本記事は2026-05-28時点の情報に基づいています。法令・ガイドラインの最新情報は必ず 公正取引委員会公式ページおよび 厚生労働省公式ページで確認してください。 本記事は公的一次ソース準拠の一般情報です。個別の取引判断・契約整備は弁護士にご相談ください。架空の弁護士監修は行っていません。

フリーランス新法とは — 背景・目的・施行日

フリーランス新法の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)です。2024年11月1日に施行されました(公正取引委員会公式ページ 2026-05-28確認)。

この法律が生まれた背景には、フリーランスとして働く人が急増する一方で、業務委託取引における不当な扱いが横行していた実態があります。口頭のみの発注・一方的な報酬カット・成果物のやり直し強要・突然の契約打ち切りなどが慢性化しており、フリーランスは交渉力で大幅に不利な立場に置かれていました。

法律の主な目的は2つです。

  • 取引の適正化: 発注者に書面明示・禁止行為の遵守を義務付ける
  • 就業環境の整備: ハラスメント対策・育児介護配慮の義務を課す
項目 内容
正式名称 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)
施行日 2024年11月1日(令和6年11月1日)
所管機関 公正取引委員会・厚生労働省・中小企業庁(共同所管)
2026年の改正 解釈ガイドライン改定(令和7年10月1日改定・2026年1月1日施行)
法令番号 令和5年法律第25号

出典: 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」e-Gov法令検索(2026-05-28確認)

対象者:「特定受託事業者」の正式定義

フリーランス新法は、以下の2者の取引に適用されます。

立場 正式名称 定義 具体例
フリーランス(受託側) 特定受託事業者 業務委託の相手方である事業者で、従業員(労働者)を使用しない個人事業主または一人法人(役員のみ) 個人デザイナー・個人ライター・個人エンジニア・個人コンサルタント・フリー翻訳者・個人カメラマン
発注者(委託側) 業務委託事業者 / 特定業務委託事業者 フリーランスに業務委託する事業者。従業員を1人でも雇用している場合は「特定業務委託事業者」として義務が強化される 中小企業・スタートアップ・個人事業主(従業員あり)・大企業がフリーランスに発注する場合
重要な判断基準: 「フリーランス(特定受託事業者)」に該当するかどうかは、従業員を使用しているかどうかが唯一の基準です。資本金・売上・業種・副業かどうかは関係ありません。パートタイム・短時間・アルバイトを1名でも雇用している場合は、特定受託事業者に該当しません。

注意が必要なケース

  • 一人法人(社長のみ・役員のみ): 「従業員を使用しない」に該当するため、特定受託事業者に含まれる
  • 個人事業主が別の個人事業主に発注: 発注側も従業員なし個人事業主の場合、「書面明示義務(第3条)」は適用されるが、禁止行為・育児介護配慮等は従業員を使用する発注者のみに適用
  • 副業フリーランス(会社員が副業で業務委託を受ける): 副業側の取引においても本法が適用される。ただし、副業フリーランス自身が従業員を使用していないことが条件

出典: 公正取引委員会公式ページ中小企業庁 フリーランス新法(2026-05-28確認)

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発注者に課される7種類の義務

フリーランス新法が発注事業者に課す義務は、適用条件によって3段階に分かれます。以下の全体マップで自社の状況を確認してください。

義務の種類 適用条件(発注側) 法条文
① 取引条件の書面明示 すべての発注者(従業員の有無を問わず) 第3条
② 報酬の60日以内支払 すべての発注者(従業員の有無を問わず) 第4条
③ 7つの禁止行為の遵守 従業員を使用する発注者・1ヶ月以上の継続委託の場合 第5条
④ 募集情報の的確な表示 従業員を使用する発注者(募集を行う場合) 第12条
⑤ 育児・介護への配慮 従業員を使用する発注者・6ヶ月以上の継続委託の場合 第13条
⑥ ハラスメント防止体制の整備 従業員を使用する発注者 第14条
⑦ 中途解除の30日前予告 従業員を使用する発注者・6ヶ月以上の継続委託の場合 第16条

③ 7つの禁止行為(第5条)の詳細

1ヶ月以上の継続業務委託において、以下の7行為が禁止されています。

禁止行為 具体的なNG例
受領拒否 正当な理由(仕様未達・重大な納期遅延等)なく、納品物の受け取りを拒否する
報酬の減額 合意した報酬を後から一方的に引き下げる(「予算が足りない」は理由にならない)
返品 正当な理由なく、受領済みの成果物を返品する
買いたたき 通常の相場より著しく低い対価の設定・強要。インボイス未登録を理由に消費税相当額を控除することも含む(2026年1月改正ガイドライン)
購入・利用の強制 業務に不要な商品・ソフトウェア・サービスの購入を要求する
不当な経済上の利益の提供要請 協賛金・接待費・無償作業を一方的に要求する
不当な給付内容の変更・やり直し 合意なく仕様変更・追加作業・修正を強要する

