
- 出勤簿テンプレートをWord・Excel(自動集計)・PDF形式で無料ダウンロードできる(会員登録不要)
- Excelテンプレートには出勤日数・所定内勤務時間・残業時間・深夜時間の自動集計式が組み込み済み(月次/日次2シート)
- 2019年施行の労働安全衛生法客観記録義務・保存期間5年(経過措置3年)・2024年改正の流れがわかる
- タイムカード・シフト表・給与明細との違いと連携ポイントがわかる
- 職場管理ハブ(シフト表・給与明細・労働条件通知書・雇用契約書)との相互リンクで一元管理できる
1. 出勤簿とは(タイムカード・シフト表との違い)
出勤簿は、従業員の出退勤実績を記録する帳簿です。法定三帳簿(出勤簿・賃金台帳・労働者名簿)のひとつとして、使用者の作成・保存が義務づけられています(労働基準法第109条・ e-Gov 労働基準法 )。
※ 本記事は一般情報の提供を目的としており、法的アドバイスではありません。具体的な運用は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
| 書類 | 目的 | タイミング | 法的根拠 |
|---|---|---|---|
| 出勤簿 | 出退勤の実績記録 | 日次・月次 | 労基法第109条・労安法第66条の8の3 |
| タイムカード | 出退勤時刻の打刻記録(客観記録の手段) | 出退勤のたびに | 客観記録義務の実現手段(厚労省ガイドライン) |
| シフト表 | 勤務計画の事前作成・周知 | 当該期間の1〜4週間前 | 直接の法的義務なし(36協定管理に必要) |
| 勤怠管理表 | 月次の労働時間・休暇の集計 | 月次締め | 36協定管理・給与計算の根拠書類 |
タイムカードとの具体的な違い
- 出勤簿: 帳簿・書類の総称。タイムカードの打刻記録を転記して作成することが多い
- タイムカード: 出退勤時刻を機械的に打刻する記録媒体。客観記録義務の代表的な実現手段
- 厚生労働省「労働時間の適正な把握ガイドライン」(2017年)はタイムカード・ICカード等の客観的記録を原則としている( 厚生労働省ガイドライン )
- 紙の出勤簿は自己申告が可能なため「客観的記録」として不十分とみなされるリスクがある
2. 労働時間の客観的記録義務(2019年〜・2024年改正の流れ)
出勤簿を理解するうえで最も重要な法律の流れが、労働安全衛生法第66条の8の3の新設(2019年4月施行・働き方改革関連法)です。
この改正により、使用者は「労働時間の状況を客観的な方法その他の適切な方法により把握」する義務を負います( 労働安全衛生法 e-Gov )。
客観記録義務の変遷(一次情報整理)
| 年月 | 変更内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2017年1月 | 厚生労働省「労働時間の適正な把握ガイドライン」策定。タイムカード・ICカード等を原則とすることを明確化 | 厚生労働省通達 |
| 2019年4月 | 労働安全衛生法第66条の8の3施行。全労働者(管理監督者含む)の労働時間の客観的把握が法的義務に。違反に対する是正指導・罰則が適用可能に | 労安法第66条の8の3 |
| 2020年4月 | 労働基準法改正。出勤簿等の保存期間が3年→5年に延長(経過措置: 当面3年で可)。民法改正後の賃金請求権消滅時効(5年)との整合 | 労基法第109条改正 |
| 2024年4月 | 医師・建設業・トラック運転手の時間外労働上限規制が完全施行。これら業種では出勤簿による労働時間の正確な記録の重要性が一層高まった | 労基法第36条特例廃止等 |
保存期間のポイント(2026-05-28確認)
- 法定保存期間: 5年間(労働基準法第109条、2020年4月改正)
- 経過措置: 当面の間は3年間でも可
- 実務推奨: 賃金請求権の消滅時効(5年)に対応するため、社労士は5年保存を推奨
- 起算点: 最後の記入日または当該労働者の退職後から長い方
- 電子保存: 電子帳簿保存法の要件(改ざん防止・検索機能)を満たせば電子データで可
残業代計算ツール
出勤簿の残業時間・深夜時間から残業代(時間外・深夜・休日割増)を自動計算できます。36協定の月45時間上限に対して何時間超過しているか即確認できます。
