確定申告が必要な人・不要な人の判定チャート

本記事は一般情報の提供を目的としています。 個別の税務判断は、税理士・公認会計士等の専門家にご確認ください。 数値は国税庁の一次情報(2026-05-28確認・令和8年分と還付申告・20万円の判定は2026-10-17に確認)に基づいています。
次に出す確定申告は令和8年分です(2026年10月17日時点): 2026年1月〜12月の所得を申告する令和8年分の確定申告は2027年2〜3月です。 国税庁は令和8年分の申告期間をまだ発表していません。例年どおりなら2027年2月16日(火)〜3月15日(月)です(国税庁 No.2020「原則として、その年の翌年2月16日から3月15日まで」)。 令和8年分は、基礎控除が最大104万円(合計所得489万円以下)、給与所得控除の最低保障額が74万円(給与収入220万円以下)に上がり、給与だけの人の所得税がかからない年収は178万円になります(令和8年12月1日施行・令和8年分と令和9年分。令和10年分以後は168万円)。 このページの申告期間・控除額の表は令和7年分(2025年の所得)の数値です。令和7年分を期限後申告や更正の請求で出す人向けの数値として読んでください。 出典: 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」・No.1199・No.1410・No.2020(2026-10-17確認)

確定申告の要否は「所得の種類」と「金額」によって異なります。以下の判定表で自分のケースを確認してください。

ケース 確定申告の要否 主な理由・注意点
給与所得者(会社員・パート)
給与収入のみ・年末調整済み
原則不要 年末調整で税金精算済み
給与所得者
給与収入2,000万円超
必要 年末調整が適用されない
給与所得者
副業所得(20万円超)あり
必要 20万円以下でも住民税申告は別途必要
個人事業主・フリーランス
事業所得あり
必要 利益がゼロでも申告が望ましい(純損失の繰越等)
不動産所得あり 給与所得者は、給与以外の所得の合計(不動産所得を含む)が20万円超なら必要 家賃収入−経費で計算。給与1か所・年末調整済みの人は、不動産所得もほかの副業所得と合算して20万円で判定する(国税庁 No.1900)。給与のない人は、所得の合計から所得控除を引いて税額が出るなら必要(No.2020)
年金受給者
公的年金収入400万円超
必要 400万円以下でも医療費控除等を受けたい場合は申告
住宅ローン控除(初年度) 必要 2年目以降は年末調整で可
医療費控除・ふるさと納税(5自治体超) 必要 還付を受けるための申告(その年の翌年1月1日から5年間いつでも可・国税庁 No.2030)

出典: 国税庁「令和7年分 確定申告特集」(2026-05-28確認)

令和7年分の申告期間

下は令和7年分(2025年の所得)の日付です。次の令和8年分は、例年どおりなら2027年2月16日(火)〜3月15日(月)です(2026年10月17日時点で国税庁の発表前)。

  • 申告・納税期間: 2026年2月16日(月)〜2026年3月16日(月)
  • e-Tax受付開始: 2026年1月5日(月)から(24時間受付)
  • 還付申告: 2026年1月1日から5年間いつでも申告可能
  • 消費税の申告期限: 2026年3月31日(火)
「令和7年分」とは2025年1月1日〜12月31日に得た所得のことです。申告・納税するのは2026年です。

令和7年分の主要変更点(基礎控除95万円・給与控除65万円・160万円の壁)

令和7年(2025年)分の確定申告から、所得税の控除額が大幅に引き上げられました。 令和8年分・令和9年分は、さらに基礎控除が最大104万円、給与所得控除の最低保障額が74万円に引き上げられます(下の注を参照)。

年分の取り違えに注意: 「178万円の壁」「104万円の基礎控除」は令和8年度税制改正で成立し、令和8年分・令和9年分に適用されます(施行は令和8年12月1日。令和10年分以後は基礎控除99万円・給与所得控除69万円で168万円)。令和7年分には適用されません。出典: 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」(2026-10-03確認) 本セクションは令和7年分の数値です。

基礎控除の改正(令和7年分)