⑦ 中途解除30日前予告の詳細(第16条)

6ヶ月以上の継続的業務委託を中途解除する場合または更新しない場合、原則として30日前までに書面・FAX・メール等で予告し、解除理由を開示する義務があります。

  • フリーランスの重大な契約違反(守秘義務の重大違反等)がある場合は即時解除が可能
  • 予告なく解除した場合、30日分相当の損害賠償リスクが生じる
  • 口頭での予告は認められない(書面または電磁的方法が必要)

出典: 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(2026-05-28確認)

書面明示義務9項目チェックリスト(テーブル)

フリーランス新法第3条に基づき、業務委託の際に書面または電磁的方法で交付必須の9項目です。1項目でも欠けると義務違反になります。

# 明示事項 記載例 注意点
1 業務委託をした日(交付日) 令和8年6月1日 業務委託と同時に交付が原則
2 発注事業者の名称 株式会社〇〇 屋号・法人名を正確に記載
3 受託者(フリーランス)の名称 山田太郎(屋号:△△デザイン) 屋号がある場合は屋号も記載
4 業務の内容 コーポレートサイトリニューアル デザイン制作(トップ1枚・下層9枚) 「デザイン制作」だけでは不十分。具体的な内容・範囲を明記
5 給付受領日または役務提供期間 令和8年7月31日 / 令和8年6月1日〜令和8年7月31日 「納期」「期間」どちらかを具体的に記載
6 給付受領場所または役務提供場所 オンライン(データ納品) / 東京都〇〇区△△ リモート納品の場合は「オンライン」でも可
7 検査完了日(検査を実施する場合) 受領日から7日以内 検査なしの場合は記載不要。「受領=検査完了」も可
8 報酬の額 金350,000円(税別) 税別・税込の区別と消費税率(10%)を明記。「応相談」は不可
9 報酬の支払期日・支払方法 納品・検査完了から30日以内 銀行振込 受領日から60日以内が上限。現金以外の方法を記載
「電磁的方法」での交付も認められます(2026年1月改正ガイドライン): メール・Slack・クラウドサービスへの共有・電子契約システム送付でもOKです。ただし、受託者(フリーランス)が確認・保存できる状態で交付する必要があります。チャットのみ(9項目が揃っていない)は義務違反です。
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2026年1月改正:解釈ガイドライン改定の実務影響

令和7年(2025年)10月1日、公正取引委員会・厚生労働省が「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」(解釈ガイドライン)を改定し、2026年1月1日から適用されています。

多くの競合記事がフリーランス新法の2024年施行時点の情報で止まっています。本セクションは2026年1月改正対応版として執筆した最新情報です。

改定ポイント1:禁止行為の具体例追加による明確化

第5条の7つの禁止行為について、実際の取引パターンに基づく具体的事例が追加されました。判断基準が曖昧だった領域が明確化されています。

禁止行為 2026年1月改正で追加・明確化された具体例
買いたたき フリーランスがインボイス(適格請求書)の未登録事業者であることを理由に、消費税相当額(10%)を一方的に控除・減額する行為が「買いたたき」として明確に位置づけられた。単純な「消費税控除」でも違反になりうる
不当な変更・やり直し 発注後に発注者側の都合で仕様を変更し、追加報酬なしで修正を要求する行為。「ちょっとした修正」と称した大幅変更も該当する可能性が明示された
報酬の減額 「業界慣行」「値下げ交渉」の名目で一方的に決定する減額が禁止。合意なき減額はすべてNG

改定ポイント2:電磁的方法による明示の範囲拡充

第3条の書面明示について、メール・チャットサービス・電子契約システム等のより広い電磁的方法が認められる旨が明記されました。現場の実務実態に合わせた緩和ですが、9項目が完全に含まれること・フリーランスが受信・確認できることが要件です。

  • OK: メール添付(PDF・Word)で9項目を交付
  • OK: 電子契約システム(クラウドサイン・GMOサイン等)で送付・署名
  • OK: Slack・Chatwork等のビジネスチャットに9項目を記載して送付(保存可能な形式)
  • NG: 口頭のみ・電話のみ
  • NG: チャットで「よろしく」とだけ送った(9項目が揃っていない)