残業代を計算する3. 出勤簿の記載項目(法的根拠付き)
出勤簿に記載すべき項目は、法定様式がないため実務的な必要性から整理します。
| 項目 | 内容 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 氏名 | 従業員氏名 | 賃金台帳・労働者名簿との突き合わせ |
| 出勤区分 | 出勤・公休・有給取得・欠勤・遅刻・早退 | 賃金計算(欠勤控除・有給消化管理) |
| 出勤時刻 | HH:MM形式(客観記録が望ましい) | 労安法の客観記録義務対応 |
| 退勤時刻 | HH:MM形式 | 実労働時間の計算根拠 |
| 実労働時間 | 退勤−出勤−休憩(時間数) | 36協定管理・残業代計算の基礎 |
| 時間外(残業)時間 | 法定時間外労働(1日8h・週40h超)の時間数 | 36協定の月45h上限管理・割増賃金計算 |
| 深夜時間 | 22時〜5時の労働時間数 | 深夜割増賃金(25%以上)の計算根拠 |
| 休日出勤 | 法定休日(週1日)・所定休日の別 | 休日割増賃金(法定35%以上・所定25%以上) |
ExcelテンプレートのCOUNTIF自動集計のしくみ
本サイトの出勤簿Excelテンプレートでは、以下の自動計算式が組み込まれています。
- 出勤日数:
=COUNTIF(B4:AF4,"出")— 日付セルに「出」と入力した日数を自動カウント - 欠勤日数:
=COUNTIF(B4:AF4,"欠勤")— 「欠勤」と入力した日数を自動カウント - 所定内勤務時間h:
=出勤日数 × 8— 1日8時間勤務の場合の自動算出(実態に合わせて修正可) - 残業時間・深夜時間: 数値を手入力後、月次合計行でSUM関数が自動集計
- 日別出勤人数:
=COUNTIF(D列4:D列18,"出")— 各日の全員分出勤者数を自動カウント
4. 出勤簿の書き方ガイド(5ステップ)
本サイトのテンプレートを使った出勤簿の作成は5ステップで進められます。
- 基本情報を設定する
事業場名・対象月を記入します。Excelテンプレートでは毎月シートをコピーして月次管理すると効率的です。従業員名は「月次出勤簿」シートの氏名欄に一度入力すれば繰り返し使えます。 - 出退勤時刻を記録する(客観記録義務の対応)
タイムカード・ICカード・勤怠システムの記録を出勤簿に転記します。労働安全衛生法の客観記録義務(2019年4月施行)に対応するため、自己申告だけでなく客観的な記録との突き合わせが必要です。 - 出勤区分を入力する
各日に「出(出勤)」「公休」「年休(有給取得)」「欠勤」「遅刻」「早退」等の区分を入力します。Excelテンプレートでは「出」と入力した日数がCOUNTIF関数で自動集計されます。年5日有給取得義務(労基法第39条第7項)の達成状況管理にも使えます。 - 残業時間・深夜時間を入力する
法定時間外労働(1日8時間・週40時間超)の時間数を残業時間欄に、22時〜5時の労働時間数を深夜時間欄に入力します。36協定の月45時間上限(特別条項なし)を超えないよう管理します。 - 月次集計を確認して給与計算に連携する
月末に出勤日数・実労働時間・残業時間・深夜時間の月次合計を確認し、給与明細の勤怠欄に転記します。給与明細テンプレートと連携すると転記ミスを防げます。
記入区分の標準化(Excel入力規則推奨)
| 入力値 | 意味 | 給与への影響 |
|---|---|---|
| 出 | 通常出勤 | 所定労働時間分の賃金発生 |
| 公休 | 公休日(法定・所定休日) | 賃金発生なし(休日出勤の場合は別途記録) |
| 年休 | 年次有給休暇取得 | 通常賃金(有給取得分)が発生 |
| 欠勤 | 無断欠勤または届出欠勤 | ノーワークノーペイ(欠勤控除対象) |
| 遅刻 | 所定始業時刻より遅く出勤 | 遅刻時間分を欠勤控除する場合あり |
| 早退 | 所定終業時刻前に退勤 | 早退時間分を欠勤控除する場合あり |
5. 業種別・雇用形態別の出勤簿管理のポイント
パート・アルバイトの出勤簿管理
パート・アルバイトは正社員と同様に出勤簿の作成・保存義務があります。以下の点に注意が必要です。
- 週20時間以上の勤務: 雇用保険の被保険者要件(週20時間以上・31日以上の雇用見込み)を満たす場合、雇用保険加入義務が発生
