年収の壁とは(税金の壁と社会保険の壁の全体像)
年収の壁とは、パート・アルバイト・副業収入が一定額を超えると
税金や社会保険料の負担が発生し、手取りが急激に減る分岐点のことです。
壁は大きく「税金の壁」と「社会保険の壁」の2種類に分かれます。
以下の一覧表が2026年時点での主要な年収の壁です。
2025〜2026年にかけて複数の制度が改正されており、正しく把握しないと損をする可能性があります。
| 年収ライン | 種別 | 内容(2026年5月時点) | 2026年変更 |
| 約100〜110万円 | 住民税 | 均等割・所得割が発生する(自治体差あり) | なし |
| 106万円 | 社会保険 | 特定適用事業所の短時間労働者(週20h以上)が厚生年金・健保の加入対象 | 2026年10月1日:月収賃金要件を撤廃(施行済み) |
| 130万円 | 社会保険 | 一般事業所での扶養認定ライン(健保) | 2026年4月:契約ベース判定に変更済み |
| 160万円 | 所得税 | 令和7年(2025年)分の所得税非課税ライン(基礎控除95万円+給与所得控除65万円。合計所得132万円以下=給与収入197万円以下) | 令和6年以前の103万円から引き上げ |
| 178万円 | 所得税 | 令和8年(2026年)分の所得税非課税ライン(基礎控除104万円+給与所得控除74万円。基礎控除104万円は合計所得489万円以下=給与収入665万5,556円以下) | 令和8年度税制改正で160万円から引き上げ(令和8年12月1日施行・令和8年分・令和9年分に適用。令和10年分以後は168万円) |
【重要】「178万円の壁」は実在する現行制度です:
令和8年度税制改正(所得税法等の一部を改正する法律・令和8年3月31日成立公布)により、
基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、
令和8年(2026年)分・令和9年(2027年)分の所得税の課税最低限は178万円になりました(令和10年分以後は168万円)。
施行日は令和8年12月1日で、
令和8年11月までの源泉徴収事務は変わりません。
令和8年12月に行う年末調整で、改正後の控除額に基づいて1年分の税額を計算し直して精算します
(
国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」 2026-10-03確認)。
出典: 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」・
国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」(PDF)(2026-08-26確認)、
厚生労働省「短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント」(PDF)(2026-08-26確認)
注意: 年収の壁の「数値」は年ごとに変わります。
この記事は2026年8月26日時点の情報をもとに作成しています。
最終的な税額・保険料は個人の状況によって異なるため、不明な点は税理士・社労士にご相談ください。
本ページは一般情報の提供を目的としており、個別の税務・労務相談ではありません。
2026年の税金の壁(178万円の壁・令和7年分160万円との違い)
給与所得者の所得税非課税ラインは、2年連続で引き上げられました。
「103万円の壁」として長年語られてきた水準は、令和7年度税制改正で令和7年(2025年)分から160万円になり、
さらに令和8年度税制改正で、令和8年(2026年)分・令和9年(2027年)分は178万円になっています(令和10年分以後は168万円)。
「今年はどちらの数字なのか」を取り違えると年末調整でズレるので、年分で分けて把握してください。
基礎控除・給与所得控除の改正内容(出典: 国税庁)
所得税がかからない年収は「基礎控除+給与所得控除」の合計で決まります。
2025〜2026年の改正で、この合計額が以下のように変わりました。
| 適用年分 | 基礎控除(最大) | 給与所得控除(最低) | 所得税非課税ライン | 出典 |
| 〜令和6年(2024年)分 | 48万円 | 55万円 | 103万円 | 国税庁 No.1199 |
| 令和7年(2025年)分 | 95万円(合計所得132万円以下=給与収入197万円以下) | 65万円(給与収入190万円以下) | 160万円 | 国税庁 令和7年度改正 |
