法律系

委任状テンプレート 総会用(株主総会・マンション管理組合・自治会)

総会用委任状テンプレートを完全無料・会員登録不要でダウンロード。株主総会用のWord/PDFは、基本型・白紙(議長委任)・議案別賛否指定型・複数代理人型・法人株主用の5パターンを同梱、議決権行使指示欄付き。記入例PDFも完備。マンション管理組合・自治会・NPO法人の総会用の委任状(Word/PDF・白紙と記入例)と議決権行使書の白紙(Word/PDF)も配布しています。代理人資格、電子化(クラウドサイン)移行ガイド、必須6項目・白紙委任リスク・委任状勧誘規制はこのページで解説しています。FAQ 14問収録(法令は2026-10-11確認・マンションの総会の3問は2026-10-22確認)。

公開: 2026年5月6日 最終更新: 2026年10月23日 WordPDF 会員登録不要・無料
2026年10月11日 時点の法令・標準管理規約は10月22日確認
e-Gov 会社法(310条)
全て無料・会員登録不要・即ダウンロード
200種類のテンプレートを掲載中
2形式(Word/PDF)でダウンロードできます
自社サーバーから直接配信(中継広告ページ非経由)
会員登録・メールアドレス入力不要

ダウンロード後は念のため、お使いのセキュリティソフトでのご確認をおすすめします。

委任状テンプレート 総会用のプレビュー
株主総会委任状の5パターン(基本型/白紙/議案別賛否指定/複数代理人/法人株主)・議決権行使指示欄付き・記入例PDF付き
このページでわかること
  • 株主総会委任状の5パターン(基本型・白紙/議長委任・議案別賛否指定・複数代理人・法人株主用)をWord/PDFで無料DL(会員登録不要)。マンション管理組合・自治会・NPO法人の総会用の委任状(白紙と記入例)と議決権行使書(白紙)も配布しています
  • 総会ごとの代理人資格制限・議決権行使指示の書き方・必須記載6項目
  • 白紙委任のリスク・委任状勧誘規制・電子化対応(電磁的方法の条文は2026-10-11確認)
  • 委任状が無効になるケース・総会決議取消の訴えと対処法

マンション管理組合・自治会・NPOの総会で使う委任状(白紙と記入例)

配布ボタンの「管理組合・自治会・NPOの総会の委任状」(Word・PDF)は、株主総会用とは別の書式です。1枚目がマンション管理組合の総会用、2枚目が自治会・町内会・NPO法人など団体の総会用で、記入例は1枚目に書いたものです。宛先・総会・代理人・議案ごとの指示・委任者の欄を、どちらも1枚に収めています。

マンション管理組合の総会用の委任状(白紙)の1枚目。代理人・議案ごとの指示・委任者(組合員)の欄と、代理人に頼める人の注
配布している PDF の1枚目(マンション管理組合の総会用・白紙)をそのまま画像にしたもの
  • 代理人: 名前を書いた人に任せる(氏名・住所・委任者との関係を書く)か、総会の議長に任せるか、どちらかに印を付けます。代理人に頼める人は管理規約で決まるので、出す前に規約で確かめてください。国土交通省の マンション標準管理規約(単棟型) (令和7年10月17日改正)は第46条第5項で、組合員の配偶者(事実婚を含む)または一親等の親族、組合員の住戸に同居する親族、他の組合員、国内管理人に限っています。国内管理人は、国内に住所・居所の無い区分所有者が、国内に住所・居所のある人から選ぶ管理人で、集会での議決権の行使を任せられます(区分所有法第6条の2)。
  • 代理人の欄を空けない: 誰に任せたかが書いていない委任状は、扱いをめぐってもめることがあります。標準管理規約の第46条関係のコメント⑦は、「適当な代理人がいない場合には代理人欄を空欄とせず議決権行使書によって自ら賛否の意思表示をすることが必要であること」などを委任状の様式に書いておくことを挙げています。この書式の注にも同じことを書いています。
  • 議案ごとの指示: 議案ごとに「賛成」「反対」「代理人に任せる」のどれかに印を付けます。印の無い議案と、総会の場で出た修正案・動議は代理人の判断に任せる、と書式に書いてあります。議案名は招集の通知のとおりに書きます。
  • 自治会・NPO法人: 代理人に頼める人と出し方は、会則・規約(NPO法人は定款)で決まります。NPO法人は、総会に出席しない社員が書面または代理人で表決できると特定非営利活動促進法第14条の7第2項が定めていますが、定款に別段の定めがあるときはそちらに従います(同条第4項)。