- 深夜割増(22時〜5時): パート・アルバイトにも適用。25%以上の割増賃金が必要(労基法第37条)
- 有給休暇の記録: 週3日以上・6か月以上継続勤務のパートにも比例付与の義務があり、出勤簿での有給取得実績管理が必要
- 所定労働時間と実績の乖離: 雇用契約書の所定労働時間を著しく下回るシフトは不利益変更になる可能性あり
管理監督者の出勤簿管理
管理監督者は労働基準法の労働時間・休憩・休日の規定が適用除外ですが、以下は適用されます。
- 深夜割増(22時〜5時): 管理監督者にも適用(労基法第41条ただし書き)
- 健康管理上の労働時間把握: 労安法第66条の8の3により全員の客観記録義務あり
- 過労死ラインの月80時間超え管理: 面接指導(労安法第66条の8)のトリガーとなる時間数の記録が必要
医師・建設業・運送業(2024年完全施行)
2024年4月から時間外労働上限規制が完全施行された業種では、出勤簿・タイムカードによる時間外労働の正確な記録が特に重要です。
- 医師(A水準): 年960時間以内。面接指導の実施・勤務間インターバルの確保が義務
- 建設業: 月100時間未満・年720時間以内(特別条項適用時)
- トラック運転手: 年960時間以内。拘束時間・連続運転時間の記録も必要
6. Excel出勤簿テンプレートの使い方(2シート構成)
本サイトのExcel出勤簿テンプレートには3つのシートが収録されています。
シート1: 月次出勤簿(従業員15名・31日対応)
月次の出勤状況を一覧管理するメインシートです。
- 入力方法: 各日付のセルに「出」「公休」「年休」「欠勤」等を入力
- 出勤日数: COUNTIF("出")で自動カウント
- 欠勤日数: COUNTIF("欠勤")で自動カウント
- 所定内勤務時間h: 出勤日数 × 8(基本値・実態に合わせて変更可)
- 残業・深夜・有休残: 手入力欄(月次合計を給与明細に転記)
- 日別出勤人数: 各列の「出」の数をCOUNTIF自動集計
シート2: 日次出退勤記録(個人別詳細管理)
1人分の1か月分の出退勤時刻・実労働時間を日ごとに記録するシートです。
- 出勤時刻・退勤時刻(09:00形式)を入力
- 実労働時間h・残業時間h・深夜時間hの月次合計がSUM自動集計
- 36協定管理・給与明細の勤怠欄への転記に使用
シート3: 使い方ガイド
法定保存期間・客観記録義務・36協定管理のポイントを記載したガイドシートです。
入力時の注意点
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 出勤区分の表記統一 | 「出」「公休」「年休」「欠勤」の表記を全従業員で統一(COUNTIFの精度に影響) |
| 残業時間の記録漏れ | 月45時間超えの前に早期警戒できるよう週次で集計確認 |
| 深夜時間の記録 | 22時〜5時の労働時間数を残業時間と別に記録(深夜割増の計算根拠) |
| 有給取得実績の確認 | 年5日取得義務(労基法第39条)の達成状況を月次で確認 |
| 保存方法 | 電子データはバックアップ + アクセス制限設定。改ざん防止が重要 |
7. 職場管理ハブ:出勤簿と連携すべき書類一覧
出勤簿は単独では機能しません。以下の書類と一体で運用することで職場管理を一元化できます。シフト表・給与明細・労働条件通知書・雇用契約書との相互連携が職場管理ハブの完成形です。
| 書類 | 役割 | 出勤簿との連携ポイント |
|---|---|---|
| 出勤簿(本ページ) | 出退勤の実績記録・法定三帳簿のひとつ | 職場管理の中核記録書類 |
| シフト表 | 勤務計画の事前作成・周知 | シフト計画値と出勤簿実績の突き合わせで残業発生パターンを把握 |
| 給与明細 | 月次賃金の支給・控除・差引支給額の明示 | 出勤簿の出勤日数・残業時間・深夜時間を給与明細勤怠欄に転記 |
| 労働条件通知書 | 所定労働時間・賃金の法的明示 | 所定労働時間の根拠書類。出勤簿の「実績」と「所定」の乖離管理に使用 |
| 雇用契約書 | 労働条件の合意書面 | 契約上の所定労働時間と出勤簿実績の整合確認。不利益変更防止に重要 |
よくある質問
出勤簿とは何ですか?法律上の義務はありますか?