| 令和8年(2026年)分・令和9年(2027年)分 | 104万円(合計所得489万円以下=給与収入665万5,556円以下) | 74万円(給与収入220万円以下) | 178万円 | 国税庁 令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし |
| 令和10年(2028年)分以後 | 99万円(合計所得132万円以下) | 69万円 | 168万円 | 国税庁 No.1199・あらまし |
令和8年分・令和9年分の基礎控除は年収帯で3段階:
合計所得489万円以下(給与収入665万5,556円以下)で104万円、
489万円超655万円以下(給与収入850万円以下)で67万円、
655万円超2,350万円以下で62万円です
(所得税法の本則62万円に、租税特別措置法の加算額を上乗せした金額)。
「178万円の壁」は、この104万円が使える年収帯の給与所得者の話です。
令和10年分以後は加算額が変わり、基礎控除は合計所得132万円以下で99万円・それを超えると62万円、
給与所得控除の最低保障額は69万円になります。所得税の非課税ラインは168万円です
(どちらも法律で決まっている額。令和10年分以後は2年ごとに物価に応じて見直すのが基本とされています)。
いつから効くのか(実務上いちばん間違えやすい点):
この改正は
令和8年12月1日施行・令和8年分以後の所得税に適用されます。
毎月の給与から引かれる源泉徴収税額は
令和8年11月分まで変わりません。
令和8年12月に行う年末調整で、改正後の控除額に基づいて1年分の税額を計算し直し、
それまでに源泉徴収された税額との差額を精算します
(
国税庁 2026-08-26確認)。
住民税の壁(約100〜110万円)
住民税は所得税とは別の計算体系です。2026年度分(令和8年度)の住民税も改正があります。
- 住民税は「年度」、所得税は「年分」で1年ずれます。
令和8年度の住民税は令和7年1月1日〜12月31日の収入で計算されます。ここを取り違えると壁の額を1年間違えます
- 均等割(一律5,000円程度): 令和8年度住民税では、扶養親族がいない場合
給与収入110万円以下なら非課税です(令和7年度までは100万円)。
給与所得控除の最低保障額が55万円→65万円に上がったぶん引き上がりました。
110万円は合計所得45万円が基準の市区町村(東京23区など)の額で、
基準が41.5万円の市町村(例: 愛知県清須市)では給与収入106万5千円以下です(41.5万円+65万円)
- 令和9年度住民税(令和8年分所得)は、住民税でも給与所得控除の最低保障額が74万円になるため、
非課税の目安は給与収入119万円に上がります(45万円+74万円。基準が45万円の市区町村の場合)。
74万円のうち5万円は令和9年度・令和10年度の2年間だけの措置です
- 扶養親族の人数・障害者/未成年者/寡婦/ひとり親の該当有無、および自治体によって基準が異なるため、
居住市区町村への確認を推奨します
出典: 江戸川区「2026年(令和8年)度分住民税から適用されるもの(いわゆる「年収の壁」の変動)」(2026-10-03確認・各自治体差あり)、
総務省「個人住民税の基礎控除等について」(令和8年5月29日・資料3)(令和9年度分からの給与所得控除74万円と非課税ライン119万円。2026-10-03確認)、
清須市「住民税非課税範囲(2級地の場合)」(PDF)(2026-10-03確認)。
「160万円」と「178万円」は年分が違うだけで、どちらも実在する
ネット上には「2026年の壁は160万円」「178万円」と混在した情報があります。
これはどちらかが間違いなのではなく、適用される年分が違うだけです。
- 160万円の壁 = 令和7年(2025年)分: 基礎控除95万円+給与所得控除65万円。令和7年度税制改正で103万円から引き上げ
- 178万円の壁 = 令和8年(2026年)分・令和9年(2027年)分: 基礎控除104万円+給与所得控除74万円。令和8年度税制改正で160万円から引き上げ(令和8年12月1日施行)。令和10年分以後は168万円
- いずれも「給与所得控除の最低保障額が使える給与収入(令和7年分は190万円以下、令和8年分・令和9年分は220万円以下)」かつ「基礎控除が満額の合計所得帯」の給与所得者が前提です
- 2026年(令和8年)中に確定申告や年末調整をする場合、対象が令和7年分なら160万円、令和8年分なら178万円です