代理人に任せないときの議決権行使書(白紙)

代理人に任せず、議案ごとの賛否を自分で決めて出すときは、配布ボタンの「管理組合・自治会・NPOの総会の議決権行使書」(Word・PDF)を使います。1枚目がマンション管理組合の総会用、2枚目が自治会・NPOなどの総会用で、宛先・総会・議案ごとの賛否(賛成か反対)・本人の欄を1枚に収めています。

国土交通省のマンション標準管理規約の第46条関係のコメント⑥は、議決権行使書を、総会に出席せずに議案ごとの賛否を書いて開催前に招集者へ出す書面とし、賛否の決定を代理人に任せる委任状とは性格が大きく異なると説明しています。委任状と議決権行使書は、どちらか一つだけ出します(両方出したときの扱いは下のよくある質問)。

1. 総会用委任状の用途

委任状とは、 e-Gov 民法643条 が定める委任契約に基づき、自分の代わりに特定の行為を他者に委ねることを証明する私文書です。総会用委任状は、株主・組合員・社員が総会に出席できない場合に、代理人へ議決権の行使を委任するために使用します。

総会の種類によって根拠法令・代理人資格・議決権の行使方法が異なります。このページでは、主要3タイプを比較しながら適切な委任状の作成方法を解説します。

株主総会(会社法)

e-Gov 会社法310条 第1項は「株主は、代理人によってその議決権を行使することができる」と規定しています。同条第2項は「前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない」と定めており、委任状の効力を特定の1回の株主総会に限ることは任意の運用ではなく法律上の義務です。上場会社では招集通知に委任状用紙が同封されるのが一般的です。代理人資格については、定款で株主に限定している会社が多いため、招集通知を必ず確認してください。

自治会・マンション管理組合総会

区分所有建物の管理組合総会は、 e-Gov 区分所有法39条 に基づいて運営されます。同条第2項は書面または代理人による議決権行使を認めており、電磁的方法については第3項で規定されています。代理人資格は各管理規約によって異なります。

一般社団法人・NPO法人総会

一般社団法人は 一般法人法第50条 により、NPO法人は特定非営利活動促進法(NPO法)第14条の7第2項により、それぞれ代理人による議決権行使が認められています。定款で代理人資格を制限している法人が多くあります。

議決権行使委任の意義

  • 定足数の確保:総会の成立に必要な出席数(定足数)を満たすために委任状が活用される
  • 多数決の形成:委任を受けた代理人の票が議案の可決・否決に影響する
  • 権利の保護:出席できない場合でも意思表示を反映させることができる
  • 法的手続きの担保:委任状が適切でないと議決が無効になるリスクがある

2. 総会別の委任状の違い

総会の種類 根拠法令 代理人資格の制限 議決権行使書との併用 電磁的方法
株主総会 会社法第310条 定款で株主限定が多い。基準日(議決権基準日)に株主である必要がある 会社法第311条で議決権行使書による行使も可能 会社法第312条第1項(株式会社の承諾を得て)
管理組合総会 区分所有法第39条 管理規約で限ることがある(標準管理規約は配偶者・一親等の親族・同居の親族・他の組合員・国内管理人) 法律上当然に可(区分所有法39条2項)。様式・提出期限は管理規約で定めるのが通例 区分所有法第39条第3項(規約または集会決議で採用)
NPO法人総会 NPO法第14条の7 定款で社員(構成員)に限定することが多い NPO法第14条の7第2項で書面表決も可能 NPO法第14条の7第3項(定款で定めるところにより可)
一般社団法人総会 一般法人法第50条 定款で社員に限定することが多い 一般法人法第51条で書面による議決権の行使も可能 一般法人法第52条(法人の承諾を得て)

株主総会と議決権行使書・委任状の使い分け

株主総会では会社法第311条が議決権行使書による行使を、第310条が委任状による代理人行使を別個に認めています。両方の制度を併用する会社が多く、株主は状況に応じて使い分けられます。