基礎控除は、従来の一律48万円から合計所得金額に応じた段階制に変わりました。

合計所得金額 令和7年分の基礎控除額 従来(〜令和6年分)
132万円以下 95万円 48万円
132万円超〜336万円以下 88万円 48万円
336万円超〜489万円以下 68万円 48万円
489万円超〜655万円以下 63万円 48万円
655万円超〜2,350万円以下 58万円 48万円
2,350万円超〜2,400万円以下 48万円 48万円
2,400万円超〜2,450万円以下 32万円 32万円
2,450万円超〜2,500万円以下 16万円 16万円
2,500万円超 0円 0円

出典: 国税庁「令和7年分 基礎控除及び給与所得控除等の改正」(2026-05-28確認)

給与所得控除の改正(令和7年分)

給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。

給与等の収入金額 令和7年分の控除額 従来(〜令和6年分)
190万円まで 65万円(最低保障) 162.5万円までは55万円、162.5万円超180万円以下は収入×40%−10万円、180万円超は収入×30%+8万円(令和2年分〜令和6年分。国税庁 No.1410 2026-10-03確認)
190万円超〜360万円以下 収入×30%+8万円 収入×30%+8万円
360万円超〜660万円以下 収入×20%+44万円 収入×20%+44万円
660万円超〜850万円以下 収入×10%+110万円 収入×10%+110万円
850万円超 195万円(上限) 195万円(上限)

出典: 国税庁「No.1410 給与所得控除」(2026-05-28確認)

所得税非課税ライン「160万円の壁」

改正後の給与所得者の所得税非課税ライン(いわゆる「壁」)は以下のとおりです。

  • 給与所得控除(最低): 65万円
  • 基礎控除(最大): 95万円(合計所得132万円以下の場合)
  • 合計控除額: 65万円 + 95万円 = 160万円
  • → 給与収入160万円以下の方は所得税非課税(令和7年分)
160万円の壁は給与所得者の場合です。個人事業主・フリーランスは基礎控除のみ(95万円)が適用されるため、事業所得が95万円以下で所得税非課税となります(青色申告特別控除等は別途)。

特定親族特別控除の新設(令和7年分に新設)

令和7年分より「特定親族特別控除」が新設されました。生計を一にする19歳以上23歳未満の親族(大学生等)で、所得が多くて扶養親族に当たらない人(特定親族)について、その人の給与収入が150万円以下なら最大63万円、188万円以下まで段階的に控除を受けられます(令和7年分。給与収入123万円以下の人は従来どおり特定扶養親族として63万円)。なお「130万円」は社会保険の扶養の目安で、所得税の基準とは別です。令和8年分は区切りの金額が変わります(国税庁 No.1177 2026-10-18確認)。

出典: 国税庁「令和7年分 基礎控除及び給与所得控除等の改正」(2026-05-28確認)

青色申告vs白色申告の選び方(65万円控除の条件)

個人事業主・フリーランスが確定申告する場合、「青色申告」か「白色申告」かを選択できます。節税効果の観点からは、要件を満たせる方には青色申告が圧倒的に有利です。

比較項目 青色申告(65万円控除) 青色申告(55万円控除) 青色申告(10万円控除) 白色申告
特別控除額 65万円 55万円 10万円 なし
記帳方式 複式簿記(必須) 複式簿記(必須) 簡易簿記でも可 簡易な帳簿でよい
e-Tax / 電子帳簿 e-Tax申告 または 電子帳簿保存(必須) どちらも不要 不要 不要
貸借対照表 要添付 要添付 不要 不要
赤字の繰越控除 3年間可 3年間可 3年間可 なし
専従者給与 全額経費可 全額経費可 全額経費可 上限あり
申請書の提出 要(1月16日以後の開業は開業から2ヶ月以内、1月15日以前の開業はその年の3月15日まで) 同左 同左 不要

出典: 国税庁「No.2072 青色申告特別控除」(2026-05-28確認)

