労働・HR

医療・介護の始末書テンプレート

医療・介護の現場で使う始末書の白紙を、投薬・与薬のミス、転倒・転落、患者・利用者の情報の漏えいの3パターンで無料配布します(Word)。

公開: 2026年5月12日 最終更新: 2026年10月8日 Word 会員登録不要・無料
2026年10月13日 時点の情報
e-Gov 医療法(第6条の10)
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医療・介護の始末書(白紙3パターン)

上のダウンロード欄の Word に、白紙が3パターン入っています。各パターンの記入例(人物・施設・日付・数字は架空)の全文は、このページで「この文面をコピー」できます。施設に所定の様式があるときは、その様式を優先してください。

医療・介護の始末書の白紙の1ページ目。発生日時・場所・患者・指示された内容・実際に行ったことなどの欄が表になっていて、右下に受領の押印欄がある
配布している白紙のWord(shimatsusho_iryo_full.docx)の1ページ目

パターン1:投薬・与薬のミス

薬剤の取り違え、量の間違い、投与時刻の間違いなどのときの始末書です。

パターン1:投薬・与薬のミス(記入例)の全文

始 末 書

令和8年10月14日

看護部長 池田 美咲 殿

所属:サンプル総合病院 第3病棟

氏名:森 優子 印

 

件名 投薬・与薬のミスに関する始末書

このたびの下記の件について、事実と再発防止策を報告します。

 

発生日時(曜日も書く) 令和8年10月13日(火曜日)10時00分頃

場所(病棟・部屋・処置室など) 第3病棟 305号室

患者・利用者(識別番号・年代) 識別番号 A-0123(70歳代)

指示された内容(薬剤名・規格・量・経路) 降圧薬A錠5mg 内服 朝食後に1回

実際に行ったこと(薬剤名・規格・量・経路) 降圧薬A錠10mg を内服させた。

患者・利用者への影響 内服の30分後の血圧は128/76で、症状はなかった。医師の指示で、2時間後まで30分ごとに血圧を測った。

発見の経緯(時刻・発見した人) 10時20分に、別の看護師が薬剤を確認するとき、シートの規格表示(10mg)と指示(5mg)の違いに気づいた。

医師への報告(時刻・方法) 10時25分に、主治医へ口頭で報告した。

患者・利用者・家族への説明(日時・説明した人) 令和8年10月13日(火曜日)11時に、主治医と看護師長が患者本人に経過を説明した。家族には同日15時に電話で説明した。

原因 10mg錠と5mg錠が同じ棚に並んでいた。薬剤を取り出すとき、シートの規格表示を指示と照らさなかった。

再発防止策(実行する内容・開始時期)

 ・投与の前に、患者名・薬剤名・規格・量・経路・時間を、指示と声に出して照らす(第3病棟の看護師全員/令和8年10月14日から)

 ・規格違いの薬剤は、別の棚に分けて置く(薬剤部と第3病棟/令和8年10月30日まで)

 

上記のとおり、事実に相違ありません。

再発防止策を実行してまいります。

以上

白紙の欄:発生日時・場所・患者・利用者・指示された内容・実際に行ったこと・患者・利用者への影響・発見の経緯・医師への報告・患者・利用者・家族への説明・原因・再発防止策(白紙のWordの1ページ目)

書かないこと:指示された内容と実際に行ったことを分けて書き、推測で埋めない。

パターン2:転倒・転落

入院中の患者や施設の利用者が転倒・転落したときの始末書です。転倒リスクの評価の記録を書く欄があります。

パターン2:転倒・転落(記入例)の全文

始 末 書

令和8年10月21日

看護師長 橋本 涼子 殿

所属:テスト中央病院 西3階病棟

氏名:林 健太 印

 

件名 患者・利用者の転倒・転落に関する始末書

このたびの下記の件について、事実と再発防止策を報告します。

 

発生日時(曜日も書く) 令和8年10月19日(月曜日)3時40分頃

場所(病棟・部屋・廊下など) 西3階病棟 312号室

患者・利用者(識別番号・年代) 識別番号 B-0456(80歳代)

転倒リスクの評価(評価の有無・日時・結果) 入院時(令和8年10月15日)に評価し、「転倒リスクが高い」と判定。ベッド柵とセンサーマットを使う計画だった。

発生時の状況(ベッド周りの環境・付き添いの有無) 3時00分の巡回のあと、患者がトイレに行こうとして自分でベッドから降り、床に座っているところを、3時40分に訪室した看護師が見つけた。センサーマットの電源は入っていなかった。

初期対応 患者を車椅子に乗せ、バイタルを測った。意識あり、血圧130/80。

患者・利用者の状態(外傷の有無・意識) 右ひじに擦り傷。頭を打った様子は確認できなかった。

医師への報告(時刻・方法) 3時50分に、当直医へ報告した。診察を受け、翌朝にレントゲン検査を行う指示を受けた。

家族への連絡(日時・方法) 令和8年10月19日(月曜日)7時に、家族へ電話で連絡した。

原因 センサーマットの電源が入っていなかった。夜勤の引き継ぎのとき、機器が作動しているかを確認していなかった。

再発防止策(実行する内容・開始時期)

 ・夜勤の引き継ぎのとき、センサーマットの電源と作動を2人で確認し、チェック表に記録する(西3階病棟/令和8年10月26日から)

 ・転倒リスクが高い患者の夜間の巡回を、2時間ごとにする(看護師長/令和8年11月2日から)

 

上記のとおり、事実に相違ありません。

再発防止策を実行してまいります。

以上

白紙の欄:発生日時・場所・患者・利用者・転倒リスクの評価・発生時の状況・初期対応・患者・利用者の状態・医師への報告・家族への連絡・原因・再発防止策(白紙のWordの2ページ目)