改定ポイント3:フリーランス新法と取適法の優先関係整理

2026年1月には、フリーランス新法と同時期に「取適法(中小受託取引適正化法・改正下請法)」も施行されています。両法が競合する案件では「原則としてフリーランス新法が優先適用される」という優先順位が解釈ガイドラインで明示されました。

インボイス未登録フリーランスへの消費税控除は「買いたたき」: 2026年1月以降、フリーランスがインボイス未登録(免税事業者)であることを理由に、消費税相当額(10%)を報酬から一方的に差し引くことは「買いたたき」として違反とみなされる可能性が明確化されました。免税事業者との取引における消費税の扱いは、双方が合意した契約書に明記することが必要です。

現場の対応アクション(発注側企業)

  • 既存の発注書・取引条件明示書を見直す: 9項目がすべて揃っているか確認。特に「報酬額の税別・税込明記」「支払期日の60日以内確認」を優先
  • インボイス未登録のフリーランスとの取引条件を再確認: 消費税の扱い(控除しない・一部協議等)を契約書に明記する
  • 社内の発注フローを見直す: 口頭発注・チャットのみの発注が残っている場合は、書面明示(電磁的方法でも可)のフローを整備する

出典: 公正取引委員会・厚生労働省「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方(解釈ガイドライン)」改定(令和7年10月1日改定・2026年1月1日施行)。公正取引委員会公式ページ(2026-05-28確認)

違反時の罰則・指導・公表と申告窓口

フリーランス新法に違反した発注者に対する行政的措置は以下の段階で実施されます。

段階 措置の内容 実施機関
1. 指導・助言 法令遵守に向けた行政指導。多くのケースはまずここから 公正取引委員会・厚生労働省・都道府県
2. 勧告 指導後も改善されない場合。勧告時に事業者名が公表される可能性がある 公正取引委員会・厚生労働省
3. 命令(措置命令) 勧告後も従わない場合に出される法的命令 公正取引委員会
4. 罰金(50万円以下) 命令違反・報告徴収への虚偽報告の場合。法人の場合も対象 —(刑事罰)
5. 過料(20万円以下) 報告義務違反・立入検査拒否の場合 —(行政罰)
6. 事業者名の公表 勧告・命令段階での公表。レピュテーションへのダメージ大 公正取引委員会・厚生労働省

施行後1年間の行政措置実績(参考)

公正取引委員会の情報によると、フリーランス新法施行後11ヶ月で445件の勧告・指導が出ており、2026年以降はさらに執行が強化される見通しです。主な違反業種は出版業・放送業・小売業・サービス業・情報通信業など幅広い業種に及んでいます。

フリーランスが申告できる窓口

問題の種類 相談・申告窓口 連絡先
書面未交付・受領拒否・報酬減額等(取引適正化) 公正取引委員会 0570-033-10
同上(中小企業庁窓口) 中小企業庁 取引調査室 0570-064-350
ハラスメント・育児介護配慮(就業環境) 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室) 各労働局へ
総合相談 内閣官房 フリーランス相談窓口 内閣官房ページ

申告は匿名でも可能です。書面未交付・受領拒否・報酬減額などの具体的証拠(発注書・チャット・メール・振込明細等)を保全した上で申告することを推奨します。

出典: 公正取引委員会内閣官房厚生労働省(2026-05-28確認)

下請法との違い(比較テーブル)

フリーランス新法と下請法(および2026年1月施行の取適法)はしばしば混同されます。以下の比較テーブルで違いを確認してください。

比較項目 フリーランス新法 下請法(旧来)/ 取適法(2026年1月〜)
正式名称 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 下請代金支払遅延等防止法 / 中小受託取引適正化法(取適法)
施行日 2024年11月1日 下請法: 昭和31年〜 / 取適法: 2026年1月1日
保護対象(受託者) 従業員なしのフリーランス(特定受託事業者) 資本金・従業員数が一定基準以下の中小事業者(フリーランスを含む場合もある)
発注者の条件 業種・資本金・従業員数を問わず適用(従業員有無で義務の範囲が変わる) 委託内容によって資本金3億円超・従業員300人超等の要件あり
支払期日 受領日から60日以内 下請法: 受領日から60日以内 / 取適法: 同様の規制
ハラスメント対策義務 あり(第14条) なし
育児介護配慮義務 あり(6ヶ月以上の継続委託・第13条) なし
中途解除予告義務 あり(6ヶ月以上の継続委託・30日前予告・第16条) なし
両法が競合した場合 フリーランス新法が原則として優先(2026年1月改正解釈ガイドライン)。下請法が同時に適用される場合は、両方の義務を遵守する必要がある
「取適法(中小受託取引適正化法)」はフリーランス新法とは別の法律です: 「取適法」という呼称はフリーランス新法を指す場合と、2026年1月施行の改正下請法を指す場合の両方があるため混乱が生じています。本記事の対象は2024年11月1日施行のフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)です。