65万円控除を受けるための要件まとめ

  • 不動産所得または事業所得を生ずる事業を営んでいる
  • 複式簿記(借方・貸方)で仕訳・記帳している
  • 貸借対照表・損益計算書を確定申告書に添付する
  • 申告期限(3月15日または翌日)までに申告書を提出する
  • e-Taxで申告 または 電子帳簿保存法に基づき帳簿を電子保存する(どちらか一方でよい)
freee・マネーフォワード クラウドを使うと、日々の入出金を入力するだけで複式簿記の仕訳が自動生成され、貸借対照表・損益計算書も自動作成されます。e-Tax連携も標準搭載されているため、65万円控除の要件を最も効率的に満たせます。

確定申告の流れ4ステップ(書類準備→収入/経費集計→申告書作成→提出/納税)

  1. ステップ1: 書類・証明書を集める(〜1月末目安)
    年明けから1月末にかけて各種書類が届きます。届いたら紛失しないよう一か所にまとめておきましょう。主な書類は後述の「必要書類チェックリスト」を参照してください。
  2. ステップ2: 収入・経費を集計する(1月〜2月中旬)
    1年分の収入(売上・給与・副業等)と経費(事業に必要な支出)を集計します。会計ソフトを使っている場合は自動集計されます。個人事業主は事業所得=収入−経費で計算します。
  3. ステップ3: 申告書を作成する(2月16日〜)
    国税庁「確定申告書等作成コーナー」または会計ソフトから申告書を作成します。マイナポータル連携を事前に設定しておくと、保険料控除・医療費等の証明書を自動取得できます。e-Taxのスマホ申告なら1月5日から申告可能です。
  4. ステップ4: 提出・納税(〜3月16日)
    e-Taxで送信(最も便利)、税務署への持参、郵送のいずれかで提出します。納税額がある場合は3月16日までに納付します。還付申告を e-Tax で出した場合、国税庁の案内では3週間程度で処理されています(訂正申告・書類不備・別送書類がある場合は対象外。書面の申告は申告期間中でおおむね1か月から1か月半)。

申告方法の比較

申告方法 65万円控除 マイナポータル連携 手間 おすすめ度
e-Tax(スマホ) ○(e-Tax要件を満たす) ○(自動取得) 最小 ★★★
e-Tax(PC) ○ ○ 少 ★★★
作成コーナー(印刷・持参) ×(55万円止まり) × 中 ★★
紙(書面)で提出 × × 大 ★

e-Tax・スマホで申告する手順

スマホ申告では、スマートフォンに登録したマイナンバーカードを使うと、実物のカードを読み取らずに申告書の作成・e-Tax 送信ができます(利用には事前の申請・登録が必要。詳しくはデジタル庁の案内)。実物のカードでも、スマートフォンで読み取れるのでカードリーダーは要りません。

事前準備(申告前に必ず実施)

  1. マイナンバーカードの準備
    マイナンバーカードの「署名用電子証明書のパスワード(6〜16文字の英数字)」と「利用者証明用電子証明書の暗証番号(数字4桁)」を手元に用意します。パスワードを忘れた場合は市区町村窓口で再設定できます。
  2. マイナアプリ(旧マイナポータルアプリ)の準備
    2026年8月25日から、マイナポータルアプリはデジタル認証アプリの機能を統合した「マイナアプリ」になりました。App Store または Google Play からマイナアプリにアップデートし、利用登録をします(国税庁 2026-10-18確認)。
  3. マイナポータルとe-Taxの連携設定
    マイナンバーカードでマイナポータルにログインし、「外部サイトとの連携」から e-Tax との連携の初期設定をします(e-Tax よくある質問)。控除証明書を自動で取り込むには、このほかに「確定申告の事前準備」で取得したい証明書を選び、証明書を出す会社と連携しておく必要があります(次の手順)。
  4. 証明書を出す会社との連携(任意・推奨)
    生命保険会社・証券会社・銀行等の証明書を自動で取り込むには、民間送達サービスとマイナポータル、証明書を出す会社との連携が必要です。対応している会社は国税庁・マイナポータルの案内で確認してください。

スマホ申告の操作フロー(令和7年分)