書かないこと:患者の状態を、診察の結果が出る前に断定して書かない。

パターン3:患者・利用者の情報の漏えい

患者や利用者の情報が外に出たときの始末書です。個人情報保護委員会など(業種によっては権限の委任を受けた省庁)への報告が要るかどうかは、会社(施設)が判断します。

パターン3:患者・利用者の情報の漏えい(記入例)の全文

始 末 書

令和8年10月28日

地域連携室長 石川 真理 殿

所属:デモ記念病院 地域連携室

氏名:清水 大輔 印

 

件名 患者・利用者の情報の漏えいに関する始末書

このたびの下記の件について、事実と再発防止策を報告します。

 

発生日時(曜日も書く) 令和8年10月26日(月曜日)11時30分頃

情報の種類と件数 患者1名の氏名・年代・診断名・紹介の内容(診療情報提供書1通)

漏えいの経路(FAX・メール・書類など) 他の医療機関あてのFAXで、短縮ダイヤルの番号を取り違え、別の医療機関に送信した。

発見の経緯 令和8年10月26日(月曜日)11時50分に、送信先の医療機関から「当院あてではない書類が届いた」と電話があった。

報告(時刻・相手) 11時55分に、地域連携室長と個人情報の担当者へ報告した。

本人への対応(日時・説明した人) 令和8年10月27日(火曜日)に、診療情報提供書の患者本人へ、担当医と地域連携室長が経緯を説明した。

原因 FAXを送る前に、宛先の番号を診療情報提供書の宛先と照らさなかった。

再発防止策(実行する内容・開始時期)

 ・FAXは、宛先の番号を手で入力し、2人で番号を読み上げて確認してから送る(地域連携室/令和8年10月29日から)

 ・送信先の医療機関に、誤って送った書類の廃棄を依頼し、廃棄したことを文書で受け取る(令和8年10月29日まで)

 

上記のとおり、事実に相違ありません。

再発防止策を実行してまいります。

以上

白紙の欄:発生日時・情報の種類と件数・漏えいの経路・発見の経緯・報告・本人への対応・原因・再発防止策(白紙のWordの3ページ目)

書かないこと:漏えいした情報の範囲を、確認できていないまま断定して書かない。

インシデントレポートとの違い

書類 主な使い方
インシデントレポート 施設内で、事実を記録して共有する
始末書 当事者が、事実と再発防止策を施設に出す

この表は、実務での一般的な使い分けで、法令上の定義ではありません。施設によって、呼び方も使い分けも違います。施設の指示に従ってください。

医療事故調査制度(医療法第6条の10)との関係

医療法第6条の10第1項は、次のように定めています( e-Gov 医療法(第6条の10 医療事故の報告) )。

…医療事故(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう。…)が発生した場合には、…遅滞なく、…医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。

対象は、「死亡又は死産」のうち、「当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるもの」です。報告する人は、管理者です。始末書は、職員が施設に出す書面で、この報告の代わりにはなりません。制度の解説は、 厚生労働省「医療事故調査制度について」 にあります。

事実の欄の書き方

  • 指示された内容と、実際に行ったことを分ける:投薬・与薬のミスの白紙は、この2つを別の欄にしています。
  • 診療録・看護記録の記載と、食い違わないようにする:日時・薬剤名・量は、記録を見て書きます。記録と違うときは、違う理由を書きます。
  • 確認できていないことは、確認中と書く:患者の状態や漏えいの範囲を、確認が終わる前に断定しません。
  • 原因は、分かっている事実から書く:推測を原因の欄に書きません。

始末書の書き方の全体は、始末書のページにあります。始末書を定めた法令は見つかっておらず、会社(施設)が求める根拠は、主に就業規則です。署名の前に迷うときは、総合労働相談コーナーや弁護士に相談してください( 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 )。

よくある質問

医療・介護の始末書と、インシデントレポートは、何が違いますか?
実務での一般的な使い分けは、インシデントレポートが施設内で事実を記録して共有する書類、始末書が当事者が会社(施設)に事実と再発防止策を出す書面です。法令上の定義ではありません。施設によって呼び方と使い分けが違うので、施設の指示に従います。インシデントレポートの事実の記録は、始末書の事実の欄を書くときの材料になります。
医療事故調査制度の報告は、始末書で行いますか?
別のものです。医療法第6条の10第1項の報告は、管理者が、医療事故調査・支援センターに行います。始末書は、職員が施設に出す書面で、この報告の代わりにはなりません。
始末書は、関与した職種ごとに書きますか?
施設の指示に従います。誰が何通書くかを定めた法令は、見つかりませんでした。
始末書を書く前に、弁護士に相談したほうがよい場合は?
患者に重い被害が出ている、損害賠償の話が出ている、刑事の問題になりうる、会社が用意した文面に事実と違う記述がある、というときは、署名の前に弁護士に相談してください。始末書は、後で事実の証拠として読まれることがあります。総合労働相談コーナー(予約不要・無料)でも、労働の問題の相談を受け付けています。
患者・利用者の情報の漏えいで、個人情報保護委員会への報告は要りますか?
報告が要るかどうかは、事態の内容で決まり、会社(施設)が判断します。始末書の欄には、その判断を書きません。報告の要件と期限は、個人情報保護法施行規則に定めがあります。条文の原文は、顛末書のページにあります。
始末書の提出を拒否できますか?
確認できていません。拒否できるかは、判例も一次情報も、確認できていません。迷うときは、始末書のページの「始末書を求められたとき」を読み、総合労働相談コーナーや弁護士に相談してください。

始末書テンプレート(汎用版)はこちら

参考文献・出典

本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-10-13 確認時点)。

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