法律上の根拠は2つあります。①労働基準法第108条・第109条: 使用者は賃金台帳とともに出勤簿を作成・保存する義務があります。②労働安全衛生法第66条の8の3(2019年4月施行): 使用者は客観的な方法で労働者の労働時間の状況を把握する義務があります。
出勤簿自体の様式は法定されていませんが、実質的に作成・保存が義務づけられています(労働基準法 e-Gov)。
出勤簿の保存期間は何年ですか?
ただし経過措置として当面は3年間で可とされています。賃金請求権の消滅時効(民法改正後5年)との整合から、実務上は5年保存を推奨する社会保険労務士が多数います。
起算点は「最後の記入から」または「当該労働者の退職・解雇後から」の長い方です(厚生労働省 改正労働基準法Q&A)。
タイムカードと出勤簿の違いは何ですか?
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(2017年1月)では、タイムカード・ICカード等の客観的な記録による把握を原則と定めています。
紙の出勤簿は自己申告が可能なため「客観的記録」として不十分とみなされる場合があります。労安法の客観記録義務への対応ではタイムカードや勤怠管理システムの導入が推奨されます。
2024年改正で出勤簿の取り扱いは変わりましたか?
保存期間については2020年4月改正(民法改正との整合)で5年間(経過措置3年)に延長済みです。
医師については労働安全衛生法上の特別な健康管理措置(面接指導等)のトリガーとなる労働時間の記録が義務化されています(厚生労働省 労働時間・休憩・休日関係 2026-05-28確認)。
出勤簿に記載が必要な項目は何ですか?
①氏名 ②出勤日(出勤・公休・欠勤・有給取得の区分)③出勤時刻・退勤時刻(客観記録義務対応)④実労働時間 ⑤時間外(残業)時間 ⑥深夜労働時間(22時〜5時)⑦休日出勤日数
本サイトのExcelテンプレートにはこれらの項目が全て含まれており、出勤日数・勤務時間・残業時間が自動集計されます。
出勤簿をExcelで作成しても問題ありませんか?
ただし2019年施行の客観記録義務の観点からは、手入力・自己申告のみでは「客観的な記録」として不十分とみなされるリスクがあります。厚生労働省ガイドラインは「タイムカード・ICカード等の客観的な記録を基本とする」としています。
Excelで運用する場合は、タイムカードやICカードの打刻記録と突き合わせた転記作業を行うことで客観性を確保できます。
出勤簿・賃金台帳・労働者名簿の違いは何ですか?
①労働者名簿(第107条): 氏名・生年月日・経歴・住所・従事業務等の基本情報。
②賃金台帳(第108条): 賃金計算期間・労働日数・労働時間数・各種手当・控除額の記録。
③出勤簿(第109条の「その他の重要な書類」): 出退勤の実績記録。
3書類はそれぞれ連携して給与計算・労働時間管理・労務リスク対応に使われます。
出勤簿は電子データで保存できますか?
電子保存の要件: ①見読可能な状態での保存 ②改ざん防止措置(アクセス制限・タイムスタンプ等)③検索機能の確保。
クラウド勤怠管理システムを使うと、タイムカードの打刻から出勤簿作成・電子保存・給与計算連携が自動化されます。
管理監督者も出勤簿に記録する必要がありますか?
管理監督者は労働基準法の労働時間規制(1日8時間・週40時間)の適用外ですが、健康管理上の観点から労働時間の客観的記録が必要です。
深夜割増賃金(22時〜5時)は管理監督者にも適用されるため、深夜時間の記録も必須です(労働基準法第41条 e-Gov)。
勤怠管理システムとExcel出勤簿はどちらが向いていますか?
Excel出勤簿が向く場合: 従業員5名以下・シフトが単純・全員が同一場所勤務・コストゼロ優先。本サイトのExcelテンプレートは出勤日数・勤務時間・残業時間が自動集計されます。
クラウド勤怠管理が向く場合: 従業員10名以上・シフト変動が多い・テレワーク/多拠点・36協定の月45時間超えアラートが必要・給与計算ソフト連携を自動化したい。KING OF TIME・ジョブカン勤怠管理等は月数百円/人から導入可能です。
50名以上では手動管理による記録ミス・法的リスクを考えるとシステム投資のROIが高くなります。
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-05-28 確認時点)。