ステップ 操作内容
1 スマートフォンのブラウザで「作成コーナー」と検索するか QR コードから、確定申告書等作成コーナーを開き、「作成開始」をタップ
2 マイナポータル連携を使う場合は、表示される質問に「利用する」を選ぶ
3 「マイナンバーカードでログイン」などをタップし、カードを読み取る(利用者証明用の暗証番号・数字4桁)。スマートフォンに登録したマイナンバーカードなら読み取りは不要
4 「マイナポータル連携」画面で取得する情報(本人分・家族分)を選び、利用規約に同意して「連携」をタップ
5 「収入・所得の入力」「控除の入力」(連携で取得した分は自動で反映。「読込データ確認」「確認してください」と出たら追加入力が必要)
6 「計算結果の確認」で還付・納付の金額を確認し、「納付方法等の入力」で納付方法を選ぶ
7 「送信する」→「送信を実行する」(送信の前にカードの読み取りを求められることがある)→「送信結果の確認」。受信通知はメッセージボックスに届く
8 納税がある場合:選んだ方法で期限までに納付(振替納税は事前の届出が必要。国税庁の納付手続の案内)

出典: 国税庁「令和7年分 スマホご利用ガイド 確定申告書等作成コーナー」(PDF)(2026-10-18確認)。令和8年分の画面は変わることがあるため、申告の前に国税庁のスマホ申告の案内で確かめてください。

必要書類チェックリスト(源泉徴収票・控除証明書・経費領収書)

確定申告で必要になる書類を、ケース別にまとめました。事前に揃えておくとスムーズに申告できます。

全員共通

  • マイナンバーカード(e-Tax申告の場合)またはマイナンバー通知カード+本人確認書類
  • 還付金受取用の銀行口座情報(口座番号・金融機関名・支店名)
  • 前年の確定申告書の控え(2回目以降の方・繰越損失がある場合)

給与所得者・会社員

  • 源泉徴収票(勤務先から1月末〜2月初に発行)
  • 生命保険料・地震保険料控除証明書(届く時期は保険会社によって違います)
  • 住宅ローン年末残高証明書(ローン控除2年目以降は年末調整でも可)
  • 医療費の領収書・医療費通知書(医療費控除を受ける場合)
  • ふるさと納税の寄附金受領証明書(ワンストップ特例を使わない場合)

個人事業主・フリーランス

  • 売上の帳簿・請求書控え(年間の収入合計が分かるもの)
  • 経費の領収書・レシート(事業に関係するもの・月別に整理推奨)
  • 事業用口座の通帳(銀行明細)
  • 取引先から届いた支払調書の写し(支払調書は支払う側が税務署に出す書類で、写しが届かないこともあります。届かなければ請求書・入金記録で報酬と源泉徴収税額を確かめます。国税庁 No.7431)
  • 国民健康保険料の納付額通知書または領収書(社会保険料控除)
  • 国民年金の控除証明書(11月に日本年金機構から郵送)
  • 青色申告の方: 青色申告決算書(会計ソフトから自動生成)

副業がある方(追加書類)

  • 副業の報酬明細・支払調書(源泉徴収が引かれている場合に還付の根拠になる)
  • 副業の経費領収書

参考: 国税庁「令和7年分 確定申告特集」(2026-05-28確認)

源泉徴収票を紛失した場合: 勤務先の給与担当部署に再発行を依頼できます。退職後でも請求可能です。会社が倒産等で連絡がとれない場合は、税務署への相談を検討してください。

副業20万円ルールの正確な理解(所得税のみ・住民税申告は別)

副業収入に関して「20万円以下なら申告不要」というルールが広く知られていますが、この特例は所得税(確定申告)のみに適用されます。住民税には同様の例外規定がありません。

税目 副業所得20万円以下の扱い 申告先・期限
所得税(確定申告) 申告不要(給与を1か所から受けて年末調整を受けた人など。年金受給者は別の基準) 税務署 / 翌年3月15日(土日・祝日なら翌平日)
住民税 申告が必要(20万円以下の例外規定なし) 市区町村 / 翌年3月15日