🧮 keisan-navi 無料ツール
年収の壁・手取りシミュレーター
年収・扶養状況を入力 → どの壁を超えているか・手取り額を自動計算
→ 2026年の社会保険の壁(106万・130万・150万)
社会保険の壁は税金の壁と独立しています。
「所得税の壁が178万円になった」としても、社会保険の扶養からは外れる可能性があります。
2026年は社会保険制度でも大きな改正があります。
106万円の壁:2026年10月1日に月収賃金要件が撤廃された
106万円の壁(特定適用事業所での短時間労働者の社会保険加入要件)は、
2026年9月30日までは以下の4要件すべてを満たす場合に適用されていました。
所定内賃金が月額8.8万円以上(賃金要件 ← 2026年10月1日に撤廃) - 週の所定労働時間が20時間以上
- 勤め先が従業員数51人以上の企業であること(企業規模要件)
- 学生でないこと
令和7年年金制度改正法により、賃金要件(月額8.8万円)は2026年10月1日に撤廃されました(施行済み)。
判断の目安とされていた「全国の最低賃金1,016円以上」は、
令和7年度の地域別最低賃金で全都道府県が達成済みで、
週20時間以上働けば月額8.8万円以上になるため、要件としての意味がなくなっていました。
日本年金機構のページも、週の所定労働時間が20時間以上で学生でなく、勤め先が企業規模要件を満たせば、短時間労働者として健康保険・厚生年金保険の加入対象になると案内しています。
なお、最低賃金の減額特例の許可を受けた人で所定内賃金が月額8.8万円未満の場合は、原則として加入対象外です。
2026年10月1日以降の社会保険加入要件:
週20時間以上 + 学生でない + 勤め先が企業規模要件を満たす = 社会保険加入対象(年収の下限はなし)。
企業規模要件を満たさない勤め先では、この要件だけでは加入対象になりません。
企業規模要件も段階的に縮小されます:
現在 51人以上 → 令和9年(2027年)10月から36人以上 → 令和11年(2029年)10月から21人以上
→ 令和14年(2032年)10月から11人以上 → 令和17年(2035年)10月から10人以下。
なお企業規模要件を満たさない企業でも、従業員の2分の1以上の同意があれば任意で加入できます。
出典: 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」(2026-10-07確認)。企業規模要件の段階的な縮小は厚生労働省「短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント」(PDF・令和8年1月作成)(2026-08-26確認)
130万円の壁:2026年4月から契約ベース判定に変更済み
一般の事業所(特定適用事業所以外)で働く場合や、
特定適用事業所でも企業規模要件外の場合、健保の扶養認定は年収130万円が基準です。
2026年4月1日から、被扶養者認定の基準が「労働契約ベース」に変わりました。
これまでは「見込み年収」(残業代込み)で判定されていたため、
一時的な残業で年収が130万円を超えると扶養から外れるリスクがありました。
改正後は労働条件通知書に記載された契約賃金を基準に判定するため、
「残業が多い月があっても扶養を維持しやすくなった」という実務上の緩和効果があります。
- 対象: 給与収入のみの方(副業・不動産収入がある方は従来通りの判定)
- 通勤手当は全額収入に算入される点は変わらず
- 「契約上130万円未満でも実際に大幅超過」が続く場合は扶養外れの可能性あり
📄 関連テンプレート(無料DL)
労働条件通知書テンプレート
130万円壁の契約ベース判定に対応。Word/PDF形式。会員登録不要。
→ パート・配偶者・学生別 手取りシミュレーション解説
年収の壁は立場によって影響が大きく異なります。
以下にパターン別の考え方を整理します。
正確な数値は個人の状況(家族構成・勤め先・自治体)によるため、
keisan-naviのシミュレーターをあわせてご活用ください。
パート主婦(夫)の場合
配偶者の扶養に入っているパートの方が最も壁の影響を受けやすいパターンです。
| 年収ライン | 主な変化 | 2026年の状況 |
| 〜約110万円 | 住民税の発生 | 100〜110万円超で住民税(自治体差あり) |
| 〜130万円 | 健保の扶養内 | 2026年4月から契約ベース判定(一時超過に緩和) |