選択肢適している場面注意点
議決権行使書議案に対する賛否が明確・代理人を立てる必要なし賛否を会社に直接送付・修正不可
委任状(代理人出席)代理人が現場で討論・他株主の質疑に応じて判断したい代理人資格制限の確認必須
両方併用制度上は認められないことが多い(会社による)招集通知の指示に従う
欠席(無効票扱い)定足数に影響しない範囲で参加しない定足数不足リスクあり

マンション管理組合の議決権制度

区分所有法第39条は議決権行使に関する基本ルールを定めていますが、実務的には管理規約・標準管理規約(国交省ひな型)で詳細が規定されています。マンションごとの管理規約確認が必須です。

  • 議決権の数: 共有持分の割合(専有面積比)で決まるのが原則
  • 普通決議: 出席した区分所有者とその議決権の各過半数(第39条第1項。規約に別段の定めがある場合を除く)
  • 特別決議: 区分所有者の過半数で議決権の過半数を持つ者が出席し、出席した区分所有者とその議決権の各3/4以上(規約の変更は第31条第1項。共用部分の変更は第17条第1項で、規約で過半数を超える割合まで下げられる)
  • 建替え決議: 区分所有者と議決権の各4/5以上(出席者ではなく全体で数える・第62条第1項)。耐震性の不足など第62条第2項各号に当たる建物は各3/4以上
  • 定足数: 特別決議は上のとおり(区分所有者の過半数・議決権の過半数の出席)。普通決議(第39条第1項)は法律に出席の数の定めがなく、規約で定めることがある
  • 書面・代理人: 書面や代理人で議決権を行使した区分所有者と議決権は、出席した数に算入する(第39条第2項後段。電磁的方法も同じ・第3項後段)

白紙委任状のリスクと推奨される記載方法

委任状の代理人欄・議決権行使指示欄を空白で渡す「白紙委任」がどう扱われるか(空欄の議案をどう数えるか、代理人を誰にするか)は、会社・団体の定めと招集通知・委任状用紙の記載によります。後日トラブルとなりやすい運用です。

  • 白紙委任のリスク: 受任者が委任者の意思に反する行使をしても争いにくい
  • 議決権買収のリスク: 第三者に渡って議決権集約に悪用される可能性
  • 推奨される最低限の記入: 総会名・開催日・受任者名は委任者自身が記入
  • 議決権行使指示: 「全議案について受任者の判断に委任する」と明記
  • 有効期限: 「当該総会のみ有効」と必ず記載し別総会への流用を防ぐ

総会決議の瑕疵と取消・無効の訴え

株主総会・管理組合総会の決議に重大な瑕疵がある場合、決議の効力を裁判で争うことができます。提訴期間が短いため早期対応が必要です。

訴えの種類根拠条文対象となる瑕疵提訴期間
決議取消の訴え会社法831条招集手続きの法令違反・決議方法の違反決議日から3ヶ月以内
決議無効確認の訴え会社法830条2項決議内容の法令違反期間制限なし
決議不存在確認の訴え会社法830条1項決議自体が存在しないと評価される場合期間制限なし
管理組合決議の効力争い区分所有法・民事訴訟法定足数不足・代理人資格不適合等状況による(早期対応推奨)

3. 議決権行使指示の書き方

委任状に議決権行使の指示を記載しておくと、受任者が委任者の意思に従って投票することが明確になります。指示の記載は任意ですが、特定の議案に反対したい場合や意見がある場合は必ず記載することをお勧めします。

賛成・反対・受任者一任の3とおりの指示方法

パターン 記載方法 効果 注意点
賛成指示 「第〇号議案について賛成の意思表示を委任します」または欄内の「賛成」に丸を付ける 受任者は賛成票を投じる義務を負う 受任者が反対したい場合でも賛成票を投じる義務がある
反対指示 「第〇号議案について反対の意思表示を委任します」または「反対」に丸を付ける 受任者は反対票を投じる義務を負う 理由は書かなくてよいが、付記すると意思が明確になる
受任者一任 「全議案について受任者の判断に委任します」または欄を空白にする 受任者が最終的な賛否を決定できる 受任者に全権を委ねるため信頼できる人物を選ぶ必要がある