具体的な対処方法

  • 所得税の確定申告を行った場合: 確定申告の情報が市区町村に共有されるため、住民税の申告は不要です(申告したとみなされます)
  • 所得税の確定申告をしない場合(副業20万円以下の特例適用): 住民税申告を市区町村に別途行う必要があります
  • 住民税の申告期限: 所得税の確定申告と同じ時期が目安(令和7年分=2025年の所得は2026年3月16日、令和8年分=2026年の所得は例年どおりなら2027年3月15日)
副業の住民税申告を忘れると: 市区町村が給与所得のみで住民税を計算するため、後から追徴される可能性があります。また、会社に副業がバレることを避けたい場合は、住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で払う)」にしておく必要があります(確定申告書の「住民税の徴収方法」欄で選択)。

副業20万円ルールの適用条件(重要)

  • 適用対象: 給与を1か所から受けていて年末調整を受けた人など(個人事業主は対象外。年金受給者は「公的年金等の収入が400万円以下で、それ以外の所得が20万円以下なら申告不要」という別の基準。国税庁 No.1600)
  • 「所得」とは収入から経費を引いた後の金額です(交通費・機材費等は経費計上できます)
  • 複数の副業がある場合は合算した所得額で判定します
  • 株式・FX等の譲渡所得は別の基準が適用される場合があります

参考: freee「副業所得20万円以下でも確定申告と住民税の申告は必要?」・起業の「わからない」を「できる」に「副業の確定申告への影響」(2026-05-28確認)

還付申告・修正申告・期限後申告の違いと手順

種類 対象 期限 加算税・ペナルティ
還付申告 源泉徴収で税金を多く払った方・医療費控除等で税金が戻る方 その年の翌年1月1日から5年間(いつでも可・国税庁 No.2030) なし
修正申告 申告内容が誤りで税額が少なかった方(追加納税が必要) 随時(気づいたらすぐ) 延滞税(令和8年は年2.8〜9.1%・年ごとに国税庁が改定)・過少申告加算税(条件次第)
更正の請求 申告内容が誤りで税額を多く払った方(還付を求める) 原則として法定申告期限から5年以内(還付申告をした年分は、還付申告書を出した日から5年以内・国税庁 No.2030) なし
期限後申告 申告期限(3月16日)を過ぎて申告した方 制限なし(できるだけ早く) 無申告加算税(50万円まで10〜15%・50万円超300万円まで15〜20%・300万円超25〜30%)+ 延滞税

期限後申告の手順

  1. 期限後でも申告は受け付けてもらえます
    e-Taxまたは税務署窓口で申告書を提出します。申告そのものは年間を通じて受け付けています。
  2. 加算税・延滞税の計算
    無申告加算税は、税務署から通知を受ける前に自主的に申告した場合は一律5%です。調査を受けた後の申告では、納付税額のうち50万円までの部分は15%、50万円超300万円までの部分は20%、300万円超の部分は30%です(国税庁No.2024・令和5年分以降)。
  3. 税務署への相談
    申告方法に不安がある場合は、税務署の窓口相談や国税局電話相談センター(0570-00-5901)を活用できます。

出典: 国税庁「令和7年分 確定申告特集」(2026-05-28確認)/延滞税率・無申告加算税率は国税庁「延滞税の割合」・国税庁No.2024「確定申告を忘れたとき」(いずれも2026-09-22確認)に基づき更新

よくあるミス10選(医療費控除・扶養家族・源泉徴収票紛失)