| 130〜178万円 | 社会保険料が発生(所得税はまだかからない) | 扶養外れ+社保料負担で手取りが一時的に減りやすい |
| 178万円〜 | 所得税も発生(令和8年分) | 令和8年分の所得税非課税ラインは178万円(令和7年分は160万円) |
「130万円超〜178万円」のゾーンは社会保険料の負担が増える一方で収入も増えるため、
損益分岐点を正確に計算してから調整することが重要です。
配偶者控除を受けている側(稼ぎ手)の場合
配偶者(パート等)の年収が上がると、稼ぎ手側の税制上の控除にも影響します。
- 配偶者控除:
令和8年(2026年)分は配偶者の合計所得62万円以下(給与収入136万円以下)で適用
(令和7年分は58万円以下=給与収入123万円以下、令和6年分以前は48万円以下=103万円以下)
- 配偶者特別控除:
令和8年分は配偶者の合計所得62万円超133万円以下(給与収入136万円超207万円以下)で段階的に適用
(令和7年分は58万円超133万円以下=給与収入123万円超201万5,999円以下)
- 特定扶養控除(19〜22歳の子):
令和8年分は子の合計所得62万円以下(給与収入136万円以下)で63万円。
これを超えても特定親族特別控除があり、給与収入159万円までは63万円が満額、
以後 61→51→41→31→21→11→6→3万円と段階的に下がり、
給与収入197万円(合計所得123万円)で0になります。
「150万円を超えた瞬間に63万円が丸ごと消える」わけではありません
出典: 国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」(PDF・令和8年4月1日現在法令等)(2026-08-26確認)
学生アルバイトの場合
学生の場合、「勤労学生控除(27万円)」が使えます。
ただし、親の扶養から外れる条件は親の収入・扶養控除額に影響するため、
家族全体で考える必要があります。
- 勤労学生控除の条件(令和8年分): 合計所得89万円以下(給与収入163万円以下)(令和7年分は85万円以下=給与収入150万円以下)
- 2026年(令和8年)分の本人の所得税非課税ライン: 178万円。
勤労学生控除は給与収入163万円までしか使えないため、
給与収入だけの学生には勤労学生控除による上乗せ効果はありません
(178万円までは勤労学生控除がなくても所得税がかかりません)
- 親の扶養(特定扶養控除)の条件(令和8年分): 子の合計所得62万円以下=給与収入136万円以下で63万円。
超えても特定親族特別控除で給与収入159万円までは63万円が満額
- 健康保険の被扶養者認定: 19歳以上23歳未満(配偶者を除く)は年間収入150万円未満に緩和されています
(厚生労働省 令和7年7月4日 保発0704第2号・令和7年10月1日適用)
- 106万円の壁(2026年10月以降): 学生は週20時間以上でも適用除外
学生の注意点:
令和8年分は、子の給与収入が136万円を超えると特定扶養控除(63万円)から
特定親族特別控除に切り替わり、159万円を超えたところから控除額が段階的に減っていきます
(197万円で0)。崖ではありませんが、親の税負担は確実に増えます。
自分の手取り増加と親の税負担増加を合算して判断してください。
2026年 年収の壁 対策チェックリスト
2026年の改正を踏まえ、年収の壁に対応するためのチェック項目を整理します。
- 自分(または家族)の今年の年収見込みを把握しているか
- 勤め先が特定適用事業所かどうか確認したか(106万の壁の対象かどうか)
- 2026年10月以降の社会保険加入要件の変化を雇い主に確認したか
- 130万円の壁: 2026年4月からの契約ベース判定を健保組合に確認したか
- 2026年(令和8年)分の所得税の非課税ラインは178万円(令和7年分は160万円)であることを把握しているか
- 改正の施行が令和8年12月1日で、令和8年12月の年末調整で精算されることを勤め先と確認したか
- 配偶者控除のライン(令和8年分は給与収入136万円以下)に合わせて源泉徴収票の確認をしたか
- 学生アルバイトの場合: 親の扶養(給与収入136万円/特定親族特別控除は159万円まで満額)と健康保険の被扶養者認定(19〜23歳未満は150万円未満)を把握しているか
- 手取りシミュレーターで損益分岐点を確認したか(→ keisan-navi)
よくある質問(FAQ)
年収の壁とは何ですか?