議案ごとの個別指示

複数の議案がある場合、議案ごとに賛否を個別に指示できます。招集通知に記載された議案番号を正確に記載し、議案番号ごとに「賛成」「反対」「一任」を明記します。

  • 第1号議案(役員選任):賛成
  • 第2号議案(定款変更):反対
  • 第3号議案(管理費値上げ):受任者一任

包括委任 vs 個別委任

委任の種類 内容 メリット デメリット
包括委任 「当該総会における全ての議決権の行使を委任する」 受任者が臨機応変に対応できる 委任者の意思が反映されない可能性がある
個別委任 「第〇号議案のみについて〇〇の意思表示を委任する」 委任者の意思が議案ごとに明確に反映される 記載漏れの議案は受任者一任または棄権扱いになる場合がある

4. 委任状の必須記載6項目

委任状に法定の書式はありませんが、以下の6項目を漏れなく記載することで、後から「委任の有効性」を争われるリスクを下げられます。特に株主総会・管理組合総会では、委任状が無効と判断されると定足数に影響するため注意が必要です。

項目番号 記載項目 記載内容の例 注意事項
1 委任者の氏名・住所・押印 住民票と一致する氏名・住所。押印の要否・種類は会社・管理組合の案内に従う 株主総会では株主名簿記載の氏名・住所と一致させること
2 受任者の氏名・住所 代理人となる人の氏名・住所。当日受付で確認できる情報を記載 代理人資格の制限(株主・組合員等)が規約にある場合はそれを満たす人物を選ぶ
3 委任事項(議決権行使) 「〇〇年〇月〇日開催の第〇回定時株主総会(または総会)における議決権の行使」と明記 総会を特定する記載(開催日・総会名称)を必ず入れる
4 議決権行使指示(任意) 各議案の賛否または「受任者一任」を明記 空白のときの扱いは会社・管理組合の案内で確認する
5 有効期限(当該総会のみ) 「当該総会が終了した時点で失効する」「〇〇年〇月〇日開催の総会に限り有効」 有効期限の記載がないと別の総会に流用されるリスクがある
6 作成日 委任状を作成した年月日。招集通知の受領日以降の日付を記載する 基準日(株主総会の議決権基準日)以降の日付であることを確認する

5. 委任状の提出・提示方法と受付手続き

作成した委任状を適切に提出・提示することで、代理人が円滑に議決権を行使できます。提出先や提示のタイミングを確認してください。

株主総会の委任状提出手順

  1. 事前提出(郵送): 招集通知に同封されている委任状用紙に記入し、指定期日までに会社に郵送する。上場会社では招集通知発送から総会開催前日(または当日午前中)が期限となることが多い
  2. 当日持参: 代理人が委任状を持参して受付で提示する。身分証明書(運転免許証等)の提示を求められる場合が多い
  3. 電磁的方法: 会社の承諾を得て、会社が指定する方法で電子投票・電子委任状を利用する(会社法第310条第3項・第312条第1項はどちらも「株式会社の承諾を得て」と定めている)

管理組合総会の委任状提出手順

  1. 事前提出: 招集通知に添付された委任状用紙(または当サイトのテンプレート)に記入し、総会開催日前日までに管理組合(管理会社)に提出する
  2. 当日持参: 代理人が委任状と身分証明書を持参して受付に提示する
  3. ポスト投函・FAX提出: 規約で認められている場合は、管理組合への書面提出方法として利用可能

委任状が受け付けられない場合の対処

  • 代理人資格不適合: 規約・定款の代理人資格要件を満たしていない場合。委任者本人が出席できれば本人出席に切り替える
  • 記載不備: 氏名・総会名称・日付の記載漏れ。委任者に連絡して新しい委任状を作成してもらう(総会当日の間に合う場合)
  • 提出期限超過: 事前提出の期限を過ぎた場合。当日持参方式で対応できるか事前に会社・管理組合に確認する

6. 電子化したい場合(クラウドサイン・GMOサイン)

紙の委任状に代えて、電子契約サービスを利用した電子委任状を採用する組織が増えています。法的根拠と実務上の注意点を確認したうえで導入を検討してください。

紙の委任状 vs 電子委任状

比較項目 紙の委任状 電子委任状(クラウドサイン等)
法的有効性 民法上の私文書として有効 会社の承諾(会社法第310条第3項・第312条第1項)、管理組合は規約又は集会の決議(区分所有法第39条第3項)があれば、書面に代えて電磁的方法で提出・行使できる
提出方法 郵送・持参・FAX(会社・団体に確認) メール・URLリンクでオンライン完結
印紙税 かからない(印紙税法 別表第一の課税文書に委任状は無い) かからない(紙と同じく課税文書に当たらない)
保管・管理 紙の保管が必要。紛失リスクあり クラウド上で自動保管。検索・監査対応が容易
コスト 印刷・郵送費用のみ 電子契約サービスの利用料(料金と無料で使える範囲は各サービスの案内で確認)
導入ハードル 低い(すぐに使える) 会社は会社の承諾が要る(会社法第312条第1項)。管理組合は規約の改定または集会の決議が要る(区分所有法第39条第3項)

