めている)の人は「実際の付与日」に日付を入れます。その行は年5日の期限と判定を表示しません(基準日が2つになる場合の按分は、このエクセルでは計算しません。下の説明を見てください)。
- 年間の所定労働日数が48日に満たない人は「区分外(表に定めなし)」と表示し、付与日数は出しません。
- 「従業員」「取得日」シートの式のセルはロックしてあります。変えたいときは[校閲]→[シート保護の解除](パスワードなし)。サンプルの行(例)は消して使ってください。
確認の方法: 基準日・期限の式は、入社日を2020年から2034年までの全日、付与8回・基準日の当日と前日で、民法の期間計算を別に書いた計算と突き合わせています(87,664通り・不一致0)。月末入社・2月29日を含みます。
5. 年5日取得義務(2019年4月施行)
2019年4月1日施行の労働基準法39条7項により、使用者が与えなければならない有給休暇が10日以上の労働者には、そのうち5日を、基準日(継続勤務した期間を6か月経過日から1年ごとに区分した各期間の初日)から1年以内に、労働者ごとに時季を定めて与えなければなりません( 厚生労働省パンフレット 2026-10-06確認 )。
義務の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象労働者 | 基準日に付与される法定の日数が10日以上の労働者(正社員・パートを問わない)。繰越分を足して10日以上でも、会社が法定を超えて10日以上付与しても、法定の日数が10日未満なら対象外(厚生労働省Q&A 3-2・3-27) |
| 取得期間 | 基準日から1年以内(暦年ではない) |
| 時季指定の手順 | 使用者が、時季について労働者の意見を聴き、その意見を尊重して時季を指定する(施行規則24条の6)。休暇に関する事項は就業規則に書く(労基法89条1号) |
| 違反時の罰則 | 30万円以下の罰金(労基法120条1号)。対象労働者1人につき1罪として扱われる(厚生労働省「わかりやすい解説」P7) |
| 根拠法令 | 労働基準法39条7項( e-Gov法令検索 労働基準法 39条 ) |
5日に数えるもの・数えないもの
| 取得の種類 | 5日に数えるか | 根拠 |
|---|---|---|
| 本人が請求して取った日・使用者が時季指定した日・計画的付与の日 | 数える(本人取得・計画付与は5日を限度に、その分の時季指定が不要) | 労基法39条8項 |
| 半日単位で取った日 | 0.5日として数える | 厚生労働省Q&A 3-11 |
| 前年度から繰り越した分を取った日 | 数える | 厚生労働省Q&A 3-4・労基法39条8項 |
| 時間単位で取った分 | 数えない(控除できない) | 厚生労働省Q&A 3-11 |
| 会社独自の特別休暇(慶弔休暇など) | 数えない | 厚生労働省Q&A 3-12 |
6. 基準日が複数になるとき(前倒し付与・斉一的な付与)
入社日と関係なく「全員4月1日に付与」のように、法定の基準日より前に付与している会社があります。このとき年5日の期間と、付与日数・出勤率の扱いは次のとおりです。
- 年5日の期間: 法定の基準日より前に10日以上を付与したときは、その日(第一基準日)から1年以内に、時季を定めて5日を与えます(施行規則24条の5第1項)。
- 期間が重なるとき: 基準日または第一基準日から1年以内の特定の日(第二基準日)に新たに10日以上を与えるときは、重なる期間(履行期間)の月数を12で除した数に5を乗じた日数を、その期間中に与えれば足ります(同条2項)。厚生労働省のパンフレットの例では、10月1日から翌々年3月31日(18か月)の期間について、5日÷12×18=7.5日以上です( 厚生労働省パンフレット )。
- 出勤率(8割)の算定: 前倒しで法定の基準日より早く付与する場合、短縮された期間は全期間出勤したものとみなします。次年度以降の付与日も、初年度を繰り上げた期間と同じかそれ以上、法定の基準日より繰り上げます(平成6年1月4日 基発第1号。厚生労働省Q&A 3-28に抜粋)。
このページのエクセルは、前倒し付与の按分(上の第二基準日の計算)を計算しません。「実際の付与日」に日付を入れた行は、年5日の期限・判定を表示しない作りです。
7. 年次有給休暇管理簿(記載事項・保存期間・罰則)
使用者は、時季・日数・基準日(第一基準日・第二基準日を含む)を労働者ごとに明らかにした書類を「年次有給休暇管理簿」として作成し、保存しなければなりません( 労働基準法施行規則24条の7 )。法定の付与がある全労働者が対象で、10日未満のパートも作成の対象です(厚生労働省Q&A 3-29)。