出典: 公正取引委員会中小企業庁(2026-05-28確認)

フリーランス側の自衛策

フリーランス新法はフリーランスを守るための法律ですが、受動的に保護を待つだけでなく、自ら証拠を保全し申告できる状態を整えることが重要です。

証拠保全の基本(紛争時に備えて)

  • 発注書・取引条件明示書のコピーを保管: 受領した書面・メールはすべて保管する。チャットのスクリーンショットも有効
  • 報酬減額・受領拒否の申し入れが来たら記録: メールやチャットで「〇〇日に〇〇を理由に報酬減額の申し入れがあった」と記録する
  • 業務完了の証拠を残す: 納品メールの送信履歴・納品データのタイムスタンプ・発注者からの受領確認メッセージを保全する
  • 発注者との通話を録音(可能な場合): 重要な交渉・不当要求の通話は録音しておく(録音の合法性は状況による)

契約書ひな型で事前防衛する

フリーランス新法が施行されても、口頭のみ・発注側が用意した不利な契約書のままでは実務上リスクが残ります。自分でフリーランス新法準拠の契約書・取引条件明示書のひな型を持ち、発注時に提示することが最も効果的な自衛策です。

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報酬計算・手取りシミュレーション

交渉前に「適正な報酬額」と「実手取り」を把握しておくことも重要です。

発注側企業の対応マトリクス

発注側企業がフリーランス新法(および2026年1月改正ガイドライン)に対応するための、優先度・緊急度別のアクションマトリクスです。

緊急対応(即時着手)

  • 既存の発注書・取引条件明示書の棚卸し: 書面が存在するか・9項目が揃っているか確認
  • 口頭発注フローの廃止: 社内の発注プロセスで書面明示が必要なフローを整備
  • 支払サイトの確認: 受領日から60日を超えている取引先との契約を見直す
  • インボイス未登録フリーランスとの取引条件を見直す: 消費税相当額の控除は「買いたたき」に該当しうる

中期対応(3ヶ月以内)

  • 既存契約書の改定: フリーランス新法対応の条項を追加・既存の不適切条項を削除
  • ハラスメント防止体制の整備: 社内のハラスメント対策をフリーランスへの委託関係にも拡張
  • 社内研修の実施: 調達部門・業務委託を行う部門への法律説明研修
  • 6ヶ月以上の継続委託先リストの作成: 育児介護配慮・中途解除予告義務の対象を把握

業種別の重点リスク(発注者の立場別)

業種・発注者タイプ 最も注意すべき義務 典型的な違反リスク
IT・Web(エンジニア・デザイナー委託) 書面明示・禁止行為(仕様変更・やり直し) 「ちょっとした修正」と称した大幅仕様変更
出版・メディア(ライター・イラストレーター委託) 報酬60日以内・買いたたき 掲載中止・没原稿の報酬未払い・著しく低い原稿料
建設(一人親方への委託) 書面明示・中途解除予告 現場都合による急な作業中止・日当のみの口頭委託
EC・小売(物流・梱包の個人委託) 受領拒否禁止・募集情報表示 理由不明の受領拒否・実態と異なる募集条件
コンサル・士業(個人顧問委託) 書面明示・中途解除予告(6ヶ月以上) 継続顧問契約の突然の打ち切り・30日前予告なし
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よくある質問(FAQ)