区分所有法第39条第3項(電磁的方法)

区分所有法第39条第2項は「議決権は、書面又は代理人によつても行使することができる」と定めており、書面による議決権行使と代理人(委任状)による行使は、規約の定めがなくても法律上当然に認められます。一方、同条第3項は「区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によつて議決権を行使することができる」と定めており、規約または集会の決議が必要なのは電磁的方法の場合だけです。電子委任状を導入するには、管理規約の改定または集会の決議が必要になります。

7. 委任状勧誘規制(上場会社のプロキシーファイト)

金融商品取引所に上場されている株式の発行会社の株主総会では、自己または第三者に議決権の行使を代理させることを勧誘する行為(委任状勧誘)は金融商品取引法第194条及び委任状勧誘府令の規制対象となります。発行会社やその役員でない者が10人未満に勧誘する場合は適用されません(金融商品取引法施行令第36条の6第1項第1号)が、組織的な勧誘活動には注意が必要です。

委任状勧誘規制の概要

項目 内容
適用対象 金融商品取引所に上場されている株式の発行会社の株式について、議決権の代理行使を勧誘する行為(金融商品取引法第194条)
主な義務 参考書類の作成・送付義務。委任状用紙の様式規制(金融庁・委任状勧誘府令)
適用されない場合 発行会社・その役員でない者が10人未満に勧誘する場合(金融商品取引法施行令第36条の6第1項第1号)・上場株式の発行会社でない会社・管理組合・NPO等の非営利法人

プロキシーファイト(委任状争奪戦)とは

プロキシーファイトとは、企業の経営方針をめぐって対立する株主グループが互いに多数の委任状を集め、総会での議決権行使を争う行為です。アクティビストファンド(物言う株主)が経営陣の交代を求めて委任状を収集するケースが代表的です。一般株主は委任状勧誘規制の対象に無意識にならないよう注意が必要です。

8. 行政書士・弁護士への依頼が必要なケース

通常の総会委任状はテンプレートを活用して自力で作成できますが、以下のようなケースでは専門家への相談を検討してください。

法人代表者の交代を伴う場合

株主総会で代表取締役の変更・役員の重任・定款変更が議案となっている場合、委任状の有効性が総会決議の有効性に直結します。委任状の瑕疵が後から問題になると、決議取消訴訟(会社法第831条)のリスクがあります。登記手続きと合わせて司法書士・弁護士への相談が安心です。

複雑な議決権配分(種類株式・単元株式)

種類株式(優先株・黄金株等)を発行している会社では、議決権の種類・数の計算が複雑になります。また、単元未満株式の扱いや議決権基準日の確認が必要なケースでは、株式事務に詳しい弁護士・司法書士への確認が必要です。

よくある質問(FAQ)