管理簿に必ず記載する3項目
| 記載項目 | 内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 基準日 | 各労働者に年次有給休暇が付与された日(雇入れから6か月後、以降1年ごと。前倒しのときは第一基準日・第二基準日も) | 2025年10月1日 |
| 日数 | 実際に取得した日数(半日で取った回数・時間単位で取った時間数を含む)。付与日数・残日数もあわせて記録しておくと管理しやすい | 付与20日・取得5日・残15日 |
| 時季 | 実際に有給休暇を取得した具体的な日付 | 2025/11/10(1日)・2026/1/5(半日) |
保存期間: 本則5年・当分の間3年
施行規則24条の7は、管理簿を当該有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後5年間保存するよう定めています。ただし同規則附則71条により、当分の間「五年間」は「三年間」と読み替えます。現在の実務上の保存期間は、期間の満了後3年間です( e-Gov 労基法施行規則 2026-10-06確認 。厚生労働省の特設サイトも「3年間保存」と案内)。管理簿は、労働者名簿・賃金台帳とあわせて調製してもかまいません(施行規則55条の2)。
| 書類 | 保存期間 | 起算日 | 経過措置の根拠 |
|---|---|---|---|
| 年次有給休暇管理簿 | 本則5年・当分の間3年 | 当該有給休暇を与えた期間の満了日 | 労基則附則71条 |
| 賃金台帳 | 本則5年・当分の間3年 | その完結の日(労基則56条) | 労基法附則143条1項 |
| 出勤簿・タイムカード | 本則5年・当分の間3年 | 最後の記入から | 労基法附則143条1項 |
| 雇用契約書・労働条件通知書 | 本則5年・当分の間3年 | 労働者の退職・解雇日から | 労基法附則143条1項 |
罰則について
厚生労働省の解説が挙げる罰則は、①年5日を与えなかった場合(30万円以下の罰金・労基法120条1号)、②就業規則に休暇を書いていない場合(同じく120条1号・89条)、③請求された時季に与えない場合など(6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金・119条)の3つです。管理簿の作成・保存は、この一覧に含まれていません。このページでは、管理簿について罰則の有無を断定しません。
※ 本ページは一般的な情報提供であり、法的アドバイスではありません。具体的な運用は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
8. 繰越・時効・保有日数の上限
有給休暇は、発生の日から2年で時効により消滅します(労基法115条。賃金の請求権以外の請求権は2年)。このため前年の分は繰り越せます。1回の付与の上限が20日なので、繰越を含めた保有は最大40日(前年20日+今年20日)です。繰越分を取った日数は、年5日の日数から控除できます(39条8項・厚生労働省Q&A 3-4)。
退職時の有給休暇と買取
法定の有給休暇は、お金を払っても「与えた」ことになりません。買上げを約束して、請求できる日数を減らしたり、請求された日を与えなかったりすることはできません。ただし、法律を上回って会社が上乗せしている日数は、この限りではありません( 鹿児島労働局 よくあるご質問 Q8 、 厚生労働省 スタートアップ労働条件 。労働基準法39条)。
退職するときは、退職日で有給休暇の権利がなくなるため、会社は時季変更権を使えず、残った有給休暇の取得を認めるほかないとされています( 厚生労働省 確かめよう労働条件 )。引き継ぎのために退職日を遅らせるよう打診されても、応じるかどうかは労働者が決めます(同)。時効で消える分や退職時に残った分を会社が買い取ってよいかは、法律に定めがなく、このページでは断定しません。就業規則の定めを確認してください。
9. 全従業員一覧版(自動計算)と個人別管理版の使い分け
全従業員の状況は新しい自動計算エクセル、1人の取得履歴は個人別管理版、というように使い分けられます。
| 項目 | 自動計算エクセル(従業員シート) | 個人別管理版 |
|---|---|---|
| 主な用途 | 会社・部門単位で、付与日・付与日数・年5日の期限を俯瞰 | 従業員1人の取得履歴の詳細な記録 |
| 向いている規模 | 50人まで | 全規模(各人の管理に特化) |