初めて確定申告をする方がよく陥るミスをまとめました。申告前のチェックリストとして活用してください。

# ミスの内容 正しい理解
1 医療費控除「10万円以上から」という誤解 総所得金額等が200万円未満なら「総所得金額等×5%」が閾値になり、10万円より低くなる。総所得金額等は年収ではない(給与だけなら令和7年分は年収約297万円未満が目安。例: 年収200万円の人の総所得金額等は約132万円で、閾値は約6.6万円)
2 医療費控除に「交通費」を含め忘れる 通院のための公共交通機関代(バス・電車)は医療費控除の対象。タクシーは原則対象外(歩行困難等は例外)
3 扶養控除の年齢を誤る 扶養控除の対象は16歳以上(15歳以下は対象外)。特定扶養親族(19〜22歳)は控除額63万円と大きい
4 源泉徴収票をなくす 紛失したら勤務先に再発行依頼を。マイナポータル連携でデータ取得できる場合もある
5 経費計上の基準を誤る(家事按分) 自宅兼事務所の家賃・光熱費は「業務使用割合」で按分が必要。全額経費計上は認められない
6 青色申告の申請を忘れる(開業初年度) 青色申告承認申請書を期限内(1月16日以後の開業は開業から2ヶ月以内)に提出しないと、その年は白色申告になる
7 副業の住民税申告を忘れる 副業20万円以下で確定申告不要でも、住民税の市区町村申告は別途必要
8 控除証明書の添付漏れ e-Taxではデータ提出で代替可能だが、紙申告では控除証明書の原本添付が必要(生保・地震保険等)
9 還付申告を知らずに放置 医療費控除・住宅ローン控除初年度は申告しないと損。5年以内ならさかのぼって申告できる
10 令和7年分の改正前数値を使う 基礎控除は48万円(旧)ではなく最大95万円(令和7年分)。会計ソフト・国税庁作成コーナーは自動で適用される

よくある質問(FAQ)