株主総会の代理人は株主でなければなりませんか?
会社法第310条第1項は「株主は、代理人によってその議決権を行使することができる」と規定しており、代理人の資格を株主に限定していません。ただし、定款によって「代理人は株主に限る」と制限している会社が多数あります。委任状作成前に会社の定款または招集通知に記載された代理人資格の規定を必ず確認してください。定款に制限がない場合は、弁護士・信託銀行等の非株主も代理人になれます。
管理組合総会の代理人は区分所有者(組合員)でなければなりませんか?
区分所有法第39条第2項は「議決権は、書面又は代理人によつても行使することができる」と規定していますが、代理人の資格制限は法律上定めていません。ただし、管理規約で代理人に頼める人を限っていることがあります(国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)第46条第5項は、組合員の配偶者(事実婚を含む)または一親等の親族、住戸に同居する親族、他の組合員、国内管理人に限っています)。委任状を作成する前に、管理規約の議決権行使に関する条項を確認してください。規約に制限がない場合は、管理会社の担当者を代理人に指定することも可能です。
委任状の有効期限を「1年間有効」にすることはできますか?
株主総会については、会社法第310条第2項が「前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない」と定めており、委任状の効力を特定の1回の株主総会に限ることが法律上の義務です。「1年間有効」のような包括的な委任状は、株主総会に関する限り認められません。管理組合総会・NPO総会については会社法310条の適用はなく、有効期限の定め方は規約・当事者間の合意によりますが、トラブル防止のためやはり「当該総会のみ有効」とするのが安全です。総会を特定する記載(「〇〇年〇月〇日開催の第〇期定時株主総会」等)をして、その総会のみ有効と明示することをお勧めします。
議決権行使書と委任状の違いは何ですか?
議決権行使書は「特定の議案に賛成・反対を記載して会社・団体に提出する書面」であり、委任状は「他の人物に議決権行使を委ねる書面」です。議決権行使書を提出した場合、代理人が総会に出席する必要はなく、書面に記載した意思表示が直接カウントされます。委任状を提出した場合は、受任者が実際に総会に出席して議決権を行使します。定款・規約によって両方の利用を認めている場合と、どちらか一方のみを認めている場合があります。
電子委任状(電子署名付きPDF)は法的に有効ですか?
電子委任状や電磁的方法による議決権の行使は、会社や管理組合がその方法を採用(承諾)していることが前提です(会社法第310条第3項・第312条第1項、区分所有法第39条第3項)。管理組合総会については、区分所有法第39条第2項により書面・代理人による議決権行使は規約の定めがなくても可能で、同条第3項が「規約又は集会の決議により、書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によつて議決権を行使することができる」と規定しています(規約や決議が要るのは電磁的方法のほうです)。株主総会については会社法第312条第1項が、株式会社の承諾を得て電磁的方法で議決権を行使することを定めています。クラウドサイン・GMOサイン等の電子契約サービスを利用する場合は、事前に会社・管理組合側の受け入れ体制を確認してください。
委任状の白紙委任は有効ですか?
白紙のまま渡した委任状(代理人欄や賛否の欄が空欄)がどう扱われるかは、会社・団体の定めと、招集通知・委任状用紙の記載によります。紛争の元になりやすいため、空欄のまま渡すのは避けるのが安全です。受任者が委任者の意思に反する議決権行使を行った場合、後から「委任の趣旨と異なる行使だった」として争われる可能性があります。最低限「総会名・開催日・受任者名」は委任者自身が記入し、議決権行使指示は「全議案について受任者の判断に委任する」と明記する形式が安全です。
管理組合総会で「組合員でない代理人」を立てたい場合は?
代理人に頼める人は管理規約で決まります。国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)第46条第5項は、組合員の配偶者(事実婚を含む)または一親等の親族、組合員の住戸に同居する親族、他の組合員、国内管理人に限っていて、これにならった規約では組合員でない第三者(弁護士など)は代理人になれません。規約に代理人の定めがない場合は、組合員以外の人を代理人として認めるケースもあります。委任状作成前に必ず管理規約の議決権行使条項を確認してください。代理人資格を満たさない委任状は無効と判定される可能性があります。
招集通知不備や委任状の代理人資格不適合で総会決議が無効になりますか?
株主総会の場合、招集手続きや決議方法に法令・定款違反があれば、決議取消の訴え(会社法第831条)の対象となります。提訴期間は決議の日から3ヶ月以内です。管理組合総会の場合も同様に、招集通知不備・委任状の代理人資格不適合等は決議の効力を争われる原因となります。重要案件(役員選任・規約変更・大規模修繕)の前は、行政書士・司法書士・弁護士へ事前確認を依頼するのが安心です。
委任状勧誘で注意すべき規制はありますか?