| 付与日・付与日数 | 入社日と所定労働日数から自動計算 | 基準日と付与日数を入力 |
| 年5日の判定 | 基準日から1年で数え、橙・赤で表示 | 基準日から1年の取得日数を集計し、達成・未達を表示(時間単位は数えない) |
| 記録の詳細度 | 取得日シートに1行ずつ(種別・時間数) | 日付・種別・申請日・承認者まで50行 |
| 管理簿としての使用 | 時季・日数・基準日(施行規則24条の7)を満たすように使えます。自動計算エクセルは『管理簿』シートから1人分ずつ印刷できます | |
人数が増えたときは、KING OF TIME・ジョブカン・freee勤怠管理などのクラウド勤怠システムへの移行も選べます(下の「電子化」を参照)。
10. 半日有給・時間単位有給の制度設計と管理方法
年次有給休暇は1日単位が原則です。半日単位は法律で定められた制度ではなく、「労働者が希望し、使用者が同意すれば、日単位での取得を阻害しない範囲で与えることは差し支えない」とされています( 厚生労働省 スタートアップ労働条件 2026-10-06確認 )。厚生労働省の学習ページも、半日単位は就業規則等の定めがあればこれを認めている、と案内しています( 確かめよう労働条件 )。時間単位は、労使協定が必須です(39条4項)。
半日有給(半日単位取得)の要点
- 根拠: 就業規則等に定めを置く(半日単位は労使協定が必須ではない。上の厚生労働省の文言のとおり、労働者の希望と使用者の同意が前提)
- 単位: 0.5日(午前半休・午後半休)
- 年5日の数え方: 0.5日として控除(厚生労働省Q&A 3-11)
- 管理上の注意: 0.5日単位で管理し、時間単位と混在させない
時間単位有給(時間単位年休)の要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法令 | 労働基準法39条4項(労使協定で定める事項のうち、1日の時間数などは同項に基づく労基法施行規則24条の4) |
| 導入要件 | 労使協定の締結が必須(就業規則だけでは不可) |
| 年間上限 | 5日以内(時間では「1日の所定労働時間(1時間未満の端数は1時間に切り上げ)×5日」。例: 7時間30分なら8時間×5日=40時間)。前年度からの繰越分がある場合は、繰越分を含めて5日以内(厚生労働省スタートアップ労働条件) |
| 年5日の数え方 | 数えません。時間単位で取得した分は、使用者が時季指定すべき年5日から控除できません(厚生労働省Q&A 3-11) |
| 管理簿の「日数」 | 時間単位で取得した時間数を含めて記録する(厚生労働省Q&A 3-13) |
管理上の注意点
- 半日と時間単位は、時間に換算して相互に計算せず別々に管理する
- 管理表では「日数」と「時間数」の2つの欄で記録する(自動計算エクセルの『取得日』シートは、日数と時間数を別の欄にしています)
- 「時間単位有給対応版エクセル」は、1日の所定労働時間を入れると上限(1時間未満を切り上げた所定労働時間×5日)と年間使用時間の超過を判定します。日換算は参考で、年5日には数えません
11. 育児・介護休業との関係・特別休暇との管理分離
有給休暇の管理で混乱しやすいのが、育児・介護休業や会社独自の特別休暇との区別です。
育児・介護休業・産前産後・療養の期間の扱い
- 業務上の負傷・疾病による療養の期間、育児休業・介護休業をした期間、産前産後の休業の期間は、8割出勤の算定で出勤したものとみなされます(労基法39条10項)。付与日数が減る原因にはなりません。
- 私傷病による休職など、10項に書かれていない休みの扱いは、会社の規定・個別の事情で変わるため、このページでは書きません。
特別休暇(慶弔休暇・夏季休暇・病気休暇等)との管理分離
| 休暇の種類 | 法的根拠 | 有給・無給 | 管理上の注意 |
|---|---|---|---|
| 年次有給休暇 | 労働基準法39条 | 有給(賃金は39条9項) | 管理簿の作成・保存の対象 |
| 特別休暇(慶弔・夏季等) | 就業規則(法定外) | 会社規定による | 年次有給休暇とは別に記録する。年5日には数えない(厚生労働省Q&A 3-12) |
| 病気休暇 | 就業規則(法定外) | 会社規定による | 年次有給休暇との選択制にする場合は、運用を就業規則に定める |
| 育児・介護休業 | 育児・介護休業法 | 会社規定による | 年次有給休暇とは別に管理する |
12. 電子化(クラウド勤怠管理)への移行の目安
従業員が増え、有給の管理が複雑になったときは、エクセルからクラウド勤怠管理システムへ移す選択肢があります。