年収の壁とは、パートやアルバイト等の給与収入が一定額を超えると税金や社会保険料の負担が発生し、手取りが減る「損益分岐点」のことです。主に「税金の壁」と「社会保険の壁」の2種類があります。税金の壁(住民税・所得税)は個人の収入だけに関わり、社会保険の壁(106万・130万)は扶養からはずれて保険料を自分で負担することになる点が特徴です。
2026年改正で103万円の壁はなくなりましたか?
所得税の非課税ラインは令和7年分が160万円、令和8年分は178万円に引き上げられました。ただし社会保険や扶養制度全体が変わったわけではありません。令和7年(2025年)分は基礎控除95万円+給与所得控除65万円で「160万円の壁」、令和8年度税制改正により令和8年(2026年)分・令和9年(2027年)分は基礎控除104万円+給与所得控除74万円で
「178万円の壁」になりました(令和10年分以後は168万円)。社会保険の壁(130万円等)は別の制度のため、この改正では動きません。住民税は基礎控除が43万円のまま変わらず、給与所得控除の74万円だけが令和9年度分から反映されるため、非課税ラインは令和8年度の給与収入110万円から令和9年度は119万円になります(東京23区など基準が45万円の市区町村の場合)(
国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」・
総務省「個人住民税の基礎控除等について」 2026-10-03確認)。
2026年時点で「所得税の壁」は何万円ですか?
2026年(令和8年)分の所得税の非課税ラインは「178万円の壁」です。これは基礎控除104万円(合計所得489万円以下=給与収入665万5,556円以下)+給与所得控除の最低保障額74万円(給与収入220万円以下)の合計です(どちらも令和8年分・令和9年分の特例。令和10年分以後は168万円)。令和7年(2025年)分は基礎控除95万円+給与所得控除65万円で160万円でした。合計所得489万円を超えると基礎控除は67万円→62万円と段階的に下がります。改正の施行は令和8年12月1日で、令和8年11月までの源泉徴収事務は変わらず、
令和8年12月に行う年末調整で精算されます(
国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」 2026-10-03確認)。
106万円の壁は撤廃されましたか?
はい。「賃金要件(所定内賃金 月額8.8万円以上)」は2026年(令和8年)10月1日に撤廃されました(施行済み)。令和7年年金制度改正法による改正で、判断条件だった「全国の最低賃金1,016円以上」も令和7年度地域別最低賃金で全都道府県が達成済みでした。現在は、週の所定労働時間が20時間以上で学生ではなく、勤め先が企業規模要件(現在は従業員51人以上、令和9年10月から36人以上)を満たす場合に、年収にかかわらず健康保険・厚生年金の加入対象です。企業規模要件は残っているため、小規模な勤め先では対象外になることがあります。最低賃金の減額特例の許可を受けた人で所定内賃金が月額8.8万円未満の場合は、原則として加入対象外です(
日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」 2026-10-07確認)。
130万円の壁は2026年4月からどう変わりましたか?
2026年4月1日から、健康保険の被扶養者認定が「労働契約ベース」の判定に変わりました。これにより、一時的な残業で130万円を超えても、労働契約上の年収見込みが130万円未満であれば扶養認定を維持できるようになりました。ただし「給与収入のみ」の方が対象で、副業・不動産収入等がある場合は従来通りの判定です(厚生労働省通達 2026-05-28確認)。
パートで150万円稼いだら手取りはどうなりますか?
年収150万円(給与収入)の場合、
2025年(令和7年)分(非課税ライン160万円)・2026年(令和8年)分(同178万円)ともに所得税はかかりませんが、住民税の所得割はかかります(目安:年数千円〜1万円程度・自治体差あり)。社会保険は106万の壁(2026年10月1日に賃金要件が撤廃され、現在は週20時間要件と企業規模要件で判定)や130万の壁との関係で扶養から外れる場合があります。正確な手取り額は年収・扶養状況・勤め先の規模によって異なるため、
keisan-navi の年収の壁・手取りシミュレーターで計算することをおすすめします。
学生アルバイトの年収の壁は何万円ですか?