上場会社の株主総会では、委任状勧誘(プロキシーファイト)は金融商品取引法の委任状勧誘規制(第194条・委任状勧誘府令)の対象となります。勧誘する者は、相手方に委任状の用紙と参考書類を交付しなければなりません(金融商品取引法施行令第36条の2第1項)。発行会社やその役員でない者が10人未満に勧誘する場合は適用されません(同施行令第36条の6第1項第1号)。上場株式の発行会社でない会社・管理組合・NPOの場合は同規制の対象外ですが、委任状の偽造・強要は刑事罰(私文書偽造・強要罪)の対象となります。総会委任状の収集活動は相手方に不要な圧力をかけないよう注意してください。
委任状を紛失した場合はどうすればよいですか?
委任状を紛失した場合は、新たに同じ内容の委任状を作成して委任者に再署名・押印を依頼してください。総会当日に委任状を持参できない場合、多くの場合は入場を断られるか、代理人として認証されない可能性があります。重要な総会(役員選任・定款変更・合併承認等)の場合は、委任状の写しや電子データをバックアップとして保管しておくことを推奨します。管理組合の場合は規約の規定に従い、事前に管理会社に相談してください。
デジタル化が進む総会委任状の最新動向は?
コロナ禍以降、株主総会・管理組合総会ともに電磁的方法による委任状・議決権行使の採用が急速に進んでいます。上場企業では電子投票プラットフォーム(ICJが提供するサービス等)を利用したインターネット議決権行使が標準化しつつあります。区分所有法は2026年4月1日施行の改正(令和7年法律第47号)で、集会の決議を出席した区分所有者とその議決権を基準に数える形に改められました(第17条第1項・第31条第1項・第39条第1項)。非対面・電子化が進む中でも、委任状の記載内容の正確性・代理人資格の確認は引き続き重要です。
マンション管理組合の総会で、議長に任せた票はどう数えられますか?
委任状の「総会の議長に委任します」に印を付けると、議長があなたの代理人として議決権を行使します。あなたは総会に出席した組合員として数えられ、議案ごとの指示を書いた議案はその指示のとおりに、指示の無い議案は議長の判断で賛否が決まります(このページの書式の場合)。国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型・令和7年10月17日改正。2026-10-22確認)では、総会の議長は理事長が務めます(第42条第5項)。書面や代理人で議決権を行使した組合員とその議決権は、定足数と決議の数え方のどちらでも、出席した組合員と出席した組合員の議決権の数に入ります(第47条第7項)。普通の議案は出席組合員の議決権の過半数で決まり(第47条第2項)、同規約の第47条関係のコメント②は、この出席組合員に議長も含むと説明しています。法律では区分所有法第39条第2項が、書面や代理人で議決権を行使した区分所有者を出席した数に入れています。議長の決め方と数え方は、自分のマンションの管理規約で確かめてください。
委任状と議決権行使書を両方出したらどうなりますか?
国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型・令和7年10月17日改正)には、委任状と議決権行使書が両方出たときにどちらを有効とするかの定めが見当たりません(2026-10-22に第46条・第47条とコメントを確認)。扱いは、各マンションの管理規約と、総会の招集の通知・管理組合の案内で決まります。同規約の第46条関係のコメント⑥は、議決権行使書は組合員が自ら賛否を決める方法、委任状は賛否の決定を代理人に任せる方法で、性格が大きく異なると説明しています。どちらで出すかを決めて一つだけ出し、出し直したいときは、前に出した書面をどう扱うかを管理組合に確かめてください。このページで配る議決権行使書の注にも、両方は出さないよう書いています。法律では区分所有法第39条第2項が書面と代理人による行使を定めていますが、両方が出たときの扱いは書いていません。
委任状の日付は、書いた日と総会の日のどちらを書きますか?
このページの書式では、いちばん上の日付の欄に委任状を書いた日を、「開催日」の欄に総会の日を書きます。記入例では、書いた日を令和8年11月20日(金)、総会の日を令和8年11月29日(日)としています。総会の日は、どの総会について委任したのかを特定するために要ります。国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型・令和7年10月17日改正)には、委任状にどちらの日付を書くかの定めが見当たりません(2026-10-22確認)。管理組合の案内に日付の書き方の指定があれば、それに従ってください。

関連テンプレート: 委任状テンプレート 汎用・ 議事録テンプレート(総会・取締役会の議事録)・ 定款テンプレート(株式会社)

本ページに掲載している情報は、e-Gov法令検索の会社法・区分所有法・一般法人法・NPO法・金融商品取引法・印紙税法の条文(2026-10-11確認)に基づく一般的な情報提供を目的としています。 法的アドバイスを構成するものではありません。個別の総会における委任状の有効性・代理人資格については、弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。

参考文献・出典

本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(確認日は各行に記載・最新 2026-10-22)。

このテンプレートは役に立ちましたか?

探している書式が見つからないときは、リクエストを送ってください。