フリーランス新法の対象は個人事業主全員ですか?
いいえ。従業員(労働者)を使用していない個人事業主または一人法人(役員のみ)が対象です。「フリーランス(特定受託事業者)」の定義は「業務委託の相手方である事業者であって、従業員を使用しないもの」です(法第2条)。パートタイムや短時間の労働者を1人でも雇用している場合は「特定受託事業者」に該当しないため、発注側からの保護義務が変わる場合があります。自分が該当するかどうかは、公正取引委員会公式サイトで確認することを推奨します。
口頭のみの発注はフリーランス新法違反になりますか?
はい、違反です。フリーランス新法第3条は、業務委託の際に9項目を書面または電磁的方法(メール・クラウドサービス等)で、業務委託と同時に交付することを義務付けています。口頭のみ・チャットのみ(項目が不完全な場合)は義務違反となります。ただし、メール・Slack・電子契約システムでの送付は認められます(2026年1月施行の改正解釈ガイドラインで電磁的方法の範囲が明確化)。
海外クライアントからの発注もフリーランス新法の対象ですか?
原則として国内で業務を行うフリーランスへの発注が対象です。外国法人が日本のフリーランスに発注する場合、当該外国法人が「特定業務委託事業者」に該当するかどうかは、その事業者が日本国内で従業員を使用しているかどうかで判断されます。海外在住フリーランスへの国内事業者からの発注については、取引実態・準拠法の合意によって異なるため、個別に弁護士に相談することを推奨します(本情報は一次ソース確認をお勧めします)。
報酬の支払期日(60日以内)の起算日はいつですか?
成果物の受領日(または役務の提供を受けた日)から60日以内が原則です(フリーランス新法第4条)。検査を行う場合は「検査完了日(給付受領日から原則20日以内)から60日以内」と読み替えます。取引条件明示書には「支払期日」を具体的に記載する必要があります。
  • 月末締め翌月末払い(最大31日)→ OK
  • 月末締め翌々月15日払い(最大46日)→ OK
  • 月末締め翌々月末払い(最大62日)→ NG(60日超過)
受領拒否の例外(正当な理由)はありますか?
はい、正当な理由がある場合は受領拒否が認められます。代表的な正当な理由は以下の通りです。
  • 合意した仕様・品質基準を明らかに満たさない成果物である場合
  • 納期に重大な遅延があった場合(軽微な遅延は正当な理由にならない)
  • 発注書に記載した業務内容と著しく異なる内容である場合
一方、「予算が削減された」「担当者が変わった」「方針が変わった」などの発注者側の都合は正当な理由に該当しません。2026年1月施行の改正解釈ガイドラインで、禁止行為の判断基準の具体例が追加されました。
募集情報(求人)の正確性はどんなルールですか?
フリーランス新法第12条により、募集情報は正確・最新の状態を保つ義務があります。具体的には以下が禁止されています。
  • 実際と異なる報酬額・業務内容の記載
  • 応募締め切りが過ぎた募集の継続掲載
  • 「応相談」と記載して明示を回避すること
クラウドソーシングサービス・仕事依頼サービスを通じた募集も対象です。条件が変わった場合は速やかに更新または取り下げが必要です。
トラブル時の相談窓口はどこですか?
相談先は問題の性質によって異なります。
  • 取引適正化(書面未交付・受領拒否・報酬減額等): 公正取引委員会(0570-033-10)・中小企業庁(0570-064-350)
  • 就業環境(ハラスメント・育児介護配慮): 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)
  • フリーランス総合窓口: 内閣官房 フリーランス相談窓口(内閣官房ページ
申告は匿名でも可能です(公正取引委員会)。書面明示義務違反・報酬減額などの具体的証拠がある場合は保全した上で申告することを推奨します。
2026年1月施行の解釈ガイドライン改定の重要ポイントは何ですか?
令和7年(2025年)10月1日に解釈ガイドラインが改定され、2026年1月1日から適用されています。主な3点は以下の通りです。
  • 禁止行為の具体例追加: 「買いたたき」「不当な変更要求」などの判断基準が実際の取引パターンに基づいて詳細化。特にインボイス未登録を理由とした消費税相当額の一方的控除が「買いたたき」として明確に位置づけられた
  • 電磁的明示の範囲拡充: メール・Slack・電子契約システム等、より広い電磁的方法が9項目明示の方法として認められると明確化
  • フリーランス新法と取適法(改正下請法)の優先関係整理: 両法が競合する案件ではフリーランス新法が優先適用されることが原則として明示
(出典: 公正取引委員会・厚生労働省 解釈ガイドライン改定。2026-05-28確認)
本記事は、公正取引委員会(https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/)・厚生労働省・中小企業庁の公式資料(2026-05-28確認)に基づく一般的な情報提供を目的としています。本記事は架空の弁護士・専門家による監修を行っていません。公的一次ソース準拠の一般情報として提供しています。個別の取引への適用・契約書の法的判断・紛争対応については弁護士等の専門家にご相談ください。

フリーランス新法の相談窓口: 公正取引委員会(0570-033-10)・中小企業庁(0570-064-350)・内閣官房 フリーランス相談窓口
主な一次ソース: 公正取引委員会厚生労働省中小企業庁e-Gov法令検索