2026年(令和8年)分は、勤労学生控除を使わなくても給与収入178万円までは所得税がかかりません。勤労学生控除(27万円)の要件は合計所得89万円以下=
給与収入163万円以下(令和7年分は85万円以下=150万円以下)なので、課税最低限178万円のほうが高く、
給与収入だけの学生には勤労学生控除による上乗せ効果はありません。一方、親の扶養(扶養控除・特定扶養控除)から外れる基準は別で、令和8年分は子の合計所得62万円(給与収入136万円)が境目です。健康保険の被扶養者認定は、19歳以上23歳未満(配偶者を除く)に限り年間収入150万円未満に緩和されています(
国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」 2026-08-26確認)。
配偶者控除・配偶者特別控除はどう変わりましたか?
配偶者・扶養親族の所得要件は、令和7年分・令和8年分と2段階で引き上げられました。令和8年(2026年)分は、配偶者の合計所得金額が
62万円以下(給与収入136万円以下)なら配偶者控除の対象です(令和7年分は58万円以下=給与収入123万円以下、令和6年分以前は48万円以下=103万円以下)。配偶者特別控除は合計所得62万円超133万円以下(給与収入136万円超207万円以下)で段階的に適用されます。19〜22歳の子は合計所得62万円以下(給与収入136万円以下)で特定扶養控除63万円、これを超えても特定親族特別控除で給与収入159万円までは63万円が満額です(
国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」 2026-08-26確認)。
自分の手取りや社会保険料を自動計算できますか?
はい。keisan-navi(計算ナビ)の無料シミュレーターで計算できます。「年収の壁チェッカー」では年収・扶養状況を入力するだけで、どの壁を超えているか・手取り額の変化・社会保険料の概算を確認できます。登録不要・スマホ対応です。→
年収の壁・手取りシミュレーター(keisan-navi)
本記事は2026年5月28日時点の法令・制度情報をもとに作成した一般情報です。
個別の税務・社会保険の判断については、必ず税理士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
情報は予告なく変更となる場合があります。定期的に最新情報をご確認ください。
2026年の社会保険の壁(106万・130万・150万)
社会保険の壁は税金の壁と独立しています。 「所得税の壁が178万円になった」としても、社会保険の扶養からは外れる可能性があります。 2026年は社会保険制度でも大きな改正があります。
106万円の壁:2026年10月1日に月収賃金要件が撤廃された
106万円の壁(特定適用事業所での短時間労働者の社会保険加入要件)は、 2026年9月30日までは以下の4要件すべてを満たす場合に適用されていました。
所定内賃金が月額8.8万円以上(賃金要件 ← 2026年10月1日に撤廃)令和7年年金制度改正法により、賃金要件(月額8.8万円)は2026年10月1日に撤廃されました(施行済み)。 判断の目安とされていた「全国の最低賃金1,016円以上」は、 令和7年度の地域別最低賃金で全都道府県が達成済みで、 週20時間以上働けば月額8.8万円以上になるため、要件としての意味がなくなっていました。 日本年金機構のページも、週の所定労働時間が20時間以上で学生でなく、勤め先が企業規模要件を満たせば、短時間労働者として健康保険・厚生年金保険の加入対象になると案内しています。 なお、最低賃金の減額特例の許可を受けた人で所定内賃金が月額8.8万円未満の場合は、原則として加入対象外です。
出典: 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」(2026-10-07確認)。企業規模要件の段階的な縮小は厚生労働省「短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント」(PDF・令和8年1月作成)(2026-08-26確認)
130万円の壁:2026年4月から契約ベース判定に変更済み
一般の事業所(特定適用事業所以外)で働く場合や、 特定適用事業所でも企業規模要件外の場合、健保の扶養認定は年収130万円が基準です。
2026年4月1日から、被扶養者認定の基準が「労働契約ベース」に変わりました。 これまでは「見込み年収」(残業代込み)で判定されていたため、 一時的な残業で年収が130万円を超えると扶養から外れるリスクがありました。 改正後は労働条件通知書に記載された契約賃金を基準に判定するため、 「残業が多い月があっても扶養を維持しやすくなった」という実務上の緩和効果があります。
- 対象: 給与収入のみの方(副業・不動産収入がある方は従来通りの判定)
- 通勤手当は全額収入に算入される点は変わらず
- 「契約上130万円未満でも実際に大幅超過」が続く場合は扶養外れの可能性あり
📄