移行を検討するタイミング
- 従業員が50人を超えた(自動計算エクセルは50人までの作りです)
- シフトが変則的で、年5日の確認を見落とすミスが出た
- 半日有給・時間単位有給を導入して、手作業の管理が複雑になった
- テレワーク・フレックスタイム制の導入で、打刻の管理が複雑になった
主要クラウド勤怠管理システム
| ツール | 有給管理機能 | 特徴 |
|---|---|---|
| KING OF TIME | 自動付与・残日数管理・時季指定機能 | 打刻方法が豊富(IC・顔認証・GPS等) |
| ジョブカン勤怠管理 | 有給取得アラート・計画付与設定 | 給与・労務管理との連携 |
| freee勤怠管理 | 有給管理・36協定アラート | freee会計・freee人事との連携 |
※ 機能は各社の公式情報(2026-05-28確認)をもとにしています。料金・最新の機能は各社の公式サイトで確認してください。
13. 勤怠管理ハブ:有給管理と連携する書類・ツール一覧
有給休暇管理表は単独では機能しません。以下の書類・ツールとあわせて使うと、勤怠管理を一か所にまとめられます。
| 書類・ツール | 役割 | 有給管理との連携ポイント |
|---|---|---|
| 有給休暇管理表(本ページ) | 付与・取得・残日数の記録 | 付与日数・基準日・年5日の進み具合を管理 |
| シフト表 | 勤務計画の事前作成・周知 | 有給取得予定日をシフト表に反映し人員配置を計画 |
| 出勤簿 | 出勤・欠勤の実績記録 | 有給取得日の出勤区分「年休」を記録・突き合わせ |
| タイムカード | 出退勤時刻の打刻記録 | 有給取得日の打刻は「有休」等の区分で管理 |
| 給与明細 | 月次給与の支給・控除明示 | 有給取得日の賃金(平均賃金または通常の賃金・39条9項)の確認 |
| 雇用契約書 | 労働条件の合意書面 | 休暇に関する事項の基準書類 |
| 残業代計算ツール | 時間外・深夜・休日割増の計算 | 有給と残業の状況をあわせて確認 |
よくある質問
有給休暇が20日になるのは何年目ですか?
有給休暇は最大何日まで持てますか?上限は40日ですか?
4月に入社したら、有給休暇はいつからもらえますか?
入社日が月末(31日など)だと、付与日はいつになりますか?
パート・アルバイトにも年5日取得義務はありますか?
6日しか付与されていません(5日しかありません)。違法ですか?
週4日勤務のパートは何日もらえますか?
アルバイトの有給休暇はいつから発生しますか?
欠勤が多いと有給休暇は付与されませんか?
パート・アルバイトにも年5日の時季指定は必要ですか? 手順はどうすればよいですか?
5日取らなかったらどうなりますか? 本人が取りたがらないときは?
1年目に何日残しておけばよいですか?
時季変更権はどんな場合に使えますか?
有給休暇の買取や、退職時に残った有給休暇はどうなりますか?
前年度の有給休暇は繰り越せますか?
育休復帰後の有給休暇付与日数はどうなりますか?
有給休暇の日は、いくらの賃金が支払われますか? 6割ですか?
年次有給休暇管理簿は何を書けばよいですか? 何年保存しますか?
半日有給を取った場合、年5日のカウントはどうなりますか?
2時間だけ有給休暇を使えますか?
年間の所定労働日数が48日に満たない場合は、有給休暇はどうなりますか?
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-10-06 確認時点)。
- 厚生労働省 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています(付与日数表・時効2年)
- 厚生労働省 年次有給休暇の時季指定義務(パンフレット)
- 厚生労働省 改正労働基準法に関するQ&A(平成31年4月)
- 厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説(岩手労働局掲載版)
- 厚生労働省 スタートアップ労働条件 年次有給休暇
- 鹿児島労働局 よくあるご質問 年次有給休暇 Q8(買上げの予約)
- 厚生労働省 確かめよう労働条件 年次有給休暇(退職時の扱い)
- e-Gov 労働基準法(39条・89条・115条・119条・120条)
- e-Gov 労働基準法施行規則(24条の3・24条の5〜7・55条の2・附則71条)
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