確定申告を初めてする場合、どれくらい時間がかかりますか?
書類が揃っていれば、e-Taxのスマホ申告で1〜2時間が目安です。給与所得のみでシンプルなケース(医療費控除・住宅ローン控除なし)であれば、国税庁「確定申告書等作成コーナー」の案内に沿って入力するだけで完結します。はじめての方は事前に必要書類(源泉徴収票・マイナンバーカード・控除証明書)を手元に用意しておくと、迷わず進められます。
青色申告承認申請書の提出期限はいつですか?
新規開業の場合、開業日から2ヶ月以内が提出期限です(1月16日以後に開業した場合)。1月15日以前に開業した場合は、その年の3月15日までが期限です。例えば2026年4月に開業した場合、2026年6月中旬が提出期限の目安になります。期限を過ぎると、その年の確定申告は白色申告になります。開業届と同時に提出するのがトラブルを防ぐ最善策です(国税庁・青色申告承認申請書 2026-05-28確認)。
確定申告の還付金はいつ振り込まれますか?
自宅などから e-Tax で提出した還付申告は、国税庁の案内では3週間程度で処理されています。ただし訂正申告など同じ人の申告が複数ある場合・書類に不備がある場合・書面で別に書類を送った場合は、e-Tax でもこの対象外です。2月・3月の確定申告期間中は、還付金の支払手続におおむね1か月から1か月半程度かかるとされています(国税庁 確定申告に関するQ&A 2026-10-18確認)。処理状況は e-Tax の「還付金処理状況を確認する」で見られます(e-Tax の申告は2週間程度、書面の申告は1か月程度たってから)。還付申告は、申告期間の前の1月からでも提出できます。
申告期限(3月16日)を過ぎたらどうなりますか?
納税が必要な場合は「無申告加算税」と「延滞税」が発生します。税務署の調査通知前に自主的に期限後申告をすれば無申告加算税は一律5%です。調査通知後・調査を受けた後の申告では、納付税額のうち50万円までの部分は10〜15%、50万円超300万円までの部分は15〜20%、300万円超の部分は25〜30%(国税庁No.2024・令和5年分以降)となります。ただし、還付申告(税金が戻ってくる場合)は5年間いつでも申告でき、加算税はかかりません。期限後でもできるだけ早く申告することが重要です。期限内申告が間に合わない場合でも「期限後申告」として提出することは可能です(国税庁 2026-09-22確認)。
紙での申告とe-Tax申告、どちらがおすすめですか?
青色申告の65万円控除は、e-Taxで申告するか、優良な電子帳簿保存をしているかのどちらかが要ります。どちらの場合も、複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を付けて期限内に申告することが前提です(国税庁 No.2070)。それ以外の方でも、e-Taxはマイナポータル連携で控除証明書を自動取得できるため、書類準備の手間が大幅に減ります。紙申告でも申告自体は問題ありませんが、処理が遅く還付も遅くなります。
控除証明書を忘れた・紛失した場合はどうすればよいですか?
マイナポータル連携に対応している保険会社なら、e-Tax 申告のときに控除証明書のデータを取り込めるので、紙をなくしても困りにくくなります。紙の控除証明書を紛失した場合は、各保険会社・金融機関に「控除証明書の再発行」を依頼できます。届くまでの日数は会社によって違います。申告期限に間に合わない場合は、その控除を入れずに期限内に申告し、後から「更正の請求」で控除を足す方法もあります(国税庁 No.2026)。
事業所得と雑所得の違いは何ですか?副業はどちらになりますか?
事業所得は「独立した事業」として継続的・反復的に行っている場合、雑所得はそれ以外の所得です。所得税基本通達35-2(2022年改正)は、事業所得かどうかを「社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する」とし、取引を記録した帳簿書類を保存していない場合は、原則として業務に係る雑所得になるとしています(収入金額が300万円を超え、かつ事業所得と認められる事実がある場合を除く)。帳簿書類を保存していれば、収入が300万円以下でも事業所得と認められることがあります。事業所得と認められると青色申告の適用が可能になり、複式簿記で記帳して期限内に申告すれば55万円、さらにe-Tax申告または優良な電子帳簿保存の要件を満たせば65万円の特別控除が受けられます(どれにも当たらない青色申告は10万円。国税庁 No.2072 2026-10-16確認)。個別の判断は税理士等にご相談ください(所得税基本通達35-2 2026-10-17確認)。
インボイス未登録のフリーランスは確定申告に影響がありますか?
インボイス登録の有無は確定申告の申告方法自体には影響しません。ただし、インボイス未登録(免税事業者)のフリーランスは消費税の申告・納税義務がありません。一方、インボイス登録をしている場合は消費税の申告が別途必要です(免税事業者・2割特例・3割特例の適用状況によります)。インボイス制度の詳細はインボイス制度 2026年の変更点をご覧ください。
副業収入20万円以下なら住民税の申告も不要ですか?
いいえ、住民税には「20万円以下の申告不要ルール」が存在しません。所得税の「20万円ルール」はあくまで所得税(確定申告)の特例で、住民税の申告義務は別に存在します。副業所得が20万円以下でも、住んでいる市区町村への住民税申告が必要です(ただし、所得税の確定申告を行った場合は、住民税の申告も行ったとみなされます)。住民税の申告期限は翌年3月15日(2026年分は2027年3月15日)が目安です。
税務署の確定申告相談はどこで予約できますか?
国税庁「確定申告会場の案内」ページから最寄りの申告会場・相談日程を確認できます。2026年2月16日〜3月16日の申告期間中は全国の税務署および臨時申告会場で対面相談を受け付けています。事前予約は国税庁の確定申告特集ページ(nta.go.jp)から行えます。LINEや電話での事前予約に対応している会場もあります(2026-05-28確認)。
医療費控除の「10万円以上」というのは世帯全体の金額ですか?
はい、同一生計の家族全員分の医療費を合算して計算します。10万円の閾値は「総所得金額等の5%」と「10万円」の少ない方です。総所得金額等が200万円未満の方は10万円ではなく「総所得金額等×5%」が閾値になるため、少額でも控除を受けられる場合があります(総所得金額等は年収そのものではありません。給与だけの人なら、令和7年分は年収約297万円未満が目安。給与所得控除「収入×30%+8万円」で計算)。
修正申告と更正の請求の違いは何ですか?
修正申告は「申告内容が少なすぎた(税額が低かった)」場合に自分から提出するもの、更正の請求は「申告内容が多すぎた(税額が高かった)」場合に還付を求めるものです。修正申告は随時提出可能で、提出が遅れると延滞税が加算されます。更正の請求は原則として法定申告期限から5年以内(還付申告をした年分は、還付申告書を出した日から5年以内)に行う必要があります(国税庁 No.2030 2026-10-17確認)。間違いに気づいたら早めに対処することが重要です(国税庁 2026-05-28確認)。